オーケストラ、それは我なり 朝比奈隆 四つの試練 (中公文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • 中央公論新社 (2012年4月23日発売)
3.83
  • (2)
  • (7)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 8
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784122056275

みんなの感想まとめ

音楽と人間の情熱が交錯する物語が描かれており、著者の向上心や苦労を通じて、指揮者の真髄に迫ります。特に、録音に否定的で生演奏の重要性を強調した指揮者の姿勢は、音楽の本質を考えさせられる要素です。彼の指...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 常に向上していこうとする姿勢に敬服すること多々。でも、本当に苦労したことはあまり書かれていないのでしょう。話を濁したり、他の話題へ振り向けたりもあったようですから。

  • 日本屈指に有名な指揮者の評伝
    芸事の中で指揮者は
    生前に評価を得なければ
    形として物が残られない
    ところから役者俳優演技者に近いものがあるのかもしれない
    指揮棒を振っている背中は評価されないので
    自分が演奏していない音にどれだけ自分の名前をこすりつけられるか
    という点で
    評伝にするには興味深い題材であると思う

    読んでいるこちらに音楽知識が皆無なので
    話題意の取り落とし多そうだが
    例えば(当然だが)解説と比しても評より伝よりの評伝
    「昭和の企業経営者」伝もの風な日経私の履歴書みたいな書き様は
    過不足なく感じた
    音楽を文章で伝えろったって無理な話であるそりゃそうだ

  • 131007

  •  楽団員が去ったホールに呼び戻され、ステージのすぐ下で拍手する聴衆に軽く頭を下げる朝比奈隆の写真を何かのきっかけで見た。そんな光景は見たことがなくて憧れた。「95歳まで舞台で上がる」と言い続けたのを初めて知った。他の国では生まれえないし、これからの日本でも決して生まれないだろうマエストロの来歴と音楽に対する思いを丁寧に、丁寧に書き尽くしている。筆が走っている部分、止まりそうになった部分もはっきりとわかる。著者の朝比奈に対する敬愛の思いが伝わってくる。表題は朝比奈が語った言葉ではない。けれど、心に秘めていたのだろうと納得させられた。敬遠してた「朝比奈のブルックナー」を急いで購入した。

  • 大阪フィルの朝比奈隆の評伝。
    大阪フィルは大阪人にとっての誇りであり、文化の一つであると思うのですが、今は窮地に立たされているのは間違いないかと思います。
    大阪フィルと共に歩んで来た朝比奈隆さんの評伝は、これからの大阪フィルに大きなヒントをもたらすのではないかと思います。

  • 尊敬するマエストロ、故朝比奈隆の評伝である。

    1990年頃だったか渋谷のオーチャードホールでのブラームスチクルスは
    全曲聴いた。とりわけ第二番が宇宙的で素晴らしかった。

    本書はマエストロの生い立ちから晩年まで精髄をあますところなく
    描ききっている。たいした筆力である。

    しかし、読まずにいたほうがよかったかな?とも思わぬでもない。

    晩年のあの風格と御本人の実態はずいぶん異なるようで
    勝手に抱いていたイメージがずいぶん崩れてしまった。

    それはそれで本書を読んだ意義の中に含まれるだろう。

  • 2008年9月に文藝春秋から出た指揮者・朝比奈隆(1908-2001)の評伝の文庫化。

    朝比奈隆という日本を代表する指揮者の生涯は、とてつもなく長い。
    すでに戦前から京大オケ、大阪中央放送局オケさらには上海、ハルビンのオケと指揮者としてのキャリアをスタートさせていた。
    そして、戦後にあっては大フィルの設立、育成・発展に尽力すること半世紀。

    本書はその出生の秘密から紐解き、朝比奈の暗い生い立ちを描く。朝比奈自身が父母に対して複雑な思いを抱くのは分かるが、それをさらに投射するように息子の千足が父への思いを吐露している。家族に対して愛情を注ぎきれない朝比奈隆の内面である。

    一方、表の姿である指揮者としての朝比奈の活躍を支えたのが、東京高校や京都帝大時代の豊富な人脈であったのは、本書で最も興味深かった。ことオーケストラの運営には莫大な費用がかかるものだが、それを引っ張ってくる才能は音楽的な技量とは全く違う次元である。しかし、朝比奈にはその才能が備わっていた。

    朝比奈の音楽性は「緻密」とは全く疎遠なものであった。どちらかと言えば、曲の勢いとかスケール感に乗っかっている音作りである。指揮ぶりについても、映像を見ればわかるが、楽団員の証言にもあるように大まかなものに過ぎない。
    まして、オーケストラの楽隊に対しては独裁的であり、1980年代末から90年代初頭には組合からの突き上げをくらってストまで打たれて。

    そのような素人的な指揮者がこれほどまでに長く指揮台立ち続けられたのはなぜだろうか?
    演奏録音だけではなく、その生き様から見えてくることもある。

全7件中 1 - 7件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

茨城県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本航空に5年ほど勤務し、東宝演劇部戯曲研究科を経て、1997年『嬉遊曲、鳴りやまず――斎藤秀雄の生涯』でエッセイスト・クラブ賞とミュージック・ペンクラブ賞、2009年『オーケストラ、それは我なり――朝比奈隆 四つの試練』で織田作之助賞大賞受賞。他の著書に『杉村春子 女優として女として』、『君に書かずにはいられない――ひとりの女性に届いた四〇〇通の恋文』『日本航空一期生』(令和2年度芸術祭参加作品・テレビ朝日「エアガール」原案、中公文庫)、『鍵盤の天皇――井口基成とその血族』など。

「2024年 『斎藤秀雄 レジェンドになった教育家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中丸美繪の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×