千年ごはん (-)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 244
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055414

作品紹介・あらすじ

山手線の中で出会ったおじさんのクリームパンに思いを馳せ、徳島ではすだちを大人買い。これまでも、これからも、連綿と続く日常のひと皿に短歌を添えて。日々のおだやかな風景を歌人が鋭い感性で切り取る食物エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 食べること=生きること 美味しい=しあわせ
    これは人類最高の方程式だ(と思う)!
    と、そんなにしゃっちょこばらなくても、自然に読めて、ほっとする一冊でした

  • 歌人であり、小説家の東さんの初めての食のエッセイ。
    各作品に、歌一首つき。

    作者の人柄が表れているのだろうか、優しくて自然な文章。
    食べ物の味を感じるのは、舌にある味蕾だから、おいしい食べ物の文章は舌で味わうものが多い。
    あとは、目?
    東さんの食べ物への向き合い方は、体ごとである。
    体に流す(流し込む)、もしくは通す、という言い方がされる。
    とても素直だ。
    たとえば、色インクに切り花を挿しておくと、その色水を吸い上げて花弁が同じ色に染まるような。

    ただ、極端に“体にいいもの”を追及しているわけではない。
    無理に30品目の食品を摂るようなことは、人間を生き物としてとらえれば不自然な事、と考える。
    人は動物として、生まれた土地にあるものを自然に採って食べてきたのだ。

    「千年ごはん」というのは、そういう、“物を食べる”生き物が地球上に登場してからずっと続けてきたこと、自然に食物を体に取り入れて命をつないできたこと、変わらずにある営みを象徴する言葉なのだろう。

    お姉様が挿絵を担当されたらしい。
    味があってかわいい絵だと思う。
    貝の話のところに、なんとオウム貝が描かれていて、そのセンスに思わず微笑んでしまいました。

  • 短歌に興味を持ち、アプリで作ってみたものの、私ってこんなに暗かったっけ?と心配になるほどネガティブな歌ばっかりになりました(^^;; そんな折、自分の本棚にこの本が積んであったことを思い出しました。
    歌人の東さんには申し訳ないのですが、東さんの作品は小説のほうが好きです。
    小説は繊細な危うさや不思議を孕んでいて大好きなのですが、この食エッセイ短歌添えは、お上品すぎてお尻がモゾモゾする感じσ(^_^;)
    岸本佐知子さんや西加奈子さんみたいな、ぶっとびリアルなエッセイが大好物なので、お行儀の良い東さんのエッセイを物足りなく思ってしまいました。
    西加奈子さんも書かれていましたが、食と旅行のモチーフはズルい(笑)と私も思います。
    石井好子さん『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』を再読したくなりました。

  • 何度も繰り返して読みたい本。すーっと体に染み入る感じがする。

  •  お節料理の黒豆、鍋料理、ちらしずし、天麩羅、そうめん、ごはんのおこげ・・・などなど、オリジナルレシピやら食べ物へのこだわりやら切ない思い出に、36の短歌を添えた「今日のビタミン」&「つらつらごはん日記」の書き下ろし作品の贅沢な食べ物エッセイ集。

     「肌重ねあったことは語らずにすり鉢の中にふくらむ豆腐」
    「取り戻せることもあるのよ とにかくね今の今なら今が今なの」
    何気ない日々の食べ物を切り取り、人生になぞらえた短歌が心に響く!
    本のタイトルが『千年ごはん』とにあるように、食べるという行為はある意味、連綿と生きてきたその生きものの時間と付き合うことなのだろう。家族となることは、一緒にごはんを食べることから始まる・・・と、改めてそんな風に想いを馳せた。
     某TV番組チューボーですよ!風にいうと★★★「星みっつですぅっっ!」(^_-)-☆

  • つらつらごはん日記がすきだなぁ

  • 食にまつわるエッセイ、短歌付。
    ストレートで簡易な言葉で書かれているので受け取り易い。
    柔らかくまろやかな感じ。

  • 美味しそうな食べものエッセイを好むのですが、この本も素敵な空気でした。
    季節色があって、これからの季節も生きるのが楽しみになります。
    やってみたいごはんもたくさんありました。かくし味に野菜ジュースを入れたカレー、トマトと茄子としし唐とタコのスパゲティー、根菜の素揚げ、「マカロニを入れたやつ」、ミネストローネ風スープ…料理上手になりたい。
    各エッセイの最後にある短歌も良かったです。

    「食べ物が美味しく感じられるのは、憂いなく生きているから。」

  • 毎日おいしくごはんを食べられるのはなんて幸せなんだろう。茗荷を焼いて食べてみたくなった。

  • 最近は食に関するエッセイを読むのがマイブーム。
    東さんは、日々の食事を通して生について真摯に考えていらっしゃるんだなぁ、というのが文章の端々から伝わります。
    思春期の娘さんの不安定な気持ちと味覚がリンクしていたエピソードが印象的でした。
    冷たいおかゆ、私も好き。お味噌を塗った焼き茗荷は今度ためしてみよう。
    各章の最後におさめられた短歌の柔らかな響きも心地よく、ほっと暖かい気持ちになって読了しました。

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著者プロフィール

1963年広島生まれ。歌人、小説家。絵本や童話、イラストレーションも手がける。「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞、『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞を受賞。歌集に『十階』、小説に『水銀灯が消えるまで』『とりつくしま』『さようなら窓』『薬屋のタバサ』『晴れ女の耳』、エッセイ集に『短歌の不思議』など。穂村弘との共著に『回転ドアは、順番に』がある。

「2019年 『しびれる短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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