たたずまいの美学 日本人の身体技法 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2011年9月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784122055407

作品紹介・あらすじ

窮屈なものとされてきた日本人の所作が秘める風土に根ざした合理性とは? 所作、履き物、坐り方、呼吸法、武道。身体論から日本文化の原点に迫る。

みんなの感想まとめ

人の動きや佇まいを通じて、内面的な美を探求する内容が魅力的な一冊です。著者は、身体の動きが「心」や「想い」を映し出すことを強調し、表面的な美しさを超えた深い洞察を提供しています。日本の美的感覚を独自の...

感想・レビュー・書評

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  • 人の動きは「心」や「想い」の現れ。
    肉体の輪郭や均整に基づくものではなく、それを覆い隠してもなお姿勢やしぐさから表出する存在の印象を「美」とする心。見えないものを当たり前のように認め、表面的に見るのではなく、内側から放たれるものを見極める。そのような、古くから自然と溶け込むことで見出してきた日本人独特の美的感覚に感動を覚える。その遺伝子を受け継いでいることに誇りを抱く。

  • 面白くて二回続けて通読。

    三原佳子さんが著書で勧められていて、和装の姿勢の参考になればと思い読んでみたが、和装のみならず、バレエに関してもとても参考になった。

    西洋の方と日本人ではそもそも無意識下での体軸から違うらしい。
    西洋の方の体軸ではしゃがもうとすると自ずとターンアウト(外股)になるらしい。
    どうにも上手く出来ないターンアウトの理由が体軸にあったとは。

    これまで姿勢を良くするよう見よう見まねでやっていても疲れるばかりでちっとも成果が得られなかったが、この本を読むことで少し「骨を掴み」、日々の動作、姿勢に関しての道筋がやっと見えた気がする。

    その他、もちろん和装に関してもとても参考になりました。

    定期的に読み返し、気をつけたいと思う。

  • 『からだのメソッド』『椅子と日本人の身体』『美しい日本人の身体』と、結構この人の本は読んできた。
    重なる話が多いなあ・・・と思ったら、ほぼ同時期に出た本のようだった。
    ただ、こちらの方が、方法論についても説明されているので、もし1冊だけで済ますなら、この本があればいいのだろう。

    座ること、歩くことの奥にある、身体をどのように操作するかに文化差が出るという話ということだが・・・
    このテーマ、これからどんな風に進化していくのだろう。

  • 雑学豆知識ではなく、深い洞察に支えられた「歩き方立ち方着こなし方」を通して学ぶ日本の身体技法と美の基準。
    確かに、言われてみればその通り。欧州人は歩く時に膝から下をかなり前方に投げ出し、踵をカツカツと着地しながら歩いている。一方の私は、骨盤をやや前傾させ膝から下だけをチョコマカ摺り足で歩く。親指やその付け根あたりに重心がある。ふむふむ。
    佇まいの美学。それが様々な身体技法を通じて行動や振る舞いの価値観にまで影響しているなんて、面白い。
    また、筆者の基本姿勢も好ましい。この手の著作にありがちなノスタルジーやナショナリズムとは節度のある距離を保ち、かつ、あちらにもこちらにも肩入れして「この観点ではこういうのが美しいのだ」と抑えつつも隠しきれない情熱が伝わってくる。
    現代の着物の着付けが100年前の着付けとはかなり違うという指摘など、変わらない芯と不変に見えてそうでもない皮の描写も素敵。
    元トップアスリート、今学者。行動と観察。理論と実践。高いレベルでバランスされてます。

  • 日本人の姿勢、仕草、立ち振る舞い、服装や道具等を実践的かつ学術的に解説

    方法論でも解説されているが、非常に広範で深雑なことに対してしっかりとした論理展開

    著者の他の本に比べて学術、論述的。

  • 下駄の話とか面白かったな。

    現象面の分析は良かったが、それを、著者の主観に基づいて一般化しているような感じがちょっと違和感。

    あと、図説が異常に見辛い。

  • 人の立ち振舞いについて深く考察した興味深い本。バレエと日本舞踊の違い、履き物や洋服和服の違いなど着目するポイントがユニークで面白い。

  • 欧米人と日本人とでは、どうしてこうもたたずまいや歩き方が違うのだろう、などと常日頃思っていたワタシに明快な回答を出してくれた一冊。
立ち方、座り方、歩き方、服の着方など普段の動作は、実は日本人の身体にしみ込んだ伝統文化にその源を発する。和装と身体の関わりに関する研究で博士号を取った著者は、そう指摘する。言われてみればまあそうだろうと思うかもしれないけれど、そのしみ込み方が想像以上だということが、著者の綿密な調査と考察で浮き彫りになる。
    ところで、この秀作を生んだ著者には、ぜひ「小走り」についても研究をお願いしたい。日本では小走りしている人を見ない日はないと言ってもいいくらいだが、欧米ではあまり見かけない。日本人のこの習慣はどこから来たのか。(ちなみに、ワタシの中では、日本人が海外に行った時に止めてほしい行動の第一位が小走り。貧相な感じがして、とても見ていられない。)

  • 少し前に読んだ「美しい日本の身体」と内容的には同じでしたが面白かったです。

    日本独特の文化や身体の使い方は柔術という観点からももっと深く追求していきたいですね。

  • 二〇〇四年三月 中央公論新社刊
    文庫化にあたり大幅に加筆訂正しました。

  • [ 内容 ]
    同じ洋服を着ているのに、日本人と西洋人の歩き方が違うのはなぜか―。
    立ち方、坐り方、服の着方、履き物の履き方など、なにげない日常の動作から浮かび上がってくる、現代日本人の身体にしみこんだ武道、茶道、能薬、禅など伝統文化の深層。
    「身体」を通した画期的な日本人論。

    [ 目次 ]
    第1章 立居振舞いの論理
    第2章 履物と歩行様式
    第3章 和装の身体技法
    第4章 日本人の坐り方
    第5章 身体の自然性
    終章 方法論

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 2014/4/26図書館から借りてきた。
    基本姿勢の「体軸」からの文化圏の比較。
    日本人は「前方軸」,ヨーロッパと西アフリカは「後方軸」。
    日本人の着物、履物、坐り方、武術まで、日本人として本来持っていたものを改めて思い出しながら読みました。

  • 分かりやすいとこだけ、つまみ読み。意外と読みやすく、面白かった!もっと早く読めば良かった。
    しょせん歴史の浅い現代人、そんなすぐに西洋の形に沿えるわけはないんだよね。日本人の持っている体の特長、たたずまいの美しさを忘れてはいかん、と思った。日本古来の踊りをやっている方は、きっと身をもって知っているんだろうな。
    この本を読んでから、姿勢に気を配るようになった。

  • 文章は学生の卒業論文みたいで読みにくいが、たいへん興味深い内容だった。
    日本人がヨーロッパ人のように格好よく歩かない理由がよく分かった。
    膝を軽く屈曲させた前傾姿勢(猫背とか)は、水田で稲作を行う際に一番安定する姿勢が基になっているという説に納得。
    体の向きを変える時、まず進行方向と反対の足に重心を移してから膝をゆるめ腰の向きを変えることで次の動作に移る...とは、太極拳の動きそのものではないか。

  • 文化論的身体論で、素晴らしい。

  • 履物や服、道具は、その文化が持つ身体技法と裏表の関係。こういう身体の使い方をするのでこの形状のツールになる、というつながり。あと、どこに美の基準を置くかで振る舞いや意味も変わる。現代も無意識に身についている。和と洋は、深いところから違っている。

  • 日本人の身体技法は特殊です。あまり西洋人のまねしてはいけません。

  • 膝を曲げて歩く人を見かける度に、人の振り見て・・・と思っていたのだが、その背景に民族的な文化背景があったとは。どんなに体格が欧米化しようとも、DNAに刻まれたそれは、まだまだ影響力が強いのか。
    バレエのレッスンをしていて、基本姿勢が難しいと感じていたけれど、なるほど、その時だけ気をつけているようでは直せないのだ。まずは体軸を見直してみよう。そしていつか「骨で立つ」ことができるように。
    生活様式と文化と身体がいかに密接につながっているのか。新しい視点をいただいた。

  • 生活様式によって日常の動作は異なり、日常の動作が異なれば身体の発達も異なってくる。本書を読むとこの事がするすると理解出来る。
    何故日本の武士は腰に差せば足袋の匁が変わると言われる日本刀を扱う事が出来たのか、西洋の騎士のように筋骨隆々とした肉体ではないのか、といった事がこの本から分かる。そして日本人と西洋人の身体に対する美意識の違いもここに端を発する事が納得出来るだろう。

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著者プロフィール

1967年生まれ。筑波大学大学院体育研究科修了。整体協会にて研鑽を積んだ後独立し、日本身体文化研究所を主宰。武蔵野美術大学講師。大学では体操競技を専門とし全日本選手権、インカレ等に出場。選手時代の姿勢訓練が高じて日本の修行・芸道の身体技法を研究する。姿勢研究の一環として椅子のデザイン開発に着手。「身体感覚のデザイン」をテーマとしたプロダクトレーベル‟Corpus”をプロデュースし、デザイン・製作を手掛ける。椅子の販売・コンサルティング会社の顧問も務める。著書に『椅子と日本人のからだ』(晶文社/ちくま文庫)、『たたずまいの美学』(中央公論新社/中公文庫)、『美しい日本の身体』(ちくま新書)、『日本人の坐り方』(集英社新書)、『からだのメソッド』(バジリコ/ちくま文庫)などがある。

「2018年 『坐の文明論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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