自分の頭で考える (中公文庫 と 12-11)

著者 :
  • 中央公論新社
3.15
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本棚登録 : 241
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057586

作品紹介・あらすじ

どうしてあの人の発想は独創的なんだろう?そう思ったことはありませんか。過去の前例が役に立たなくなった時代に、知識ばかり詰め込んでいては、むしろマイナス。必要なのは、強くてしなやかな"本物の思考力"です。「忘却は『力』である」「スポーツと頭脳」「なぜ外国語か」「歴史を疑ってみる」など、人生が豊かになるヒントが満載のエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  •  「知的生産の技術」は知識、「思考の整理学」は思考、知識と思考は別のもの。ともすれば、知識と思考は相反する概念になりそう。日記をつけるのは気休め。日記より予定を立てる方が建設的か。

  • 外山氏の本は2作目だったと思います。
    思考の整理と比べると、非常に読みやすい
    わかりやすい内容だった思います。
    少し古い感覚のような感じを持ってしまいますが
    感銘を受ける部分も多々あります。

  • 2019/8/15
    とっても読みやすい外山滋比古さんの本です。自分の頭で考えるというタイトルになっていますが、半分くらいは思考の整理学とかぶる内容があって、復習がてらに読んで、あーそういえばそんなこと書いてあったなーと思い出させてくれました。
    伝達の整理学、日本語の作法、空気の教育、ライフワークの思想とかこの人の色々な本を読んできましたが、結構内容がかぶっているので少し物足りないような感じも…?
    思考の整理学などでも触れられていたような気がするのですが、忘却、忘れることについてとスポーツと頭脳のところは改めてそうだなあと思います。
    データを蓄積していくコンピュータには人間は勝てないから知識量では勝負にならなくなった時、人間に残る強みは忘れること、忘却の力であるという視点。
    忘れることは悪く言われがちだけど決して悪いことではない、というか忘れることが悪いことではないような生き方をしていくためのヒントをくれたと考えたほうがいいのかなと思ってます。
    また、手紙のことや本の読み手のことについても再確認できたと思います。手紙の文化もだいぶ廃れてますが、やってみると面白いのかもとか、古典や歴史は後世の人の解釈があって初めて形になるという見方とか目からウロコでした。

  • タイトルから受ける印象よりずっと広くて面白い内容だと思う。自立した思考を持ち、自発的に行動する。そういったことの大切さをいろんな話を通して伝える感じ。読みやすくて面白かった。

  • 余計な知識を遠ざけ自ら考えるという独創を貫く。文学論、エスカレーター人生、手紙のたしなみ、スポーツ論、カバーする範囲は幅広く独特の視点から論旨がまことに興味深い。忘却論に心惹かれた。時間がくれば一服。気分も晴れ晴れさせないと大きなミスにつながるからだ。加えて一息入れて気分一新すれば効率のよい仕事ができる。休むのも仕事のうち。忘れる時間、一服の時間は勉強の効率も高める。忘却は力であり飛躍のステップ台。休んでばかりの自分に明るい希望の灯をともしてくれた。

  • f.2024/2/29
    p.2013/3/15

  • 自分の頭で考える
    ・忘却は力である
    ・文学とは、読者と筆者の化学反応によるもの
    ・朝、計画を立てるべし。まず面倒なことから
    ・蚕のような人生。自分のためだけに生きるのはアリンコと同じ。

  • 今回はかなり身の上話が多かったと思う。

  • 外山さんの文章、大変読みやすいです。

    化学や物理学といったものにはフランス化学、日本化学のように国名がつくことはないのに対し、文学はフランス文学、日本文学のように国名が記されている。文学がどれほどナショナリズムの影響を受けているかが伺える。

    この文学を捉える視点は新鮮でした。

  • 外山さんが好きな方は好きなんだろうな、と感じます。
    身の上話が延々と続きます。
    あまり面白くはないですし、何らかの学びがあるわけでもない!
    一冊の本から何も学ぶことができない自分の未熟さに反省しつつ、本作にお金を費やしたことに少し後悔、、、

  • 外山さんの考えがわかるエッセイ集。理屈などは別本でまとめてくれてるが、感想も含め率直に書かれていて、外山さんの為人がわかる一冊

  • まさに。思考すること。自分の頭と心でじっくり考える時間がいかに大切で豊かか。何ものにも変えられない。生きていく上で大事なこと。

  • 20201011 今年亡くなられた先生の本。考える事の大切な事を事例で説明している。作者の偏屈さについても都度説明付きで、考えるという事は妥協しない、同調しないと言うことといわれていて先生が生き方を全うしたことがわかる。

  • 知識というのは他人の考えた結果だから知識があれば思考をショートカット出来る(数学における公式のようなもの)。であるがゆえに知識を得れば得るほどに己の頭で考えるという機会がどんどんと減っていく。

    ショーベンハウアーがいうところの「読書とは他人にものを考えてもらうことである」ということにつながるなぁ。

  • だいぶ読むのに時間をかけた(しかも別にしっかり咀嚼したわけではなくたんにダラダラしただけ)ので、ここがこう、という感想がないが、エッセイらしく個人の考えを書いている本である。
    タイトルにひかれて購入したんだと思う。ショーペンハウアーの「読書について」と同じく、ただ本を読むのではそれはむしろよくなくて、知的メタボになりがち。考える、書く、そして最後に読むがよい、というのは自分への戒めにもなった。

  • エッセイのような。
    科学的な根拠はとりあえず一切排除して、外山先生が日頃考えたり思い浮かんだことなどがつらつらと書かれている。
    個人的にはあまり得るものがなかった。

    ただ時々はっとするような言葉が散りばめられているので、読み終わるまでドッグイヤーを折る手が止まらなかった。

  • 43めいめい自分の一番関心のあることを、相手構わずに喋る。聞いていてわかることも多いのですが、わかるところは大変新鮮で、自分のしていることにも影響しそうに思って心を踊らせます。一番良いのはお互いの選考の分野が異なる。聞いているのは素人ですなら遠慮する必要はありません。存分に話していると、それまで考えも及ばなかったことが、行き掛けの駄賃のように飛び出して、本人がいちはんびっくりする。

    44聞いてくれているのは同士です。命名の道を歩いて努力しています。お互いに尊敬しているが、しかし、各人の専門についてはほとんど無知です。まさに取りなき里のコウモリの気安さから、思考の羽を存分に伸ばすことができます。生まれて初めて知的興奮を知ることができました。

    47 どうしようもなく不自由で拘束された時間において、頭は最もよく働くのでしょう。

    50 井戸端会議。なんの遠慮もいらず、思っていることを存分に吐き出す。なんの役にも立たないが、とにかく楽しく、おもしろく、やめられない。おかみさんたちは「腹ふくるるわざ」をおしゃべりで吹き飛ばしてしまいますから、気分爽快、1人思い悩むこともありません。井戸端会議はいわば、社会教育の場といってもいいでしょう。

    75 手紙の味を覚えたのは中学一年生の時です。

    113 ある言葉では言いにくいことが、別の言葉では難なく言えることがあります。言葉それぞれ違った仕組みがあります。完全に翻訳することはできません。

    英語を話すときには、金銭のことを言うのになんの抵抗も感じません。
    言葉によって言えることと言えないことが違うと言うのが面白い。言語にも個性があるのでしょう。

    115 いくらか外国語の考え方で問題を解くのかもしれない。語学は想像的だと思う。
    はっきりしたことはもちろんわかりませんが、外国語を理解する過程で新しい見方を発見するのでしょうか。その感覚で文章を書くと自ずから自由で新しい創造になるのではなきかと思われます。
    外国語だけではなく経済学を学んだ人が小説を書いて成功することもある。やはり、違う言葉を学んだその教養が創造性に結びつくのでしょう。

    127 辞書を引け派をからぬ言葉の意味がわかるように考えるのは初心者です。重要な語なら、辞書はいくつものことなった意味を並べていますが、そのうちのどれが当面求められているものか、洗濯するのに理解力が必要です。

    136わかりやすい文章は水っぽくて、おもしろさに欠けるうらみがある。平明な文章は創造力を掻き立てない。
    ノンフィクションやニュースストーリーは、いわば読者に「のぞき」「立ち聞き」をさせるようなもの。つまらぬものでも、読むものは創造力を働かせてわかろうとする。そのプロセスで興味を満足させ、面白かった、ということになる。出版業の発達と半読者の激増によって、通俗的な読み物が増えてきました。本を読むことが必ずしも知性を高めたり、思考力を伸ばしたりすることに結びつかないのは半読者層の存在のためです。

  • 読書・学習関係のエッセイで特記すべき事項はない。味読すれば何らかのヒントはあるのかもしれないが、本書に拘泥する必然性は感じなかった。さらさらと読めるので、読書好き、あるいは背伸びしたい中学生が読破すればよいのでは。著者は「思考の整理学」著者で、御茶ノ水女子大学名誉教授。

  • 自分の耳で聴く
    自分の目で見る
    自分の足で歩く
    自分の手で触る
    そして
    当たり前のことですが
    自分の頭で考える

    これら
    当たり前のことに
    今一度 思い至りましょう
    ということが
    綴られているのだと
    思いました

  • 先に読んだ「エスカレーター人間」とほぼ内容は同じです。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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