七つの証言 - 刑事・鳴沢了外伝 (中公文庫 と 25-25)

著者 :
  • 中央公論新社
3.43
  • (17)
  • (58)
  • (85)
  • (13)
  • (2)
本棚登録 : 574
感想 : 50
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055971

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者の主なシリーズの中で、唯一未読なのが、この鳴沢了のシリーズ。
    番外編ともいうべき本作は、鳴沢を取り巻く人たちの視点で書かれている。『瞬断』では、別シリーズの主人公高城賢吾の視点で描かれている。『不変』では、大友鉄の名前も登場する。
    本編は、鳴沢の一人称視点らしい。
    レビューによると、番外編とは少し違う人物設定のようで、遅ればせながらこのシリーズ読んでみようかな。

  • 大友鉄の名が出てきて、思わずニヤリとしてしまいました。
    鳴沢了、大友鉄、タイプは全然違うけど
    どちらも魅力ある人物です。

  • 堂場瞬一、刑事・鳴沢了シリーズ、最終章?「外伝」
    面白かったです。了に関わった7人の視点でそれぞれが了をどのように見ていたかが分かるような気がします。
    それぞれのストーリーの最後は思わせぶりな感じで終わっており、「この後は皆さん想像してください」っ的な終わり方です。
    「瞬断」は高城賢吾(警視庁失踪人捜査課刑事、この人のシリーズもあります)の視点。
    「分岐」はかつての同僚で静岡の寺の副住職をしている今敬一郎。
    「上下」は新潟県警の以前の部下で了を慕う刑事。
    「強靭」は小説家から新聞記者に転身したが、その後退職し小説家になった長瀬龍一郎。
    「脱出」は西八王子署の相棒で、鳴沢ストッパーと言われる藤田心。
    「普変」はこちらも元同僚で警視庁を退職後私立探偵をしている小野寺冴。
    最後の「信頼」は了の恋人内藤優美の息子の内藤勇樹。優美とは長い間結婚に踏み切れなかったが、了の子どもができ、ようやく結婚したが、勇樹はアメリカで俳優として活躍し、優美はニューヨークで弁護士になるための準備をしているため、年に数回しか会うことがない。
    1巻目から読んでいくと、了の心と考え方が少しずつ変わっていく様子が分かる。一人狼で突っ張っていた了が仲間と家族ができ少しだけ角がとれた感じになってくる。それでも了は了で、自分を信じてこれからも刑事をしていくのだろう。

  • “刑事・鳴沢了”のスピンオフ?な短編集。
    例によって、1編ずつレビューを。

    【瞬断】
    堂場瞬一は、短編も面白い!!!
    本短編集は、堂場ファンになじみのある7人の視点から見た鳴沢を描いた一冊・・・という事前情報はあったけれども、ここでの“高城”の登場は、予想はしていてもやっぱり嬉しいね。

    筆者の人気シリーズ2本の主人公が介して、どちらの味も殺さず、どちらの良さも描き上げた良作。

    ※明神への視点が・・(笑)。

    【分岐】
    “今”の視点から描かれた、鳴沢の“変化”(笑)。たしかにね……。

    【上下】
    “海くん”登場。本編の頃から好きなキャラだったから、ニンマリ(^-^)v。

    悩む海くんに鳴沢が助言……という流れだと思ったのは、まあその通りだったが、ミステリ要素もイイ感じにミックスされていて◎。


    【強靭】
    最後の一行がイイね。
    「少なくとも、3人は。」

    城戸検事の話、もういくつか書いてくれればいいのに……。


    【脱出】
    …何故バレてた?…都合良く地下室?…証拠物がある地下室に、なぜ閉じ込めただけ??? …素手で折れる程度の強度のレバーで、素手で開けられなかった鉄扉が開けられるものなの?

    堂場作品でここまでツッコミどころが目についたのも、珍しい(苦笑)。ちょっとだけガッカリな一編。


    【不変】
    冴の最後の一言は無粋だとしても……ちょっと小洒落たラストシーンが◎。
    しかし……他のレビューにも書かれているが、自分も優美より冴の方がいいと思う(笑)。


    【信頼】
    いいなあ、こういう父子。
    血の繋がらない息子をここまで全力で守り・愛せる主人公と、彼を心から信頼する勇樹との“絆”は、本編シリーズを読んできた分、深く心に沁み入る。


    “総評”
    やっぱり、堂場瞬一にハズレ無し(^-^)v。

    ……ああ、これで、ホントの本当に、鳴沢了の物語を読み尽くしてしまった。
    達成感よりも、一抹の寂しさが……。



    ★4つ、9ポイント。
    2013.10.28.了。



    【再読】
    基本、ミステリを再読することは無いのだけれど…買い置いた本を切らしてしまってなんとなく一篇だけ読んでみよっかと開いてみたら、止められなくなった(苦笑)。

    3年ぶりの再読は…意外に細部を忘れていて、わりと新鮮に読めた♪

    「信頼」で描かれた父子愛には、やはり泣かされて(苦笑)。

    たしか、近ごろ刊行された雑誌に載った堂場さんの短編が“鳴沢了、登場”と銘打たれていた記憶が・・・。

    読むべし。

    ★5つ、10ポイント。
    2016.11.02.再読。

  • 鳴沢了シリーズはずいぶん前に読んだのですっかり忘れていたけれども、鮫島堂場版の雰囲気。

  • それなりには面白かった。、本編シリーズが強烈だったので、外伝として気楽に読むことが出来た。ただ、鳴沢了のマッチョ的な表現はなんだかイメージと違うきがしたのは私だけかな、どちらかというと引き締まった感じが強いものの筋肉でスーツがきつそうな表現が気になった。

  • 鳴沢了シリーズ外伝。
    鳴沢了に関わったいろいろな人物から見た鳴沢了に迫る。
    シリーズ自体が一人称だったので、今回は他人に見られる鳴沢了と言うことでなかなか興味深い。
    堂場瞬一作品、総勢出演でかなり楽しめる。また10作品、読み直そうかなぁ。

  • 鳴沢シリーズの番外編という位置付けで、鳴沢を取り巻く人からの視点で描かれた短編集。
    鳴沢という特異なキャラクターが、さらに興味深いキャラクターとなって、もう一度シリーズを読み返したくなった。

  • 鳴沢了シリーズの中で、1番良かった♪
    結婚してからの鳴沢の変化が人間味あって
    読んでてホッコリしました。

  • 警察を辞め私立探偵となった小野寺冴。閑古鳥が鳴く事務所に元相棒で警視庁に勤める鳴沢了から、俳優の息子・勇樹のボディガードをしてほしいという依頼がくる。破格の報酬につられ引き受けるが…(「不変」より)。鳴沢にかかわる七人の目を通して「刑事として生まれた男」の真実を描き出す。

全50件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堂場瞬一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×