六本指のゴルトベルク (中公文庫)

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 79
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122056817

感想・レビュー・書評

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  • 芸術家の芸術家たる所以にいい意味で圧倒されました。
    ピアニストが、私達?一般人の感覚とはいかにかけ離れれた世界感の中で生きていることか。
    それは、あなたの隣に座っているピアニストの見ている景色が眼の前の街並ではなく、宇宙其の物という位の隔たりなのです。
    異邦人を読むような、不可思議を味わいたい方は是非読んでみて下さい。

  •  本に出てくるクラッシック(ちょっとジャズもあるけど)をピアニストの観点から読み説くエッセイ。
     タイトルの「六本指のゴルドベルク」は、トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」のレクター博士のことから。

     青柳氏は、音楽家である自分と、文筆家である自分が、常に両立してるだなぁって思って読んだ。
     「もの書きピアニストはお尻が痛い」では、両者の間をいったりきたりしてる感じがあったんだけど、このエッセイは完全に混在している。
     エッセイストとして、稀有な方なのだろうと感服いたしました。

     にしても、タイトルで読みましたね、思われるものがちょいちょいあって、微笑ましいというか同病相哀れむというか…。
     「大いなる聴衆」とか「ピアノ・ソナタ」とか、まぁ本の中にでてくる音楽のエッセイなんだから、音楽がでてこないと話にはならないんだろうけど、それでもやっぱり多い気がする。も、これは職業病かもしれんね。字が並んでても音楽関係の文字だけが、太文字になってるみたいに目にはいってくる。そんな感じかもしれない。

     あと、青柳氏のお人柄が…。
     生真面目で、素直で、前向きで、ってまぁそれだけなんてことはないのだろうけど、マイナスを表に出さない上品さが素敵だなと思います。

     うん、知的で上品、上質。そんなエッセイ。

  • もともとミステリはあまり読まないので、しらない作品ばかりだったけれど、音楽家が登場する小説、音楽が重要なキーとなる小説って意外とあるものなのだとおもった。
    クラシックとジャズの違い、ピアニストでもある著者のようなその道の人が読むとよくわかる音楽家気質のことなど、発見が多かった。こどもを音楽の道に進めたいなんて気軽に思っちゃいけない気がした。

  • 恥ずかしながら、知らないだけで、音楽を扱った本ってたくさんあるんだなあ…というのが読み始めてすぐの感想。それから、出て来る曲を聴いてみたくなる。

著者プロフィール

ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業。東京芸術大学大学院博士課程修了。一九九〇年、文化庁芸術祭賞受賞。演奏と執筆を両立させ、『翼のはえた指 評伝安川加壽子』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイスト・クラブ賞、『六本指のゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、『ロマンティック・ドビュッシー』でミュージックペンクラブ賞を受賞。大阪音楽大学教授、日本ショパン協会理事。

「2018年 『ドビュッシー最後の一年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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