ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
4.06
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本棚登録 : 747
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057777

作品紹介・あらすじ

人は無だ。なにもかもない。ないものばかりが、自分を取り囲む-ある静かな朝、師から譲り受けた一振りの刀を背に、彼は山を下りた。世間を知らず、過去を持たぬ若き侍・ゼンは、問いかけ、思索し、そして剣を抜く。「強くなりたい」…ただそれだけのために。

感想・レビュー・書評

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  • 剣の道の先にある本物の正義とは。昨日まで名も顔すらも知らなかった者同士が斬り合い生き残った者こそが値するのか。握り飯や寝床の初めての温もりに、米粒一粒零すまいと泣いた少年が残したものは強さへの問いとその中にある心でした。何故刀を振るのか、何故斬り続けるのか。その胸に真っ黒な返り血を浴びながら、その背中に真っ白な守るべきものを背負っている。そう、この世を知らぬ侍は白が正義だと信じていました。それでももっと強くならなければならない。亡き師と、その形見がある限り。

  • 森博嗣は読もう読もうと考えていたが、なかなかてを出せなかった作家。それはタイトルと装丁か小難しそうで読了に時間がかかりそうと踏んだからだ。
    間違いだった!
    この本は非常に面白く1日で読み終えてしまった。
    ひとりの少年の成長を時代劇の形で追っていくのだが、「強さ」「死」「無」などに答えを見出そうと苦悶する主人公ゼンの心の内がテーマになっている。
    テンポがよく、行間の余裕も素晴らしく、この作家の力量を感じた。代表作のミステリーも読んでみたくなった。

  • 主人公は侍で時代は昔の話だが、全然森博嗣していた
    技術とチカラを会得している主人公が、何にでも疑問をいだき理詰めで解釈を試みる
    その過程、その純粋さを楽しむ小説だ
    無があって理がある、よく分からないが透明な読後感は相変わらずで、ちょっと女関係とかライトな所があったりするのはご愛嬌

  • 侍が追い求める「強さ」を通して生きるということを教えてくれる本。

    森博嗣の人生観が凝縮されている感じ。
    つまりは、修行僧のような侍が理想形ということか?!

    限りなく合理的に考えて、何事にも執着せず物事を抽象的を捉える。
    結局、ヒトなんて、人生なんて・・・と考えるが、死ねば何もない。
    生きている間を生きる。

    生きるとはつまり「知る」ことなのだが、
    最期は「分かりません」が神様への答えになる。

  • 興味深かった。ゼンは一人禅問答をしているよーな、哲学してるよーな。ゼンは禅なのかな。次巻も楽しみ。文庫になるの待ち切れるかな。

  • 侍ポエム。
    表紙のデザインは素晴らしい。

    • miya-ayimさん
      こんにちは。
      まさに侍ポエムですね。装丁も私も大好きです!
      こんにちは。
      まさに侍ポエムですね。装丁も私も大好きです!
      2013/05/30
  • 文庫版が出たので購入、森博嗣の『ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper』

    理系ミステリー作家と言われる森博嗣の新しい物語は、なんと【時代小説】だった!!
    ・・・て驚きがあるんだけど、やっと文庫版が出て来てくれた。(単行本でははや3巻が刊行されている。)

    『スカイ・クロラ』のときのような静けさが漂っている。
    師を失い、山を下りた世間を知らぬサムライの強さを求める旅。

    各章の冒頭には新渡戸稲造の『武士道』の英語版と日本語翻訳版が掲載されている。

    文庫版解説は書評家 東えりか による。

    次巻は、『ブラッド ・ スクーパ - The Blood Scooper』
    第3巻は『スカル ・ ブレーカ- The Skull Breaker』

    文庫版が楽しみだけども、単行本のカバーは森博嗣が指定してデザインされたもののよう。単行本、買っちゃおうかな・・・(*´∀`*)

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    【内容(amazonより)】
    人は無だ。なにもかもない。ないものばかりが、自分を取り囲む―ある静かな朝、師から譲り受けた一振りの刀を背に、彼は山を下りた。世間を知らず、過去を持たぬ若き侍・ゼンは、問いかけ、思索し、そして剣を抜く。「強くなりたい」…ただそれだけのために。
    ----------------
    【目次】
    Prologue
    プロローグ

    episode 1: Searching shadow
    第1話 サーチング・シャドウ

    episode 2: Spirit in metal
    第2話 スピリッツ・イン・メタル

    episode 3: Source of naught
    第3話 ソース・オブ・ノウツ

    episode 4: Another shape
    第4話 アナザ・シェイプ

    epilogue
    エピローグ
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  • 森博嗣の剣豪小説
    時代としては江戸っぽいけど、時代小説というよりは剣豪小説
    「キンキンキン」の効果音の間に会話が入っている小説と違って、人の動きとかちゃんと読むと思い浮かべられる

    それでいて森博嗣のいつものフラットで合理的な考えの主人公の思考を楽しむ内容
    むしろこれは哲学書に近いのではなかろうか?
    人はなぜ生きるのか?死ぬとはどういうことか?生きる価値と死ぬ価値とは?みたいな?

    死ぬ前にもう一度読み直したい小説
    多分、自分が余命宣告されるような状況になったら、この本をもう一回読んで心を落ち着けると思う
    あとは、住野よるの「君の膵臓をたべたい」とか江國香織の「落下する夕方」なんかがそれに近い
    生と死に向き合い、そしてそこから自分の考えを整理するきっかけになる本

  • 進むうちに、強さの質が変わってくる
    感じが「内蔵助留守」に似ていると思った。続編も読んでみたい。

  • 森博嗣の剣豪小説?と、気にはなっていたが手を出さずにいた本。タイトルが「スカイ・クロラ」シリーズに似ているから、架空の場所と時代のサムライの話かなと、どんな本だか想像がつかなった。
    本の雑誌で絶賛している記事を読み、挑戦。

    危惧していた違和感はない。出生も本当の名も知らず、山の中、剣豪カシューに育てられたゼン。
    山を下り、旅が始まる。主人公が世を知っていくのに歩を合わせ、ゆっくり付き合う。
    登場人物との会話や立ち合いのやり取りとモノローグが物語の主題。殺気を消すこと、無であること。生死の意味。
    こういうモノローグは普通、全然頭に入らないで眠くなるんだが、森先生の文章にはすんなり同調してしまう。

    主人公は剣を通じて思索を進めていく。では、剣がない僕等は?それは、哲学というより禅に近いのではないだろうか。

    物語はまだ始まったばかり。期待しましょう。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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