- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122055414
作品紹介・あらすじ
山手線の中で出会ったおじさんのクリームパンに思いを馳せ、徳島ではすだちを大人買い。これまでも、これからも、連綿と続く日常のひと皿に短歌を添えて。日々のおだやかな風景を歌人が鋭い感性で切り取る食物エッセイ。
感想・レビュー・書評
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食べること=生きること 美味しい=しあわせ
これは人類最高の方程式だ(と思う)!
と、そんなにしゃっちょこばらなくても、自然に読めて、ほっとする一冊でした詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
食べ物が身体を作っていることが伝わるエッセイです
お豆腐の話が好きでした -
歌人であり、小説家の東さんの初めての食のエッセイ。
各作品に、歌一首つき。
作者の人柄が表れているのだろうか、優しくて自然な文章。
食べ物の味を感じるのは、舌にある味蕾だから、おいしい食べ物の文章は舌で味わうものが多い。
あとは、目?
東さんの食べ物への向き合い方は、体ごとである。
体に流す(流し込む)、もしくは通す、という言い方がされる。
とても素直だ。
たとえば、色インクに切り花を挿しておくと、その色水を吸い上げて花弁が同じ色に染まるような。
ただ、極端に“体にいいもの”を追及しているわけではない。
無理に30品目の食品を摂るようなことは、人間を生き物としてとらえれば不自然な事、と考える。
人は動物として、生まれた土地にあるものを自然に採って食べてきたのだ。
「千年ごはん」というのは、そういう、“物を食べる”生き物が地球上に登場してからずっと続けてきたこと、自然に食物を体に取り入れて命をつないできたこと、変わらずにある営みを象徴する言葉なのだろう。
お姉様が挿絵を担当されたらしい。
味があってかわいい絵だと思う。
貝の話のところに、なんとオウム貝が描かれていて、そのセンスに思わず微笑んでしまいました。 -
短歌に興味を持ち、アプリで作ってみたものの、私ってこんなに暗かったっけ?と心配になるほどネガティブな歌ばっかりになりました(^^;; そんな折、自分の本棚にこの本が積んであったことを思い出しました。
歌人の東さんには申し訳ないのですが、東さんの作品は小説のほうが好きです。
小説は繊細な危うさや不思議を孕んでいて大好きなのですが、この食エッセイ短歌添えは、お上品すぎてお尻がモゾモゾする感じσ(^_^;)
岸本佐知子さんや西加奈子さんみたいな、ぶっとびリアルなエッセイが大好物なので、お行儀の良い東さんのエッセイを物足りなく思ってしまいました。
西加奈子さんも書かれていましたが、食と旅行のモチーフはズルい(笑)と私も思います。
石井好子さん『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』を再読したくなりました。 -
何度も繰り返して読みたい本。すーっと体に染み入る感じがする。
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お節料理の黒豆、鍋料理、ちらしずし、天麩羅、そうめん、ごはんのおこげ・・・などなど、オリジナルレシピやら食べ物へのこだわりやら切ない思い出に、36の短歌を添えた「今日のビタミン」&「つらつらごはん日記」の書き下ろし作品の贅沢な食べ物エッセイ集。
「肌重ねあったことは語らずにすり鉢の中にふくらむ豆腐」
「取り戻せることもあるのよ とにかくね今の今なら今が今なの」
何気ない日々の食べ物を切り取り、人生になぞらえた短歌が心に響く!
本のタイトルが『千年ごはん』とにあるように、食べるという行為はある意味、連綿と生きてきたその生きものの時間と付き合うことなのだろう。家族となることは、一緒にごはんを食べることから始まる・・・と、改めてそんな風に想いを馳せた。
某TV番組チューボーですよ!風にいうと★★★「星みっつですぅっっ!」(^_-)-☆ -
短い時間でスラスラ読める
読んでいて料理や食材が想像しやすく
思わずお腹が空いてしまう良い本 -
食にまつわるエッセイ、短歌付。
ストレートで簡易な言葉で書かれているので受け取り易い。
柔らかくまろやかな感じ。 -
美味しそうな食べものエッセイを好むのですが、この本も素敵な空気でした。
季節色があって、これからの季節も生きるのが楽しみになります。
やってみたいごはんもたくさんありました。かくし味に野菜ジュースを入れたカレー、トマトと茄子としし唐とタコのスパゲティー、根菜の素揚げ、「マカロニを入れたやつ」、ミネストローネ風スープ…料理上手になりたい。
各エッセイの最後にある短歌も良かったです。
「食べ物が美味しく感じられるのは、憂いなく生きているから。」 -
毎日おいしくごはんを食べられるのはなんて幸せなんだろう。茗荷を焼いて食べてみたくなった。