- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122056145
作品紹介・あらすじ
結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。
感想・レビュー・書評
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重松先生の本は、数冊は読んだことがあるはずだが、国語の教科書的なイメージがあって、あまり自分で購入することはなかった。
今回フォロワーさんの皆さん高評価のこの本を購入してみた。
結婚三年目に、妻が赤ちゃんの娘を残して亡くなった。
のこされたパパこと健一。
妻朋子の両親、そして朋子の兄の夫婦。
それぞれが悩んで、泣いて、考えて、笑って、一歩ずつ前進していく。
時間と共に、家族の成長、そして娘の美紀の成長を描いた物語。
私の家庭が、この本で言うところの所謂普通の家族だからなのか?
夫婦が居て、子供2人居て、、、
大した苦労もしていないのかも。。。
男手一つで美紀ちゃんを育てたパパには関心したし、周りの温かさにも感動した。
美紀ちゃんは優しい子に育ち、パパも幸福なはず!
高評価で、間違いなく良い作品なのだが、私と重松先生の相性がイマイチなのか?そこまでのめり込まなかったのが正直な感想m(_ _)m
こんな感想しか書けなくて申し訳なくなるくらい、良い作品だと思う。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相変わらずうまい!
シングルファザーと娘との、そこに亡くなった妻の両親が加わった愛の子育て記。ポップ、ステップ、ジャンプで娘を育て、ステップファミリーとして妻の両親との深まりを追っていく。
悲しみの記憶も人を成長させていく。無くなるものだからと初めから無くても良いはずがない。いろんな刺さる言葉が散りばめられていた。
私は重松清の小説を読むと時の流れが人を癒してくれているように感じる。 -
R2.4.17 読了。
映画化されると聞き手に取った。妻に先立たれた夫と幼い娘の物語。家族の形にこだわらなくとも良い。そう思える。重松さんの作品はやはり優しさにあふれている。
人は生まれてからいろんな人達に支えられて、愛されて、育てられて、大人になっていくんだということをあらためて気づかせてくれる作品でした。
なんか読後のいまなら「ありがとう」って、素直に言える気がする。
・「一所懸命なひとがいる。不器用なひとがいる。のんびりしたほうがいいのはわかっていても、それができないタチのひとがいる。いいじゃないか。みんなとは違う。悪くないじゃないか。がんばって、つい夢中になって、みんなからはずれて、はぐれてしまう。ときどき意地を張りすぎたり、みんなのもとへ帰るタイミングを逃したりする。それもいいじゃないか。」
・「目の前の今日を、あたふたしながら生きているだけだ。」
・「悲しみや寂しさは、消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだとー誰かが、というのではなく、僕たちが生きてきた日々が、教えてくれた。」
・「悲しみを胸に抱いたまま生きていくのは、決して悲しいことではない。そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない。」
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久々の重松清さん。あ〜、この胸の奥がジーンと熱くなる感覚、やっぱり重松さんだなぁと改めて思います。
んで、本書です。結婚3年目、1歳半の娘を残し30歳で病死した妻の亡き後、必死に生きる「僕」と「娘」の10年間の物語です。
娘にも見せたことのない、密かな人生ノートをめくるかのように、健一(僕)の視点で綴られています。
健一自身、とても周囲の人を気遣う優しい人柄で、殻に閉じこもらずに、会社の同僚、義理父母、妻の兄夫婦との関係を取り持ちながら、少しずつ父娘2人は成長していきます。人には様々な立場があるわけですが、これらの人間関係と距離感が絶妙なので、物語に深みがある気がします。
唯一、健一の実の両親が描かれず、話を広げすぎて焦点化に支障をきたすのかな、と勝手な想像をしてしまいました。
それでも、娘の小学校卒業、健一の再婚までを一区切りとした「成長と再生の物語」は、軽やかな未来の予感を漂わせ、温かな余韻を引きます。
重松さんは、人の優しさ、思いやり、喪失感、葛藤等の描写が上手ですし、困難を乗り越える、折り合いを付ける落とし所もツボを得ていると感心します。 -
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はじめまして。
いろいろな作家さんが好きですが、重松清さんが一番好きかもしれません。
これからもレビュー楽しみにしています。
...はじめまして。
いろいろな作家さんが好きですが、重松清さんが一番好きかもしれません。
これからもレビュー楽しみにしています。
よろしくお願いします。2020/03/29
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感動した。この映画の原作が読みたい。
その一心で手に取ったのがこの本。
原作にほぼ忠実に描かれているんだなと思いながら
いくつも台詞や情景表現に感動を覚えた。
人間でリレーをする存在なんですよ。
数えきれないほどの今日を昨日に変えていって、いま僕たちはここにいる。
知り合ってからすべての時間が親しくなる歴史になっている。
何気ない言葉だけど、深い。そして重い。
亡くなった人の命も
自分につながる大切な人の思いも
全部一緒に生きている! -
重松清の小説は、穏やかな言葉で文章が綴られて説得力があります。妻に先立たれた「僕」と幼い娘が、周りの優しさに支えられて成長していくストーリー。家族とは、命の現場なのだとあらためて考えました。
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良かった
男手一つで娘を育てる物語。
当然、ハートフルな暖かい物語です。
9作の連作になっています。
ストーリとしては
妻を亡くしてシングルファザーとなった健一と娘美紀。
美紀の2歳から12歳の小学生卒業までの健一と周りの暖かい人たちとの物語。
そんな中、健一が新しい一歩を踏み出す物語。
保育園でのケロ先生との関係や会話。
小学校に上がると母の日に母の似顔絵を描かせようとする担任の先生。
写真屋の娘。
再婚相手となるナナさん
義父母、義兄夫婦
さまざまな人たちとのやり取りの中で美紀が成長していきます。
その娘の成長と合わせて、義両親や義兄家族との微妙な関係、距離感の中、強く、優しくなっていく物語となっています。
こんな義両親いるかぁ?とは思いますが、この設定ではとても重要な役割。とくに義父は重要なポイントだと思います。
じんわり、あたたかくなる物語でした。
家族を大切にしたいと思わせる物語。
娘を持つ父親は必読!! -
妻に先立たれ残された幼い我が子を連れた
夫の再出発の物語
本作は、これだけに留まらず「のこされたものたち」の生き方や、大切な人を亡くすこととの付き合い方…
これらの繊細で微妙で曖昧にされていることが、しっかりと軸になっている作品でした。
「一所懸命な人がいる。不器用な人がいる。のんびりした方がいいのは分かっていてもそれが出来ないタチの人がいる。いいじゃないか、みんなとは違う。悪くないじゃないか。頑張ってつい夢中になって、みんなから外れてはぐれてしまう。時々意地を張り過ぎたりみんなのもとへ帰るタイミングを逃したりする。それもいいじゃないか。
みんなとうまくやっていくことが一番大切なんだと考える人より、一所懸命頑張ることの方を大事にする人になって欲しい。」
「悲しみや寂しさは消し去ったり乗り越えたりするものではなく、付き合っていくものなのだ」
重松清さんの作品は心に響くフレーズが幾つもあり温かい涙が溢れてきます。
優しくもしっかりとした輪郭をもって生と死に向き合い、読者にそっと語りかけ、ゆっくりと背中を押してくれる様な温かい作品でした。 -
結婚3年目、30歳という若さで、朋子は逝った。男手一つで娘・美紀を育てようと決めた「僕」。娘の幼稚園入園から小学校卒業まで、ふたりの道のり。亡き妻の両親や義兄夫婦との絆。あたたかくて不器用で一生懸命な家族のかたち。
沁みます。。。
著者プロフィール
重松清の作品






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