お早く御乗車ねがいます (2011-09-22T00:00:00.000)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 65
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055377

作品紹介・あらすじ

戦後初の山陽特急「かもめ」試乗記、夜行急行「銀河」にせ車掌報告記、駅弁と食堂車、汽車アルバムなど、内田百〓(けん)を敬愛する著者が昭和三十三年に刊行した鉄道エッセイ集。宮脇俊三氏編集の単行本が待望の初文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 内田百閒-著者-宮脇俊三と鉄道についての偉大な作家3人が同じ時に日本に生きていたのが奇跡のようだ。特に宮脇氏が中央公論で著者の作品を編集していたなんて夢のよう。当時、鉄道が飛行機やバスよりも安くて便利な公共交通機関だったことも夢のよう。国鉄の黄金時代だったのだ。鉄道ファンとしては東京-大坂間を8時間で行けたことは幸福である。現在は新大阪まで最短で2時間20分……なんとも味気ない。航空機と新幹線の台頭で、寝台特急は軒並み廃止となり、贅沢な鉄道旅行は夢となってしまった。

  • 海軍ものに手を出さず、本書や「南蛮阿房列車」に耽溺する読者というのは、阿川氏ではなく宮脇俊三氏のファンと相場が決まっています。まあ、かく言う自分もその通りなのですが。

    鉄道紀行の大家と言えば、初代が内田百閒、跡を継いだのは阿川弘之、そして三代目は宮脇俊三。「こういう場合、二代目は大したことがない」などと仰ったのは阿川氏ご本人ですが、いやいやとんでもない!終戦直後から高度成長期に片足を突っ込みかけた頃の鉄道が、いや日本社会の姿が生き生きと描きだされています。

    新幹線も高速バス(いや、それ以前に東名自体が存在しない)も無い時代のエッセイ、今となってはなんとも時代がかっていますが、特急機関士の働きぶりなどは現代に通じる要素が多々あって大変興味深かったです。

    そう言えば子供の頃って、地元の商店街でも盛んにスピーカーから宣伝放送が流れていましたよねえ。「かばんのマルジョー」、いつ頃から耳にしなくなったのだろう。

  • 獅子文六の『七時間半』とあわせて読むと、古き良き列車の旅の様子が味わえる。

  • 15/08/21、ブックオフで購入。

  • 大分前に購入し、そのままにしていた本です。ようやく読み終わりました。

    なんだか時代を感じさせる本だなあとしみじみ思いました。阿川氏も宮脇氏も百閒先生が生きている時に電車に乗って先生の本を読んでいたんだなあと思うと不思議な感じがします。そんな百閒先生も私が生まれる前に亡くなられ、宮脇氏ももう彼岸の方となりました。

    鉄道今昔ではないですが東京・大阪間を6時間で走るのが悲願だった時代かあ。今なら大体3時間かからないですよねえ。そして今後リニアが導入されると2時間だとか?いやはや時代は変わりました。後何年もしないうちにまた時代は変わって鉄道の常識も変化していくのでしょう。でも旅はやっぱり鉄道が良いですよね。(罪悪感なくお酒が飲めるから)

  •  新幹線もない。高速道路もない。航空便はあるけれど、まだ高根の花。
    解説には、懐かしい時代と書かれているが、自分には想像のできない時代。

     未来を予測した著者は、50年後の現代をどのように感じているのか。残念ながら著者による文庫版のあとがきはない。

     北杜夫が亡くなった時も、阿川佐和子がコメントを出すのみで本人はもう表にでるつもりはないのか。

    アナウンスの騒音→ずいぶん静かになったのでは。車内の美化→列車の高速化、乗車時間の減少、飲食の不要(駅弁かけが身にも車内美化がうたわれていたが、相当の問題だったのだ。これもよくなったが、車内マナーという意味では別種の問題が・・・。道の埃→これは圧倒的に良くなったのでは。

    その他の思い出。百科事典?でもあれは月光か。もっとあと。

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著者プロフィール

一九二〇年(大正九)広島市に生まれる。四二年(昭和一七)九月、東京帝国大学文学部国文科を繰り上げ卒業。兵科予備学生として海軍に入隊し、海軍大尉として中国の漢口にて終戦を迎えた。四六年復員。小説家、評論家。主な作品に『春の城』(読売文学賞)、『雲の墓標』、『山本五十六』(新潮社文学賞)、『米内光政』、『井上成美』(日本文学大賞)、『志賀直哉』(毎日出版文化賞、野間文芸賞)、『食味風々録』(読売文学賞)、『南蛮阿房列車』など。九五年(平成七)『高松宮日記』(全八巻)の編纂校訂に携わる。七八年、第三五回日本芸術院賞恩賜賞受賞。九三年、文化功労者に顕彰される。九九年、文化勲章受章。二〇〇七年、菊池寛賞受賞。日本芸術院会員。二〇一五年(平成二七)没。

「2018年 『南蛮阿房列車(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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