人生論 (中公文庫 お 76-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122054745

感想・レビュー・書評

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  • 『人生論』というタイトルだけで敬遠するタチだが、著者が岡本かの子なので手に取った。そして結びの一節を読んで買った。

    「人生は楽しい。苦しくとも楽しい。無限の中から理想を探り出すことは其の楽しみの一つ。理想の現実への適応性を考えることは其の楽しみの二つ。それを表現に努めるのが其の楽しみの三つ。その役務に服しつつあることに於て私達が生命観を把握するのが其の四つ。把握の増大と共に人格が完美に赴く意識を味わうのが五つ。われ一人のみならず四周も共に徐々文化性を開顕し行く過程を眺めるこれ其の六つ。斯くて私達は、洗面にも結髪にも、無限向上の足取りを感じて行く。無限の念願の中に一歩一歩の完成があり、有限の完成上に無限の念願が運ばれる。これを禅の一聖者は本証妙修とも修証一如とも言って居る。」

  • 解説含め116ページという短さである。
    しかし、本編には戦前の文章らしく難解な語句・熟語が多用されているため、読みごたえは十分である。
    「美は恍惚である」など印象に残る命題のようなことばが見つけられた。また、何物も無意義なものはありえないと断言するところがあり、気持ちが良かった。

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著者プロフィール

おかもと・かのこ
1889年に生まれ、
1953年に没した、日本の小説家。
代表作に
『母子叙情』
『老妓抄』
『生々流転』など多数。



「2019年 『美少年 岡本かの子 アムール幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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