文壇五十年 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057463

作品紹介・あらすじ

自然主義文学の泰斗が、日露戦争以降から敗戦までの文芸・演劇・美術の変遷を回想。団菊以後の左団次、島村抱月の活躍、そして新風の如く登場した荷風や花袋へのオマージュ、江戸趣味や洋行の影響を受けた文学者たちの姿を描く。大逆事件や戦時下の言論制約のなかでの揺れ動いた芸術運動を冷徹な視点で描く文学的自叙伝。

感想・レビュー・書評

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  • 二十世紀前半における日本文学や演劇などに関する考察を記した自伝的芸術論。当時の世相、輿論の変遷、そして欧米に対する憧憬などが窺われる貴重な資料でもある。

  • 冒頭数ページは「正宗白鳥ごときが何を偉そうに」とイラっとしたが、徐々に白鳥節に魅了されて、白鳥様の思い出話を正座で拝聴する気分に。

    読了。解説にあるように、白鳥の感想は「空虚」「無常」に尽きる。なにごとにも冷淡、無関心で、感情的なものは一切ない。正直、つまらない文章だと云える。無味乾燥な「思い出話」と云えばそれまでである。

    ただ、センチメンタルな部分もいくつか見られた。正・続の正編の最後に記されているが、原子爆弾などによっていつか地球が滅びたときには、人類の最後の詩が登場するだろうかと感傷的になっている文がある。白鳥の内心にそういうものがあったかもしれないし、時代が核戦争の現実性を強く帯びていたからかもしれないが、アドルノのかの有名な言葉を意識させるものであり、白鳥の肉声らしき言葉だ。

    でも私は、これは白鳥が書くべき文だったとは思えない。けれども、白鳥のある種の精神であったのは事実だろう。

  • 2013.2.6-

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著者プロフィール

正宗白鳥(1879.3.3~1962.10.28) 小説家。岡山県生まれ。東京専門学校(早大の前身)文学科卒業。キリスト教に惹かれ受洗、内村鑑三に感化される。後に棄教の態度を示すが、生涯、聖書を尊重した。1903年、読売新聞社に入社、7年間、美術、文芸、演劇の記事を担当、辛辣な批評で名を馳せる。『紅塵』(07年)、『何処へ』(08年)を刊行するや、代表的自然主義作家として遇される。劇作も多く試み、『作家論』『自然主義文学盛衰史』『など評論でも重きをなした。『入江のほとり』『人を殺したが…』『内村鑑三』『今年の秋』等、著書多数。

「2015年 『白鳥評論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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