SRO〈2〉死の天使 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 738
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054271

感想・レビュー・書評

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  • 「ドクター事件」でSROは一人の重傷者を出し、二人の謹慎者を出し、他のメンバーも外出を禁止された。
    調査室で市民から寄せられた投書を読む毎日だ。
    退職した看護師からの投書がすべての始まりだった。
    患者が急変し死亡した責任を取らされ退職に追い込まれたという。
    医療ミスの疑いもあり看護協会調査課を訪れるが、下野東方病院には何の問題もみあたらない。
    直接病院にもあたってみるが、副院長である琥珀の説明で医療ミスは全面否定され、退職した看護師には問題があったことを説明される。
    信念を持って殺人を繰り返す犯人。
    狂気というよりも、人間ではないもの・・・のような感じがした。
    歪んでしまった心は、人として進んではならない方向へと傾き、間違った信念は彼の中では正義として正当化されていく。
    読んでいてずっとすっきりしなかった。
    正しいことを言っているようにみせかけているけれど、絶対に間違っている。
    まるでお菓子の家を囮に子供をさらう魔女のような・・・。
    耳障りのいい言葉を弱った心に向けてささやき、死への願望を植えつける。
    終盤、山根が「殺人衝動を抑えられないから理由をつけているだけだ」と言っていて、やっとすっきりとした。
    結局、自分の中にある「人を殺したい」という欲望に勝てなかった卑怯な犯罪者にすぎない。
    SRO1では最後しか活躍の場がなかった富田だが、今回は大活躍をする。
    几帳面な彼らしくメモを取りながら、山根の病院側の中継点として見事な動きをみせる。
    後半、富田がどうなるのか。嫌な予感がしてハラハラしながら読み進んだ。
    それにしてもSRO。
    逮捕にあたって毎回人は死ぬし無茶はやるしで、これから大丈夫なのか?と心配になってきた。

  • 読了

  • 続編がでて、わ、うれしいと思って、読みました。今度は、病院もの。連続殺人を犯す副委員長。ある決められた儀式、方式にのっとり、自らの考え方で人を殺していく。宗教を持っていると強くなれるけど、とんでもない方向に行く例かも。

  • 1巻よりこっちのほうが面白かったー!!1巻はちょっと身体的な痛みの描写のところぞっとしちゃったからなあ。精神的なもののほうが読める。面白いな〜歪み具合を書くのが上手いというか……シリアルキラーとかサイコパス?定義がよく分かってないけど、そういうキャラクターを出すとき、歪み具合をどうやって現実の日常で隠してるかの描写がいちばん肝だと思う。現実離れしたらその怖さも半減しちゃうし。前回といい今回といい犯人の描写が上手いので、他で気になるところは割と慣れて……いくけど文庫書き下ろしだからなのか誤字っぽいところが1巻にも2巻にもあってちょっと残念。
    あとはSROが一向にイメージアップしないのが皮肉でリアルでいいなーと思います。

  • 「SRO 死の天使」

    今度は病院が舞台!
    シリアルキラーはなんと敬虔なクリスチャン!

    重病患者に対して死とは何かを説いて決して死は怖くない!神様のところに帰るだけと説き、危篤状態になっても患者が治療を拒むように持っていく。

    なんとも手間のかかる殺人だけど、これで10年以上年間24人も殺していた。

    怖いなぁ。

  • シリーズ2巻目を読む。

  • 今回は犯人が早い段階で登場し、その内面について深い描写があった点が評価できる。
    そのため、読んでいる側としては犯人を追い詰めていくサスペンスの要素が強い読みごたえだ。

    今回のシリアルキラーで被害者数が一気に増えたので、シリアルキラーのパワーインフレが起こらないか心配

  • 富樫倫太郎による広域捜査専任特別調査室SROの活躍を描く第2弾。
    前作からそれほど時間が経っていないのに新たな連続殺人の疑惑に迫っていくSRO。今度は医師が相手となる。
    本作では殺人を神の御心に従ったまでという認識のもとに、なんの罪悪感も持たずに実行していく相手が出てくる。しかも、普段は非常に優秀かつ冷静に的確に物事を判断できる聖人のような人物というところが空恐ろしい。つまるところ、外見や普段の行動からは相手が連続殺人犯とは見分けにくいということだ。
    海外作品ではよくそういった事例を扱うものを見かけるが、日本にはそぐわないのかなあと漠然と思っていた。前作の近藤房子もそうだが、普段とはまるで別の顔を見せる殺人犯に、現実にあり得るのではと思う瞬間が盛り込まれ、しかも、房子は薬剤師、本作では医師という本来人の命を救う役目を果たしている人たちというのがリアルに恐ろしい。
    SROの活躍もさることながら、こうしたリアルな設定で現実に起こりうると思わせる展開を用意しているところが、本作の大きな魅力である。

  • 面白い!!!!!

    前回の1に続いて同じ調査室のメンバーが立ち向かうシリアルキラーなんだが、宮部みゆきの模倣犯のように、終始一貫して犯人はわかってる!!

    犯人の視点からと捜査現場の視点から、はたまた被害者の視点からといろんな方向からの視点で物語が躍動していくのが、とっても新しい!!!

    また、調査室のメンバーのキャラが立ち、読んでて飽きさせない!今回は宗教との連動での犯罪ミステリー2部作!!!!

    面白い!面白い!さすが冨樫!!!と、うなる一冊!!!超オススメです!

  • シリーズ第2段。
     前作と比べると、なんだか一気にチープな感じが漂い始めてしまったのが難点であるが(メンバー、短期間でキャラ変わり過ぎ)・・・十分に楽しめるエンタテイメント。

     生命をゆだねる医師に、もし悪意があったならば・・・と考えると、ちょっと怖くなった。

     既刊は「6」まであるようなので、機会が会えば続刊も手に取ることにはなりそう。

    ★3つ、7ポイント。
    2015.11.06.古。

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著者プロフィール

富樫倫太郎 1961年、北海道生まれ。98年第4回歴史群像大賞を受賞した『修羅の跫』でデビュー。「陰陽寮」「妖説 源氏物語」シリー
ズなどの伝奇小説、「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」シリーズ、「生活安全課0係」シリーズ、『早雲の軍配者』『信玄の軍配者』『謙信の軍配者』の「軍配者」シリーズなど幅広いジャンルで活躍している。


「2019年 『スカーフェイス3 ブラッドライン 警視庁特別捜査第三係・淵神律子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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