沈黙の檻 (中公文庫 と 25-31)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 339
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122058255

作品紹介・あらすじ

十七年前の殺人事件で犯人と目された男・末松は、自らの無実を証明しようともせず、沈黙を守り続けていた。ある日、末松が何者かに襲われ、警護を命じられた刑事の氷室は、彼が何かを隠していると確信し、独自に調べ始める。そして、末松の共犯だという男が殺された-。「容疑者」に甘んじる男の心の謎をめぐる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 事件を追う警察小説には不適切な表現かもしれないけれど、堂場さんの物語はいつも安心して読める。
    ひとつずつ丁寧に積み重ねられていく事実。
    どの人物の描写もしっかりと描かれていて、物語の中に入り込んでいきやすかった。

    真実を暴くことがいつも正しいとは限らない。
    もちろん基本的には法律によって裁かれるべきだろうし、そうでなくては社会の秩序は守られないだろう。
    けれど、もしかしたら別の罪の償い方があってもいいのかもしれない・・・そんなふうにも思える物語だった。
    「沈黙の檻」、これ以上にこの物語にあう題名があるだろうか。
    自由のようでいて自由ではない。
    目には見えないけれども、確かに自分を囲んでいる檻がある。
    強靭な精神力がなければ、長い年月を乗り切ることは出来なかっただろう。
    そんなふうにしか生きられなかったことが哀しくもあり、それでも幸せを感じていたときもあったのだと複雑な思いもする。
    結末はこれで良かったのだろうか。
    でも、これ以外の結末はなかったような気もする。
    長い「沈黙の檻」は、囚われ人を替えこれからも続くのだろう。
    檻の中でも、ほんの少しの幸せや安らぎがあればいいと思う結末だった。

  • 時効になった17年前の運送会社社長の殺人事件がぶり返す

    主人公が魅力的

  • 読了。
    堂場瞬一、沈黙の檻★★★★
    17年前に起きた殺人事件、2年前に時効を迎えたが、別の事件で服役していた男が週刊誌に話をした。
    結果、地元の運送会社の社長ー17年前に死んだのはその先代社長ーが犯人だと言っているものだった。
    すでに時効は成立しているが、マスコミは騒ぎ、ある刑事が事件解決に立ち向かう。
    そんな中、服役していた男が殺されてしまう。
    誰が犯人なのか?17年前の殺人事件の真相は?

  • 殺人事件に時効がなくなったのは、いつだっけ?

  • 17年前の殺人の犯人と疑われていた男は、時効が過ぎても「ノーコメント」を貫いていた。肯定も否定でもない言葉。
    警察は男を立件できなかった過去を疎ましく思う。ただ一人の刑事は違っていた。
    男の人柄を知り、隠している真実を知りたいと迫る。
    なかなか進まない展開に少しイライラしてしまった。

    2014.11.3

  • 十七年前の殺人事件で犯人と目された男・末松は、自らの無実を証明しようともせず、沈黙を守り続けていた。ある日、末松が何者かに襲われ、警護を命じられた刑事の氷室は、彼が何かを隠していると確信し、独自に調べ始める。そして、末松の共犯だという男が殺された―。「容疑者」に甘んじる男の心の謎をめぐる物語 というのがあらすじ。

    一人称の文章に時折三人称の文章が混じるので、そこがやや気になった。

  • 一気に読まずに、空いた時間にちょこちょこ読み進めたせいか?
    何か事件がなかなか進まず、ひっぱり過ぎな印象。
    ひっぱった割にあっけない結末な気がしてしまった。

  • 気持ちは分かるけど、刑事がそんなことしてたら一体どうなるのかと不安になった。

  • 沈黙を貫く、殺人犯かもしれない男。彼を護り、信じる刑事。時効事案を挟み対峙する二人の傍で、新たな殺人が発生し――。哀切なる警察小説。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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