ステップ (中公文庫 し 39-2)

著者 :
  • 中央公論新社
4.14
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本棚登録 : 3974
感想 : 309
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056145

作品紹介・あらすじ

結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 重松先生の本は、数冊は読んだことがあるはずだが、国語の教科書的なイメージがあって、あまり自分で購入することはなかった。
    今回フォロワーさんの皆さん高評価のこの本を購入してみた。


    結婚三年目に、妻が赤ちゃんの娘を残して亡くなった。
    のこされたパパこと健一。
    妻朋子の両親、そして朋子の兄の夫婦。
    それぞれが悩んで、泣いて、考えて、笑って、一歩ずつ前進していく。
    時間と共に、家族の成長、そして娘の美紀の成長を描いた物語。

    私の家庭が、この本で言うところの所謂普通の家族だからなのか?
    夫婦が居て、子供2人居て、、、
    大した苦労もしていないのかも。。。

    男手一つで美紀ちゃんを育てたパパには関心したし、周りの温かさにも感動した。
    美紀ちゃんは優しい子に育ち、パパも幸福なはず!

    高評価で、間違いなく良い作品なのだが、私と重松先生の相性がイマイチなのか?そこまでのめり込まなかったのが正直な感想m(_ _)m
    こんな感想しか書けなくて申し訳なくなるくらい、良い作品だと思う。。。

  • 相変わらずうまい!
    シングルファザーと娘との、そこに亡くなった妻の両親が加わった愛の子育て記。ポップ、ステップ、ジャンプで娘を育て、ステップファミリーとして妻の両親との深まりを追っていく。
    悲しみの記憶も人を成長させていく。無くなるものだからと初めから無くても良いはずがない。いろんな刺さる言葉が散りばめられていた。
    私は重松清の小説を読むと時の流れが人を癒してくれているように感じる。

  • R2.4.17 読了。

     映画化されると聞き手に取った。妻に先立たれた夫と幼い娘の物語。家族の形にこだわらなくとも良い。そう思える。重松さんの作品はやはり優しさにあふれている。
     人は生まれてからいろんな人達に支えられて、愛されて、育てられて、大人になっていくんだということをあらためて気づかせてくれる作品でした。
    なんか読後のいまなら「ありがとう」って、素直に言える気がする。

    ・「一所懸命なひとがいる。不器用なひとがいる。のんびりしたほうがいいのはわかっていても、それができないタチのひとがいる。いいじゃないか。みんなとは違う。悪くないじゃないか。がんばって、つい夢中になって、みんなからはずれて、はぐれてしまう。ときどき意地を張りすぎたり、みんなのもとへ帰るタイミングを逃したりする。それもいいじゃないか。」
    ・「目の前の今日を、あたふたしながら生きているだけだ。」
    ・「悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだとー誰かが、というのではなく、僕たちが生きてきた日々が、教えてくれた。」
    ・「悲しみを胸に抱いたまま生きていくのは、決して悲しいことではない。そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない。」

  • 感動した。この映画の原作が読みたい。
    その一心で手に取ったのがこの本。
    原作にほぼ忠実に描かれているんだなと思いながら
    いくつも台詞や情景表現に感動を覚えた。

    人間でリレーをする存在なんですよ。
    数えきれないほどの今日を昨日に変えていって、いま僕たちはここにいる。
    知り合ってからすべての時間が親しくなる歴史になっている。

    何気ない言葉だけど、深い。そして重い。

    亡くなった人の命も
    自分につながる大切な人の思いも
    全部一緒に生きている!

  •  久々の重松清さん。あ〜、この胸の奥がジーンと熱くなる感覚、やっぱり重松さんだなぁと改めて思います。
     んで、本書です。結婚3年目、1歳半の娘を残し30歳で病死した妻の亡き後、必死に生きる「僕」と「娘」の10年間の物語です。
     娘にも見せたことのない、密かな人生ノートをめくるかのように、健一(僕)の視点で綴られています。
     健一自身、とても周囲の人を気遣う優しい人柄で、殻に閉じこもらずに、会社の同僚、義理父母、妻の兄夫婦との関係を取り持ちながら、少しずつ父娘2人は成長していきます。人には様々な立場があるわけですが、これらの人間関係と距離感が絶妙なので、物語に深みがある気がします。
     唯一、健一の実の両親が描かれず、話を広げすぎて焦点化に支障をきたすのかな、と勝手な想像をしてしまいました。
     それでも、娘の小学校卒業、健一の再婚までを一区切りとした「成長と再生の物語」は、軽やかな未来の予感を漂わせ、温かな余韻を引きます。
     重松さんは、人の優しさ、思いやり、喪失感、葛藤等の描写が上手ですし、困難を乗り越える、折り合いを付ける落とし所もツボを得ていると感心します。

  • 結婚三年目、三十歳という若さで、朋子は逝った。
    あまりにもあっけない別れ方だった―。
    男手一つで娘・美紀を育てようと決めた「僕」。
    初登園から小学校卒業までの足取りを季節のうつろいとともに切り取る、
    悲しみを胸に少しずつ「育って」いくパパと娘の物語。


    若くして妻が突然の病死。
    妻が残してくれた1歳半の娘を戸惑い、悩みながらも一生懸命育ててゆくお話です。
    幼い娘の成長を通して、周りの人々と交流し片親ならではの苦悩や、
    母親を知らない娘の辛さ。
    有難いと思いながらも少しの鬱陶しさを感じる亡くなった妻の父母との付き合い。
    望んでも子供に恵まれなかった妻の兄夫婦の苦しみや辛さ。
    彼らの気持ちも切なかったり…淋しかったり…。

    文章は勿論とても素晴らしく、
    涙を誘おうとするようなあざとさを全く感じず、
    主人公のパパの語りがとても穏やかで実直で人として素晴らしいと
    感じられてとても良かったです。
    皆がとても優しくてあったかい。
    こんなに沢山の愛に包まれて、見守られているってとても幸せなことだね。

    愛する家族を失う哀しみ。
    誰もがいつかは経験するだろう。
    その時の自分の年齢だったり、様々な要因で感じ方乗り越え方は違うとおもうけど、
    それを優しく教えてくれた気がしました。
    乗り越えるんじゃなくて、一緒に生きていくんだって思えました。

    亡くなった人を想う時間や思い出す事が、少しずつ少しずつ少なくなってゆく。
    でも何かで不意に思い出した時、その衝撃がとても大きいのですよね。

    心に染み入る言葉や想いが沢山散りばめられていました。
    しみじみと、とても良いお話でした。

    • いるかさん
      はじめまして。

      いろいろな作家さんが好きですが、重松清さんが一番好きかもしれません。

      これからもレビュー楽しみにしています。
      ...
      はじめまして。

      いろいろな作家さんが好きですが、重松清さんが一番好きかもしれません。

      これからもレビュー楽しみにしています。
      よろしくお願いします。
      2020/03/29
  • 当たり前にいる人が突然居なくなってしまうこともあるということが分かり、毎日を大切にしたいと思える本だった。

  • 妻を亡くして二歳の娘を1人で育てる父親の話ですが、決して1人では無い。
    色々な人の影響で成長していく事が丁寧に書かれていて、共感したり腹が立ったり泣いたりして読みました。
    娘が二歳から小学校卒業まで成長していく話で、妻の家族にも主人公にも変化が有り、色々な人の目線で読める作品です。
    特に仕事人間像だった義父の村松さんの言葉に涙する事が多かった。
    『子どもの思い出すら残せない人生なんて…おい、むなしいもんだぞ、まったく…』
    『どんなにきれいでも、最後は水に戻るんだよ』
    『じいちゃんも、雪ウサギだ。美紀ちゃんより先にいなくなって、もう会えない』
    『でも、溶けて、消えても、雪ウサギがきれいだったなあって思ってくれれば…ウサギさんは、うれしいんだよ』
    読み終わった後に、優しくて強くなれる作品だと思います。

  • 重松清の小説は、穏やかな言葉で文章が綴られて説得力があります。妻に先立たれた「僕」と幼い娘が、周りの優しさに支えられて成長していくストーリー。家族とは、命の現場なのだとあらためて考えました。

  • 良かった
    男手一つで娘を育てる物語。
    当然、ハートフルな暖かい物語です。
    9作の連作になっています。

    ストーリとしては
    妻を亡くしてシングルファザーとなった健一と娘美紀。
    美紀の2歳から12歳の小学生卒業までの健一と周りの暖かい人たちとの物語。
    そんな中、健一が新しい一歩を踏み出す物語。

    保育園でのケロ先生との関係や会話。
    小学校に上がると母の日に母の似顔絵を描かせようとする担任の先生。
    写真屋の娘。
    再婚相手となるナナさん
    義父母、義兄夫婦
    さまざまな人たちとのやり取りの中で美紀が成長していきます。

    その娘の成長と合わせて、義両親や義兄家族との微妙な関係、距離感の中、強く、優しくなっていく物語となっています。

    こんな義両親いるかぁ?とは思いますが、この設定ではとても重要な役割。とくに義父は重要なポイントだと思います。

    じんわり、あたたかくなる物語でした。
    家族を大切にしたいと思わせる物語。

    娘を持つ父親は必読!!

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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