これでよろしくて? (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1021
レビュー : 133
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057036

感想・レビュー・書評

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  • この本は、(私が抱く川上さんのお話のイメージより)軽くて楽しいものかと思えば、徐々に重くなって、ラストにはずしっときてしまった。
    菜月、38歳、2つ年上の夫、光と平穏な結婚生活を送っている(子供はいない)。あるとき、菜月は結婚前の元彼の母親(土井母)から声を掛けられ、「これでよろしくて同好会」の入会を勧められる。この会は年齢も環境も違う女性5人が、洋食屋で集い、そのつど(人のある事柄とか)議題について討論し合う。井戸端会議のように。土井母のテンポが面白い。
    最初は「会」について、訝しげな菜月だったが次第に居心地の良い場所となってゆく。

    それとは別の場面。菜月の家族との絡みの部分、二つの構成で話は進んでゆく。
    義妹、郁が信じられない。いきなり菜月夫婦宅を訪れ、しばらく滞在する。と思ったら入れ替わりに義母がやってきて、たいした理由もなく長期に渡って平然と滞在するのだ。
    ありえない、この義母の傍若無人さには呆れ果て、付ける薬がない。
    親族あるあるの感情がわかるところが多くて、余計に心が痛かった。例えば、結婚して間もない頃は、夫の実家に行っても、自分の周りだけ空気が違う感じがしたものだった(自分もそうだった)。
    光が菜月の作った目玉焼きに文句をつけた。もっととろっとしてたほうがいい、と。菜月はむっとしたが言い返さなかった。私ならどうしたか。結婚生活はこういうことばかり。
    結婚生活や親族関係は、些細な心情のもつれはあって当然。どこまで我慢?どこまで言えばいいか?の連続。
    永遠のテーマではないか。菜月の性分が自分(私)にも似ていて読んでいて苦しいところもあった。
    「会」に救いを求めたくなる菜月の気持ちがわかる。
    私もこんな会があったら入会したい。疲れない程度の議題で。

  • 好きだなぁ、このゆる~い感じが。
    結婚六年目の主婦、菜月がふと出会った『これでよろしくて?同好会』は、
    いろいろな年齢の女性が集まって、何だか興味津々。
    ちょっと砕けた人生相談みたいで、面白い。
    ガールズトークって、軽いように見えて、奥が深いんですよね。
    女性の味方はやっぱり女性。
    日々の会話の中で、気付かされることがたくさんあるのです。

  • 久々に川上弘美さんの本を読みました。
    【パスタマシンの幽霊】のレビューで、川上弘美さんの文章は美しい!と書きました。
    この本でもやっぱりそう感じます。
    そして優しい!読んでいて、安心できるというか、心を任せられるというか…
    川上さん、どこへでも連れて行って~!というような気持になるというか~(笑)

    上原菜月は夫と二人で暮らす専業主婦。
    偶然、元カレの母、土井母と再開する。
    土井母が菜月を誘ったのが『これでよろしくて?同好会』
    興味をそそられ菜月が参加してみると、そこに集う面々は老若女女。
    そうの老若男女ではなく、老若女女!!

    同好会では議題があって、書記がいて…
    でも、堅苦しいものではなく、話し合われる内容と言ったら、「議題」と言えるものではなきけれど、普段から気になることとか、どうしても聞いてほしいこととか…

    う~~~~ん、と思っていることが、老若女女の口からでると、な~~~~んだ!と思えたり、なるほど~~~~!と思えたり、その通り~~~!と思えたり、それはないでしょ~~~~!と突っ込んだり…
    自分自身、家族関係、仕事関係等々、自分を取り巻く環境を見直したり…
    知らぬ間に問題が解決の糸口が見つかったり、思考回路が前向きになったり!
    なんて素晴らしいの!
    『これでよろしくて?同好会』!!

    はい!
    私、『これでよろしくて?同好会』に入部希望です!!

    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんにちは~♪
      こちらこそ、コメントありがとうございます!

      角田光代さんの新作!!
      「王様のブランチ」で紹介されて...
      杜のうさこさん、こんにちは~♪
      こちらこそ、コメントありがとうございます!

      角田光代さんの新作!!
      「王様のブランチ」で紹介されているのを見ました。
      とっても重いテーマで、主人公に感情移入しそうだけど、それは危険だなぁ~
      でも、読みたい!
      なんて、思ったりしていたところですが…
      やっぱり相当息苦しいのですね!!

      そんな本の後はほっこり系が読みたくなりますよね~
      『これでよろしくて?同好会』、一緒に入部届出しますか~(笑)
      2016/03/09
    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      なんとか読み終えましたよ~(>_<)
      その後、どの本も手につかなくて、コミック読みました(笑...
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      なんとか読み終えましたよ~(>_<)
      その後、どの本も手につかなくて、コミック読みました(笑)

      『これでよろしくて?同好会』
      ぜひぜひ、ご一緒しましょう~(*^-^*)
      2016/03/12
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、おはようございます♪

      お疲れ様でした!
      そうですよね!
      そんな本の後は、リハビリが必要ですよね~♪

      ほっこり...
      杜のうさこさん、おはようございます♪

      お疲れ様でした!
      そうですよね!
      そんな本の後は、リハビリが必要ですよね~♪

      ほっこり系、爆笑系、等々。
      同好会で、楽しい本について語り合いましょう~
      楽しみです(^^♪
      2016/03/13
  • ガールズトーク小説と銘打ってあるが、男性が読んでも面白い。三回くらい、読んでて口角が自然と上がってしまった部分があった。人目の多い所だと少し恥ずかしい思いをするかもしれない。

    男性はこの本を読むことによって、少し女性の不可解なところが理解できる、かもしれない。しかし主人公の女性が、聡明ですごく魅力的な女性に感じるのは私だけだろうか。

  • 特に「友だち同士」ではないけどどこか「見込まれた人?」が集い、「議題」について意見を述べ合う不思議な女子(?)会。

    特に解決するたぐいのものじゃない、人と人の、男と女の、夫と妻の、家族の、親子の、なんとなくモヤッとした問題を議題にあげて、ご飯をシェアして食べながら、意見を言い合って議事録に収める(特に読み返さない)

    「ガールズトーク(これ違うだろw)」や「会話」というより、「会議」のような。不思議な会。出ればなんとなくすっきりする。

    いいな、こんな会出てみたいなと思える一冊。おもしろかった!

  • 三十代半ば、小さな欠点はあれどお互いを大事に思っている夫あり、子供なし、姑と微妙な関係の主婦、菜月が主人公。彼女が自分の心情を語る部分と、日常の家庭生活の様子と、偶然再開した元彼の母に誘われて参加するようになった「これでよろしくて?同好会」の会議(?)の様子から成るお話。共感しっぱなしでグイグイ読んだのであっという間に読み終ってしまった。もっと読みたかった。大変おもしろかったです。自分自身もつい最近になってようやく実感したことなどが書かれており、余計におもしろかったです。

  • 祝文庫化!川上弘美なので無条件購入。

    中央公論新社のPR
    「38歳の主婦菜月は奇天烈な会合に誘われて……日々の「?」をまな板に載せ、老若女女が語らえば--人との関わりに小さな戸惑いを覚える貴女に贈る、コミカルで奥深いガールズトーク小説。」

  • 川上弘美作品は「センセイの鞄」や「どこから行っても遠い町」など読んできたけれど、一番テンポ良く読めた。まさに、ガールズトークを聞いているような。

    夫と義母と自分で帰省した時のお風呂問題などなど、とりあげられるテーマがおもしろい。 
    そして新川亭で皆が注文するオムライスやビーフカツ、ポークソテーもおいしそう。

    人と人との難儀な関係性については納得。
    ちょっとした言動を気にしてしまったり、あれこれ憶測したり。夫婦間でもそうだし、会社の人間関係でも。
    そして自分の悩みを人に聞いてもらいたい時、いざ言葉にしようとすると大したことではなく思えたり、言葉にすればするほど本当に悩んでいることから遠ざかっているように感じたりするのことも、よくある。
    日々そんなことを感じていたから、あるあるが詰まった1冊でした。

  • 菜月と全く同じ環境でなくても、身近なはずの人との関係に躓く感覚がリアルに蘇ってきて「ああー」っとなる。
    それでもつらつらと進んでいくテンポが好き。

  • 『これでよろしくて?同好会』、こんな素敵な会にわたしも参加したい!と強く強く思いました。
    すごく楽しそうだし、実際、同好会の場面は、読んでてもすごく面白かった。
    そんな同好会のなかでの会話で特に共感したのがこれ。

    “ゴミの分別に気を配るのはツマなのに、分別も家じゅうのゴミ袋まとめの大変さも収集時刻もわかっていないオットは、ゴミ集積所にそのきれいに分別されたゴミ袋をただ言いつけられたままに出す、というその行為だけで『俺はちゃんと家事に参加している』と胸をはるわけです。”
    読んでて思わずにやけました(笑)
    (旦那に言ったら笑ってました。笑)

    わたしは煩わしい嫁姑関係じゃなくて良かった……!と、この本を読みながら心底感じましたよ。

    2020.3.19再読
    38歳の主婦菜月は奇天烈な会合に誘われて……日々の「?」をまな板に載せ、老若女女が語らえば――人との関わりに小さな戸惑いを覚える貴女に贈る、コミカルで奥深いガールズトーク小説。
    再読。

    義母が泊まりに来て、夫(義母にとっては息子)のクローゼットを開けて、「もう夏物は出してあるの?」なんて聞いてきたら私はビジホに直行するわ(笑)
    前に読んだ時は、★5付けてたみたいだけど、その時よりは面白く感じなかったんだよな~。
    ★3に変更

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著者プロフィール

川上弘美

一九五八年東京生まれ。九四年「神様」でパスカル短篇文学新人賞を受賞しデビュー。九六年「蛇を踏む」で第一一三回芥川賞、九九年『神様』で紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞、〇一年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、〇七年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞、一五年『水声』で読売文学賞、一六年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞。その他の著書に『物語が、始まる』『龍宮』『古道具 中野商店』『夜の公園』『風花』『これでよろしくて?』『七夜物語』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『森へ行きましょう』『某』など多数。

「2020年 『三度目の恋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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