- Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122058255
作品紹介・あらすじ
十七年前の殺人事件で犯人と目された男・末松は、自らの無実を証明しようともせず、沈黙を守り続けていた。ある日、末松が何者かに襲われ、警護を命じられた刑事の氷室は、彼が何かを隠していると確信し、独自に調べ始める。そして、末松の共犯だという男が殺された-。「容疑者」に甘んじる男の心の謎をめぐる物語。
感想・レビュー・書評
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事件を追う警察小説には不適切な表現かもしれないけれど、堂場さんの物語はいつも安心して読める。
ひとつずつ丁寧に積み重ねられていく事実。
どの人物の描写もしっかりと描かれていて、物語の中に入り込んでいきやすかった。
真実を暴くことがいつも正しいとは限らない。
もちろん基本的には法律によって裁かれるべきだろうし、そうでなくては社会の秩序は守られないだろう。
けれど、もしかしたら別の罪の償い方があってもいいのかもしれない・・・そんなふうにも思える物語だった。
「沈黙の檻」、これ以上にこの物語にあう題名があるだろうか。
自由のようでいて自由ではない。
目には見えないけれども、確かに自分を囲んでいる檻がある。
強靭な精神力がなければ、長い年月を乗り切ることは出来なかっただろう。
そんなふうにしか生きられなかったことが哀しくもあり、それでも幸せを感じていたときもあったのだと複雑な思いもする。
結末はこれで良かったのだろうか。
でも、これ以外の結末はなかったような気もする。
長い「沈黙の檻」は、囚われ人を替えこれからも続くのだろう。
檻の中でも、ほんの少しの幸せや安らぎがあればいいと思う結末だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時効になった17年前の運送会社社長の殺人事件がぶり返す
主人公が魅力的 -
読了。
堂場瞬一、沈黙の檻★★★★
17年前に起きた殺人事件、2年前に時効を迎えたが、別の事件で服役していた男が週刊誌に話をした。
結果、地元の運送会社の社長ー17年前に死んだのはその先代社長ーが犯人だと言っているものだった。
すでに時効は成立しているが、マスコミは騒ぎ、ある刑事が事件解決に立ち向かう。
そんな中、服役していた男が殺されてしまう。
誰が犯人なのか?17年前の殺人事件の真相は? -
殺人事件に時効がなくなったのは、いつだっけ?
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6
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17年前の殺人の犯人と疑われていた男は、時効が過ぎても「ノーコメント」を貫いていた。肯定も否定でもない言葉。
警察は男を立件できなかった過去を疎ましく思う。ただ一人の刑事は違っていた。
男の人柄を知り、隠している真実を知りたいと迫る。
なかなか進まない展開に少しイライラしてしまった。
2014.11.3 -
十七年前の殺人事件で犯人と目された男・末松は、自らの無実を証明しようともせず、沈黙を守り続けていた。ある日、末松が何者かに襲われ、警護を命じられた刑事の氷室は、彼が何かを隠していると確信し、独自に調べ始める。そして、末松の共犯だという男が殺された―。「容疑者」に甘んじる男の心の謎をめぐる物語 というのがあらすじ。
一人称の文章に時折三人称の文章が混じるので、そこがやや気になった。 -
一気に読まずに、空いた時間にちょこちょこ読み進めたせいか?
何か事件がなかなか進まず、ひっぱり過ぎな印象。
ひっぱった割にあっけない結末な気がしてしまった。 -
気持ちは分かるけど、刑事がそんなことしてたら一体どうなるのかと不安になった。
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沈黙を貫く、殺人犯かもしれない男。彼を護り、信じる刑事。時効事案を挟み対峙する二人の傍で、新たな殺人が発生し――。哀切なる警察小説。