近代異妖篇 - 岡本綺堂読物集三 (中公文庫 お 78-3 岡本綺堂読物集 3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057814

作品紹介・あらすじ

名作「青蛙堂鬼談」の拾遺集ともいえる怪談・奇談集。武家屋敷の因縁ばなし、人をひとり殺してきたと告白する藝妓のはなし、影を踏まれるのが怖くて外にでられなくなった娘のはなしなど、江戸から大正期にかけてのふしぎな話をあつめた。附録として単行本未収載の短篇二篇を添える。

感想・レビュー・書評

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  • 幕末、明治、関東大震災直後…時代の空気が濃い怪談集。
    こういうのがいいんだよなぁ…。
    中央西線から長野へむかう旅行の途中で読んでいたけれど、奈良井のあたりを通った時に、ちょうど奈良井を舞台にした話にさしかかっていた。
    それを含めていい読書体験。

  • 文明開花の世の中、その影、人たちが古い因習に引きづられながら新しい世を戸惑いながら迎えている心情が伝わってきて、当時の人の心が伝わる。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18357

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB12543252

  • 「鬼談」や「奇談」を集めた短編集。当然カテゴライズするならそのどれもが「怪談」にはなるのですが。恐ろしく感じるもの、少し不思議に思うもの、様々です。
    お気に入りは「水鬼」。因縁の物語もさながら、絡みつく幽霊藻のビジュアルがイメージとして思い浮かぶと、美しく感じると同時にぞっとさせられます。そして呪いだの祟りだのが本当に存在したのか、それとも病んだ神経の生み出したものだったのか、という部分も考えれば考えるほどに恐ろしくって。
    「木曾の旅人」「影を踏まれた女」「指輪一つ」は再読だけれど、こういうのって再読の方がじわじわ来るかも。再読だから知っているんだけれど……ぞくぞく来るなあ。

  • 『青蛙堂鬼談』の拾遺集。
    江戸の末頃から大正にかけての怪談奇談を青蛙堂に集った人たちが一人ずつ語ります。
    どの語り手も聞きやすい言葉で話すので不可思議な物語ですが読みやすく、当時の仮名遣いもそのままレトロモダンで良かったです。
    水草のいわれが女性に影響を与える『水鬼』、人を殺めながらも淡々とそれを語る女性が怖くて一番心に残りました。

  • 「青蛙堂鬼談」の拾遺集ともいえる怪談・奇談集。

    レトロな文体が雰囲気出しています。

    個人的に印象に残ったのは、「水鬼」「木曽の旅人」「離魂病」です。
    あと、「百物語」は、普通に考えればすごく怖い状況だと思うのですが、滑稽な感じにも取れてしまうのが、また味わい深く思いました。

  • 『青蛙堂鬼談』の捨遺集。大正10年~15年にいろんな雑誌、新聞へ発表した奇談を集めたもの。
    作品の舞台は、江戸~大正といろんな時代のモノが混在してますが、『聞き書き』の様式による端正な語り口ですいすい読ませる。作品によっては、舞台を現代に置き換えただけでそのまま最近の作品として成立するぐらい、モダンなホラーになってます。
    印象深いのは、綺堂の描くドッペルゲンガーものである『離魂病』(当時、この自分のそっくりさんに出会う系の怪談、流行ったんですかね? この時代のいろんな作家さんの作品でみかける……)、関東大震災と絡めた『指輪一つ』辺りかな。

  • 収録作品は、
    近代異妖篇: こま犬/異妖編/月の夜がたり/水鬼/馬来俳優の死/停車場の少女/木曽の旅人/影を踏まれた女/鐘ヶ淵/河鹿/父の怪談/指輪一つ/離魂病/百物語、
    附録: 雨夜の怪談/赤い杭。

  • 淀みない語り口で、相変わらず読みやすい。内容的には特別奇抜なものはなく、むしろどこかで聞いたような展開が多いのに、なぜか読みふけってしまう。

  • 名作「青蛙堂鬼談」の拾遺集ともいえる怪談・奇談集。武家屋敷の因縁ばなし、人をひとり殺してきたと告白する藝妓のはなし、影を踏まれるのが怖くて外にでられなくなった娘のはなしなど、江戸から大正期にかけてのふしぎな話をあつめた。附録として単行本未収載の短篇二篇を添える。

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著者プロフィール

(おかもと・きどう)1872~1939
東京生まれ。幼少時から父に漢詩を、叔父に英語を学ぶ。中学卒業後、新聞、雑誌の記者として働きながら戯曲の執筆を始め、1902年、岡鬼太郎と合作した『金鯱噂高浪(こがねのしゃちほこうわさのたかなみ)』が初の上演作品となる。1911年、二代目市川左團次のために書いた『修禅寺物語』が出世作となり、以降、『鳥辺山心中』、『番町皿屋敷』など左團次のために七十数篇の戯曲を執筆する。1917年、捕物帳の嚆矢となる「半七捕物帳」を発表、1937年まで68作を書き継ぐ人気シリーズとなる。怪談にも造詣が深く、連作集『三浦老人昔話』、『青蛙堂鬼談』などは、類型を脱した新時代の怪談として評価も高い。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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