蒐集物語 (中公文庫 や 20-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122059528

作品紹介・あらすじ

「蒐集はものへの情愛である」「愚かなものを蒐集してはならない」「高い代価なるが故にものを誇るのは浅はかな趣味である」…。民藝運動の創始者であり、日本民藝館の創立者である著者が、真にものを愛する心と、蒐集の心得の真髄を、豊富な体験にまつわるエピソードをまじえて解き明かす名エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 柳宗悦の蒐集に対する愛を感じた一冊
    分かるなぁと思う部分が多い一方で、
    蒐集にまつわる様々な病気は自身も気をつけようと
    指南書的な役割も果たしてくれました。

    単一的な蒐集ではなく、統一性のある蒐集を目指して
    自分の直観を大事に、選ぶ。
    直観=新鮮な印象、をしっかり磨いて
    「守る蒐集」ではなく「創る蒐集」へ

  • 特に前半が非常に面白い。
    コレクター気質の人はおおきく頷きながら読むに違いない。コレクションの良さはわからないものも多かったが、いつの時代もコレクターは変わらないのだなぁと思うと同時に、先立ってコレクションをしている著者が羨ましい。時代を感じさせない内容。他の本も読んでみたくなった。

  • 序盤は柳が出会って、今は駒場の民藝館に収蔵された思い出の品を手に入れるいきさつが描かれる。
    蒐集「物語」である面目躍如といった感じで、楽しい。
    京都や那覇の古物市のところが特に興味をそそられた。

    それにしても、彼はいいものかどうかを見分けるのは一瞬あればよいという。
    これがすごい。
    無心に見れば難しくない、そうだが…それができないんだよね。
    知識は目を曇らせるなんて話は小林秀雄を思い出させる。
    世代的に近いと思うけど、そんな感覚が共有されていたのかなあ。

    後半は彼の蒐集論。
    よい蒐集とは、対象となるものの中に自分の故郷を見いだせるものだそうだ。
    自分の分身に出会うような、情愛を感じられるものを集めるべきだと。
    これは…審美眼が備わっている人ならではの言葉なのかも。

    柳が宗教学を学んだ人だということを、本書で初めて知った。
    なるほどなあ、と妙に腑に落ちた。

  • 民芸館に所蔵されている民芸品にまつわるエピソード。
    http://bukupe.com/summary/12513

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著者プロフィール

柳宗悦(やなぎ・むねよし):1889-1961年。学習院高等科在学中に雑誌「白樺」創刊に参加。主に美術の分野を担当した。東京帝国大学哲学科を卒業後は宗教哲学者として活躍。濱田庄司、河井寛次郎、バーナード・リーチ、富本憲吉らと出会い、「民藝」という新しい美の概念を打ちたてた。眼の人として知られるが、柳のまなざしは、物の美しさだけではなく、物を生み出した人や社会にたえず注がれていた。

「2023年 『新編 民藝四十年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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