- Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122059306
作品紹介・あらすじ
聖書は深淵である。『告白』最後の部分は、聖書の読み解きを通して叙述が進められていく。アウグスティヌスは天地創造をどう理解していたのか。キリスト、そして三位一体の意味とは。また、時間に関する考察は、後の哲学者に時間論の土台を提供した。訳者・山田晶による「教父アウグスティヌスと『告白』」とともに、人名・地名・事項索引を収録。
感想・レビュー・書評
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自らの信仰の道のり、神への賛美、聖書の解釈が、神へ告白するという形をとってつづられた書。
印象的だったのが、アウグスティヌスが母の死に遭遇した際、信仰心から悲しみをおさえようとするも、おさえきれず、涙を流す場面。
そのことを罪とする者がいるとしたら、「その人自身、私の罪のために泣いてほしい」と書く優しさが心に残る。
自伝のようでもあり、論文の色彩が強い箇所もあったけれど、一番近いと思ったのは、自分で録音して配信する音声メディア。
ひっそりと録音された誰かの肉声に、こちらも1人で静かに耳を傾けている感覚に近くて。
それだからか、終始、布教のために自分は何を語るべきか、アウグスティヌス自身が冷静に考えて全体を構成している客観性も感じました。
聖書解釈に関する記述はほぼわからず、ページをめくっただけになってしまった箇所も多くて、「『告白』を読んだ」というより「『告白』と一緒に過ごした」という表現が近い、この4ヶ月あまりの日々。
祈りに耳を傾ける時間は、日常の慌ただしさにすぐ紛れ去ってしまうけれど。
この本をめくる多くの時間を過ごした長距離移動の列車の窓から見えた山と海の風景を、きっと人生のふとした折に、また思い出すことになるかもしれないな、と感じています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
11巻の2/3くらいを読み終わったとこで終了しました。
時間とは、という考察など、興味深いといえば興味深いけど、そこを深入りするつもりにはなれなかった。
アウグスティヌスという人がどういう人か、告白をここまで読んで見えてきたところもある
それで僕は充分
神学を求めてるのではない
この時代、何を考えて何が育まれたのか、のイメージがわけばそれでいいので、次にいこうと思う
深入りしたいときはまた戻ってきます