夜の終焉(下) (中公文庫 と 25-27)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 322
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056633

感想・レビュー・書評

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  • 真野の娘かなというのはちょっと予想できたけど、面白かった。
    重い話だけど、最後はちょっと爽やかさまで感じるくらい。

  • 父が殺人を犯し、検事になることを諦めた川上譲は、東京で弁護士として、仕事に邁進していた。そこに舞いこむ故郷・汐灘からの依頼は、死刑を望む殺人犯の弁護だった。汐灘サーガ第3弾。

  • まさかの真野の娘とは!
    さすがにびっくりした!
    なんとか社会復帰できそうでよかった。

    長編となったが、冗長にならぬところが堂場さんのさすがなとこ。

    もう一回ゆっくり読みたい。

  • 事件が解決するわけじゃあない。到るべきところへ到るまでの流離だったんだね。

  • 目の前で事故にあった少女の身元を探す真野。
    自分の過去と戦いながらも、捜索は続く。
    その先にある少女の正体と自分の過去への決着は、逃げ出した20年を埋められるのか。
    また、相対する二人の男性の境遇が、思わぬところで未来に向けて動き出す。

    2016.10.13

  • 関東北部の架空の町、汐灘を舞台にした3作品の最終作の下巻。
    汐灘で20年前に起きた殺人事件の被害者息子、真野亮介は目の前で起きた交通事故の被害者の少女の身元を調べるために今まで行くことを避けてきた汐灘に向かい、20年前の捜査を担当し、10年前に引退した元刑事の協力で、東京の予備校に有力な手掛かりを見つける。
    一方、川上は地元汐灘で発生した20年前と同じような殺人事件の犯人の弁護を担当するため、所属する事務所の甘粕がの友人弁護士に依頼され、容疑者の藤沢の周辺を調べる。藤沢には川上自身の体験を告げるとともに、藤沢が殺害した角田に妹が乱暴されていたという事実をつかむ。
    そんな川上のもとに徳島から郵便が届く。その中に書かれていたものは、川上と真野を繋げる驚く内容が記載されていた。
    川上は徳島に向かい、事実を確認する。そして、交通事故の少女の身元が判明する。
    真野は、厚木署交通課の石田とともに予備校を訪ねる。予備校に保管されていた少女の書類には真野を驚かせる内容が記載されていた。するとそこに川上が同僚の真紀を伴い訪れる。相対する真野と川上、真野は一瞬のうちにそこから逃げ出してしまう。
    真野を追う川上、道路上で向き合う二人。
    その後の急展開、汐灘で起きた藤沢事件の行方は読んで感動してください。

  • やっぱりね。
    最後に一捻りあるかなー。と期待したが、よくある結末で残念。
    上巻の方がおもしろかったな

  • 「殺人者の息子」という宿命を背負いながら弁護士となった川上は、かつての父親同様に死刑判決を頑なに望む被告の弁護を手伝うことに。それは二十年前の殺人事件と、あまりによく似ていた―。被害者の息子と加害者の息子。決して邂逅すべきではない二人の人生が汐灘の街で出会ったとき、何が訪れるのか。

    喫茶店マスターと弁護士、二人の主人公の印象が似通っていたからか、やや読みにくかった。

  • 上巻に比べ結末が読めてしまい
    ちょっと失速。

    他の作品の登場人物が出ていたり、
    この地方が舞台となた三部作の一つであったり
    ということをあとがきで知りましたが、
    この作品だけでも十分楽しめました。

  • 長い、そして重い話でした。

    殺人者の息子と被害者の息子ひとりの少女の事故をきっかけに再開する。

    難しく、くらい話です。

    そして、蓋をあけてみると案外単純な仕掛けが。

    テーマが重いので読むのが疲れます。

  • 二人の男が1つの事件を巡って苦悩する。執拗な描写だが、負った傷を考えると必要なことなのだろう。途中の不穏な空気から最後は晴れ渡るような晴天。堪能できた。

  • 徳島へ話が飛んだところに、一筋縄では終わらせない作者のうまさを感じた。

  • 読書【夜の終焉】読了。嫌われ者だった被害者の息子と同情された加害者の息子のそれぞれの20年間の苦悩な人生。ひとりの少女の登場で2人が重なる。そして感動のクライマックス。タイトルの意味が長編のラスト1行に濃縮されている。この1行の為の物語…感動の読後感。読書っていいな‼

  • 被害者の息子と加害者の息子。ただ、被害者の生前の横暴さにより世間は加害者に同情し、被害者の息子であるはずの真野は生まれ育った汐灘を逃げるように後にする。一方、加害者家族としての業を背負った川上も汐灘には帰れぬものの、自分なりに事件との折り合いをつけて自身の人生を歩んでいた。
    20年という歳月を積み重ね対極的な立場にいる2人の男が事件の影を引きずり、鬱屈を抱えながらもがく様がよく描かれている。

    こんなにも人生を諦めたような真野を後押しし、愛想を尽かさずおせっかいを焼いてくれるような人物がいるといったご都合主義をさて置けば、主役格の2人が紆余曲折を経て自分自身を見つめ直して立ち直るまでがじつっくりと丁寧に描かれていて、共感・納得のできるストーリー仕立てになっている。

    汐灘シリーズとしては最後に希望が見い出せるような、表題へと繋がる終わり方は非常にきれいにまとまっていた!!
    それを含めてなかなかの秀作だったと思うが、それだけにこれが汐灘シリーズの集大成なのだろうか。。。。

    しかし、少女の正体は読めんかった。。。。
    ってか、途中から影が薄れてたしで…

  • 2012.09.24読了。
    知人からもらった本。
    ストーリーは面白かったけど、あまり心には響かなかったな。


    ここからは個人的メモ。
    殺人事件の被害者と加害者、そして被害者の息子と加害者の息子。
    生前の被害者の行いが悪すぎたため、亡くなってからも叩かれる加害者、そしてそんな状況に耐えきれず街から逃げた息子。
    殺人犯の息子となり検事の夢は諦めるものの、弁護士となり過去と折り合いをつけたと思っている加害者の息子。
    ある少女の事故がきっかけで2人は暗い過去と向き合うことになる。

  • 加害者の息子も被害者の息子も心を閉ざしていた。一人は表舞台から隠れて、一人は社会に関わる形で。心を閉ざさないと生きていくことが出来なかったんだろうと、それほどの衝撃があったのだろうと思う。
    そこから踏み出すには二十年と言う長い時間が必要だったんだろう。そのきっかけは一人の少女に関わる事故だったけれど、それがなくても彼らはいつか踏み出していたんだろうと思う。
    彼らの周囲にはノックし続けてくれる人がいたから。

  • 上巻でのしつこいまでの描写が最後に活きたんだろうかね?最後は、たしかに夜が明けた?よかったよかった。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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