暗闘 下 スターリン、トルーマンと日本降伏 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2011年7月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784122055131

みんなの感想まとめ

戦争終結に関する詳細な史実を掘り下げた作品で、著者は膨大な資料を基に、当時の指導者たちの行動や思考を分析しています。特に、トルーマンや鈴木首相の評価が異なる点が興味深く、米国とソ連の覇権争いの中での日...

感想・レビュー・書評

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  • 戦争終結時のことが、膨大な史料をもとに書かれています。補章に掲載のアメリカでの著者の記念講演録は必読。

  • ◎名著。
    ・1951年インタビュー。「彼(トルーマン)は広島の人口について質問したところ、6万人であるという回答を受け取ったと述べた。彼は25万人の米兵が戦死するよりも、6万人の日本人が死ぬことのほうがはるかに良いことだと語った」
    ・日本の指導者の行動を見ると、原爆以上に、ソ連の参戦が決定的に大きな影響を与えた。
    ・鈴木はくるくると意見の変わる首相であった。
    ・広島・長崎への原爆投下後、さらに1945年10月末までに合計7発の原爆が製造される予定であった。
    ・太平洋戦争最後の戦いとされる占守島に戦いで日本は守勢の体制にも関わらずソ連軍に大きな損害を与えた。そこから米参謀本部は、実際オリンピック作戦が実行された場合、九州の日本軍の兵力(14個師団、62万5千人)から、実際予想をはるかに超える大きな損害がでたのではないかと考えた。
    そこから、日本陸海軍が九州作戦では、米軍に相当な損害を与えることができるといったのは決して強がりではなく、それなりの現実性があったのではないかと考えられなくはない。
    ・スターリンは北海道占領を意図していた。
    ・無条件降伏は真珠湾攻撃への報復であることを明らかにした。これはトルーマンの政策に一貫したテーマであった。
    ・日本は軍事・外交ともにソ連の中立に依存していた。それが破たんすると、すべての政策の根拠を失い、ポツダム宣言受諾へ向かわざるを得なかった。
    ・原爆投下とソ連参戦についての避難はあるが、戦争終結を遅らせた日本指導者の責任に対しての批判はあまりない。
    ・原爆投下は日本を降伏へ決断させる決定的な理由とならなかった。むしろソ連参戦が決定打となった。
    ・原爆投下疑問論者が2人いる。1人目は原爆に父といわれるオッペンハイマー博士。もう1人は、当のトルーマン大統領自身である。

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。ワシントン大学で博士号取得。1977年アメリカ市民権取得。北海道大学スラブ研究センター教授、カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部教授などを歴任。ロシア史、日露関係を専門とし、冷戦史研究も手がけている。日本語になった著書は本書(初版は中央公論新社2006、その後中公文庫・上下巻、2011)のほか『ロシア革命下ペトログラードの市民生活』(中公新書1989)、『北方領土問題と日露関係』(筑摩書房2000、1998年刊の原書は大平正芳記念賞)がある。本書の原書Racing the Enemy: Stalin, Truman, and the Surrender of Japan, Harvard University Press, 2005はRobert Ferrell Award、2006年刊行の日本語版初版は読売・吉野作造賞、司馬遼太郎賞を受賞、本書の原書版にもとづいてフランス語版(2014)、韓国版(2018)、ロシア語版(2022)も刊行されている。

「2023年 『暗闘 新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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