猫を看取る - シュガー、16年をありがとう (中公文庫 う 31-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057005

感想・レビュー・書評

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  • ただのペット溺愛本ではなく、動物の介護・看取りについて考えさせられる…

  •  ノンフィクション作家が16年に渡り生活を共にした娘(猫)との生活から老いと死別を語る。
     
     愛猫の老いが始まった8歳の時と悪性腫瘍が診断されて亡くなるまでの16歳の時のことが主に描かれている。じょじょに何かができなくなっていく老い、悪性腫瘍の摘出手術をしないことを決断し緩和ケアを行い看取られる死。猫を娘、私を母、夫を父と呼ぶ生活の中で語られるこの猫についての老いと死別の物語は、ペットに特別な愛情を持っていない自分にとっても驚くほどに人間としてのそれと遜色なく感じられる。この本を最後まで読んで泣かない人などいるのだろうか。
     表紙が本当に素晴らしい。中の写真もカラーで見たかった。
     ペットについて考える本でありながらしっかりと人間の死生学の本でもある。いや、死生学に人も猫もなく、愛する者の死、やがて来る自分の死について考えることができる一冊なのだと思う。

     猫を飼っている人達に必ず読むことを勧めたい。
     日本には飼い猫が1000万匹以上いるらしい。本来は最低でも100万部は売れていないとおかしい本。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。医療、人物、教育、スポーツ、ペットと人間の関わりなど、幅広いジャンルで活動。なかでもフィギュアスケートの取材・執筆は20年以上におよび、スポーツ誌、文芸誌などでルポルタージュ、エッセイを発表している。『人間らしい死を迎えるために』、『ペットと日本人』、『猫を看取る シュガー、16年をありがとう』、『別れの何が悲しいのですかと、三國連太郎は言った』、『羽生結弦が生まれるまで 日本男子フィギュアスケート挑戦の歴史』ほか、著書多数。

「2019年 『スケートは人生だ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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