針がとぶ - Goodbye Porkpie Hat (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122058712

感想・レビュー・書評

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  • ひっそりとリンクした7つの短編集。
    どれもしっとりしていて、寝る前に読むと静かな気持ちになれてよいです。

    不思議な舞台と独特なひっそり感が小川洋子さんの作品の雰囲気を思い出します。

    柚利子叔母さんの「グッドバイ」、親父さんの「マスト・ビー」がなんかいいです。私も使おう(笑)「針が飛ぶ」「パスパルトゥ」の読後の余韻がなんとも言えず静かで神秘的でした。

    心に書きとめておきたい言葉がいくつかあり、心が疲れた時に読み返したくなる作品でした。

  • 小川洋子は上手い解説を付けるなあ、と思った。

    計算のないモノガタリ。

    でも、一つ一つのモチーフに触れたとき、その感触に思わずニヤリとしてしまう。
    世界が世界に繋がっては、通り過ぎてゆく不思議な感覚がある。

    そんな感覚に付いていけているか、と言われると正直付いていけていない(笑)

    けれど、中身のわからない宝箱を開けるときのようなわくわく感に包まれる。
    どうぞ、ご自由に堪能していただきたい。

  • クロークルームで物思いに耽りつつ本を読める仕事をしたい‼という気持ちにさせられる情緒的な作品でした。

  • 物語たちがひっそりと肩を寄せ合う、短編(連作)集。
    解説で小川洋子氏も言っているように、この物語は長編とも、短編集とも、連作短編とも表現しづらい。
    物語は絶妙なバランスで繋がり合っているが、密接ではない。
    それぞれの物語を拾い集めていくうちに、やがて見えてくる物語がある。そんな一冊。

    吉田篤弘はいいなぁ、と改めて思った作品。

    <収録作品>
    針が飛ぶ/金曜日の本――『クロークルームからの報告』より/月と6月と観覧車/パスパルトゥ/少しだけ海の見えるところ 1990-1995/路地裏の小さな猿/最後から二番目の晩餐

    extra story
    水曜日の帽子――クロークルームからのもうひとつの報告

    解説 肩を寄せ合う七つの物語 小川洋子

  • 装丁と中の字体に惹かれて購入した本。

    なんとも不思議なお話だった。
    ひとつひとつのお話が終わるたびに
    「わ、おわった。」
    と驚いてしまうほど、どれも腑に落ちない結末だった。

    しかし、本の頁が後半にさしかかった所で、
    「ああ、そうか。」
    と納得した。

    まだお話は終わっていなかったのだ。
    ここに出てくる登場人物たちは、すべて同じ世界を生きていた。

    ただ、一読しただけでは見落としてしまった所が多すぎるので、今はまだ星はつけずにまた読んでみようと思う。

  • 故人となった叔母の遺品整理からはじまり、ばらばらの白地図の切れ端を埋めるように綴られる短篇集。
    ひとつひとつの話は魅力的な台詞にはっとさせられつつも起伏なく日常を切り取った静止画のようにどこへ繋がるものかわからない。
    けれど、よく見ると一つ一つの切れ端には他の切れ端に繋がる点が打たれている。
    タイトルにあるとおりひとつのレコードを再生しては針が飛び、また再生しては針が飛び、今どこを聞いているのかもわからないまま飛び飛びに再生しているような気分になる一冊。
    全ての話を読み終えても、このレコードの全ては味わえない。
    けれどこの切れ端がどの順番で繋がるのか、どこのフレーズがどこにリンクしているのか、考えながら味わうのもひとつの楽しみ方なんだろう。

    4編めのパスパルトゥが一番好き。

  • ジャケ買い&タイトル買いの一冊。

    いくつもの夢が切り替わっていくような、
    そこから目覚めたようでいて抜け出せていないような、
    不思議な感覚。

  •  7つの短編。私は「金曜日の本」の、クロークに忘れられた外套のおはなしが一番すき。時々チラリと他の作品と繋がるのが楽しい。

  • 「小さな男・静かな声」が寝る前に読む本として最高だったので、「短編ならまた同じく楽しめるかな」と思い購入。でも、これまで読んだ吉田篤弘の、ファンタジーのような、外国の話のような、不思議な雰囲気を持った作品とは、ちょっと違っていて、自分としては残念だった。

    異国の雰囲気は健在(というか舞台は海外とはっきりわかる作品もあるが)だが、これまで作者に対して自分が持っていた、小さなペン画をじっと見つめるような感覚はなくて、今回は美しい写真集をパラパラとめくるような感じで終わってしまった。

  • 完璧な外国臭でちょっと苦手だったけど、色んな話が絡み合って行くのはやっぱり好き。おばさんの話はなんだかよかったー。グットバイ

著者プロフィール

吉田篤弘

1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作と装幀の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『金曜日の本』『京都で考えた』『あること、ないこと』など著書多数。

「2019年 『天使も怪物も眠る夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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