おなかほっぺおしり 完全版 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2011年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784122055681

みんなの感想まとめ

育児の日々をリアルに描いたこの作品は、懐かしさと共感に満ちたエッセイです。著者は自身の育児経験を通じて、喜びや不安、ストレスといった感情を率直に綴っており、特に育児の初期に感じる迷いや葛藤を生々しく表...

感想・レビュー・書評

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  • 酒井順子さんの「本棚には裏がある」で紹介されていたので読みました。
    何事も、誰もやらなかったことを最初にやる人がすごいのよね。
    いわゆる、「子育て本」です。今なら、子育ての苦労やあれこれをSNSで綴ったり、雑誌の連載にしたり、発信するなんていくらでも、みんなやっているけれど、伊藤比呂美さんの時代には、「母親は育児が大変だなんて言わずにただ当たり前に家族と子どもに尽くして当然」とされていたのだろう。育児が大変だ、一人の時間が欲しい、私の自由はどこへ行ったんだ?などと、著名人が発信したら、袋叩きにあっていたのかもしれない(?)。
    子どもがいて大変だ、娘のわがままがうっとうしい、とストレートに気持ちを表現しながら、それでも子供への愛情が感じられるエッセイ。私より20も年上で、子育ての環境も今とは違うが、それでも、一人の未熟な女が、自分がいないと生きてはいけない幼子を二人(のちには三人)抱えて生きていくのは、いつの時代だって同じように大変で、そして同じように尊いのだと感動する。

    この本は、子育て真っただ中の伊藤比呂美さんが書いた「おなか ほっぺ おしり」を「完全版」として再編集?し、一編ごとに「25年後からの言及」という、当時を振り返った一言がついていてとても面白く読める。子育て経験のある人なら、共感必至。

    以下引用↓
    ナマのコドモは、きたなくて、きたないものが好きで、嫉妬ぶかくて、くいしんぼで、うるさくて、自己中心的で、甘ったれで、こわがりで、知りたがりで、融通がきかず、しかし同時に柔軟なものの見方を持ち、立ち直りが早い。やつらがナマを出せば出すほど、オトナからはかけ離れ、オトナであるわたしはいらだたしいうっとうしいうらまやしい。

  • 「良いおっぱい 悪いおっぱい」完全版に続く、こちらも25年後の比呂美さんの加筆(突っ込みとも言う(#^.^#))を加えた完全版。.



    長女のカノコちゃんが二歳直前から始まり、第二子・サラ子ちゃんを妊娠、出産、そして、育児の大渦!の日々を綴る一冊。

    子どもがいかに可愛いか(だから、タイトルも“子どもの”おなか ほっぺ おしり なわけで)
    同時に、いかに鬱陶しいか、が比呂美さんの見たまんま、書かれているところが、なんていうか、うんうん、そうだったよ!と。


    育児はもちろん楽しいこともたくさんあるのだけど、何が大変だったかと思うと、

    自分の時間が取れないとか(うん、本を読みたかったです。)
    何をどうやっても泣き止まなくて、私まで泣きたかったとか(「ねぇ、何をしてほしいの?教えてちょうだい?」と、真剣に赤ん坊に話しかけたっけなぁ。)
    いくら可愛い我が子といえども、二十四時間勤務・汗では息苦しくて大人と話したい~~!となったとか(主人の仕事がちょうど忙しいころで帰宅は毎晩深夜だったもんなぁ)

    まぁ、あれこれ思い出すことはあるのだけど、

    何よりも、


    素直じゃないカノコに、わたしたちは2歳児の未熟さや論理を見るよりもさきに、自分自身を見てしまう。カノコを怒るたびに、カノコがこんないやな性格になったのは、じつはわれわれのせいだ、われわれの性格がもともとゆがんでいて、育て方も悪かったからこうなったんじゃないか、とつい考えてしまうわけです。


    これですよ、これ!
    あ゛~~~!!!そうだったよぉ~~~!

    親子なのだから、確かに私と似ているところがあって、しかも、よく言われることだけど、似てほしくないところが似る、というマーフィーの法則。

    子どもが依怙地になったり、わからんチンの様相を呈したりすると、
    大人げなく腹を立てる→でも、これは私が悪いからこんなことをするのではないか。→でも、やっぱり腹が立つ。→そんな自分にもっと腹が立つ。

    を繰り返していたなぁ・・・。


    そっか、比呂美さんはあの当時、こんなことを書いてくれていたんですね。

    娘たちとの おなか ほっぺ おしり (#^.^#) の日々はもう戻ってこないけど、

    うん、あれこれあれこれありましたよ!というのが一番の気持ちかなぁ。(#^.^#)

    • たまもひさん
      じゅんさん、こんにちは。

      何と、完全版が出てたんですね。知りませんでした。わたしはまさに子育て真っ最中の時に読んで、気持ち的にずいぶん助け...
      じゅんさん、こんにちは。

      何と、完全版が出てたんですね。知りませんでした。わたしはまさに子育て真っ最中の時に読んで、気持ち的にずいぶん助けられたと思います。
      こういう風に子どもや子育てのことが語れるんだ!と目からウロコがポロポロ落ちたのが忘れられません。
      以来ずっとこのラディカルな詩人のファンです。「閉経記」も買ってお楽しみに寝かせてあるんですが、もう読もうかな。
      2013/08/27
    • じゅんさん
      たまもひ様
      こちらでもありがとうございます!(#^.^#)

      私は「閉経記」が初比呂美さんで、それがあまりによかったものですから今更ながらの...
      たまもひ様
      こちらでもありがとうございます!(#^.^#)

      私は「閉経記」が初比呂美さんで、それがあまりによかったものですから今更ながらの追っかけです。(#^.^#) そうですね、子育て期に読んでいれば随分楽になったかも。でも、今この時期に出会ったというのも必然のように思えます。
      「閉経記」の感想、お待ちしてますね。
      2013/08/27
  • 久しぶりに読み返して、最近読んだトメさんよりはカノコさんサラ子さんの方がおとなしいと思いました。懐かしい面白さ、もっと長くて迫力あるように思っていました。西さんは協力的な父親なのになんで離婚しちゃったのだろう。比呂美さんは詩よりエッセイの方が面白いかも。

  • 今を楽しもう!育児日記を残そう!と思わせてくれる^^
    育児エッセイのはしり。

  • こうでなければいけない!等の育児本ではなく、作者ご本人の2児の働く母親の生活をありのまま書かれている作品です。夫との関係や自分の生理的なこと、仕事、子供それぞれの個性を客観的かつ動物的にとらえて面白おかしく書いてありました。自分自身の生育歴からなる価値観も見つめられていました。

  • 二人目の子が生まれる前から上3歳半・下1歳半になるぐらいまでの、(わが経験的にも)怒涛の時期に育児月刊誌に寄稿されていた文章。
    レインボウママなりたての(多くはあとになってみればたいしたことのない)不安も迷いもそのまんま、体調不良やストレスの波も、「仕事ができない」「自分の時間がほしい!」という本音などもせきららに。そんなこんなも25年後に読み返せばみなよい思い出、というところまでわかるのが完全版のおもしろさ。
    自分の通ってきた既視感たっぷりのキモチやエピソードがあまりに次から次に登場して、ほっとするというか、しみじみを通り越してはげしく共感してしまう。

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。詩人、小説家。78年、詩集『草木の空』でデビュー、同年現代詩手帖
賞受賞。80年代の女性詩ブームをリードし、「育児エッセイ」分野も開拓。2018年から21年、早稲田大学教授。06年『河原荒草』で高見順賞、07年『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞、08年紫式部文学賞、15年早稲田大学坪内逍遙大賞、19年種田山頭火賞、20年チカダ賞、21年『道行きや』で熊日文学賞を受賞。父の最後の三年半を綴った『父の生きる』ほか、『読み解き「般若心経」』『切腹考』『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』『森林通信 鷗外とベルリンに行く』『野犬の仔犬チトー』『対談集 ららら星のかなた』(谷川俊太郎氏との共著)など著書多数。

「2025年 『わたしのおとうさんのりゅう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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