人影花 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.52
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本棚登録 : 163
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122060050

作品紹介・あらすじ

見知らぬ女性からの留守電、真実を告げる椿の花、不穏な野鳥の声……日常が暗転し、足元に死の陥穽が開く。文庫オリジナル短篇集〈解説〉日下三蔵

感想・レビュー・書評

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  • 短編9編が収められた短編集。
    個人的に、今邑さんの書かれる小説は、長編よりも短編の方が好きです。
    少ない登場人物、短いお話の中で、ミステリ的な仕掛けが施され、最後はかすかに不穏な予感を漂わせつつ終わる。
    オチは予想出来るのですが、それでも、結末を読むと産毛を逆なでされるようなゾワっとした悪寒を感じます。
    それが堪らなく好き。
    表題作の『人影花』と『私に似た人』『鳥の巣』のオチが特にお気に入りです。
    『ペシミスト』もブラックジョークが効いていて面白かったです。

    2013年に今邑彩さんの訃報を聞いた時、もう彼女の新作を読めないのか…ととても残念に思いました。
    つい最近、本作の刊行を知り、狂喜乱舞しつつ書店に走った次第です。
    未だ個人名義の短編集に収められていない作品がいくつかあるそうですが、頁数が足りず本になる予定は今のところないようで残念。
    いつかそれらの短編も読みたいなぁ。

  • どの作品もゾクッとするオチがあって面白かった。
    「人影花」「鳥の巣」が好きだな。

  • 好んで読んでいた作家・今邑彩。なのに数年前に急逝。しかも自宅でひとりで病死していたために、死亡時期もおおよそでしか判明していないのは衝撃的でした。そんな最期を遂げた作家の本だから、なんとなく辛くて怖くて、しばらく読まずにおいてしまった1冊です。

    雑誌やアンソロジーに掲載されていながら、今邑彩個人の短編集には未収録だった短編を集めたもの。彼女が書くジャンルといえば、ホラー、ファンタジー、ミステリー、サスペンス。そのどれかひとつには絞れない作品も数多い。本書は9編をジャンル分けして各ジャンルごとに収録というわけではなく、わざとジャンルを混ぜた構成にしたそうです。収録タイトルは、『私に似た人』、『神の目』、『疵』、『人影花』、『ペシミスト』、『もういいかい…』、『鳥の巣』、『返して下さい』、『いつまで』。中にはこんな作品までお書きになる人だったんだと驚くショートショートも。

    間違い電話にシャレで応対してとんでもないことになった主婦の話、『私に似た人』。自分の不運が鳥の巣を焼き捨てたことに発すと信じて疑わない女性の話、『鳥の巣』。ある日突然、留守電に狂気じみたメッセージが入っていた男性の話、『返して下さい』などなど。どれもこれもラストの数行にひょえ〜。ホラーが苦手な私でも読める本ですから、怖くてたまらんというものではありません。が、ホラーとミステリーの境目の話が多く、本当にこんなことがあったら、こんな人がいたら怖すぎると思って苦笑い。

    短編の名手だった今邑さん。もう読めないと思うと非常に残念です。心からご冥福をお祈りします。

  • (収録作品)私に似た人/神の目/疵/人影花/ペシミスト/もういいかい…/鳥の巣/返して下さい/いつまで

  • 未収録作品を集めて文庫化したとのことですが、
    「語り手が実は…」なオチが続き、少々食傷気味でした。

    ただ、解説にもあったように
    最後まで、ミステリーで落ち着くかホラーで落ち着くかわからないところは
    この作品集の醍醐味だと思います。

  • 久しぶりに、今邑彩の作品を読んだー!やっぱり、面白い!ちょっと不気味なところもいい。



    夫に死なれ、病気の舅の介護をする芳子。ある夜、居間にある電話が鳴った。時刻は夜の10時過ぎ。めったに鳴ることのない電話をぼんやりと見つめ、受話器を取るとただの間違い電話だった。
    しかし、芳子は何を思ったのか、その間違い電話に付き合うことに…何度もかかってくる電話に、辟易した頃、恐ろしい展開になり…【私に似た人】


    短編小説で読みやすい。そして、少しホラーも入ってるかんじ。だけど、怖いんだけど面白い。
    久しぶりに読んだからか、夢中になって読んでしまった。そして、思い出した。今邑彩って亡くなったんだなと。もうこの先、どんなに楽しみにしてても次はないんだなと。少し寂しくなった、そんな作品だった。



    2016.6.5 読了

  • *見知らぬ女性からの留守電、真実を告げる椿の花、不穏に響く野鳥の声…ささいなことから平和な日常が暗転し、足元に死の陥穽が開く。没後なお読者を惹きつけてやまない今邑ミステリの精華がここに*
    今邑作品はもう読めないと思っていたので、本当に貴重でありがたい一冊。いつになく丁寧に読み込み、改めて著者の素晴らしさを堪能した。

  • 今邑彩の短編をたくさん集めた一冊。
    ホラーの要素があるもの、ブラックオチなどが多い印象。
    全部で九編ありますが、印象に残ったのは以下です。

    ・神の目
    ストーカーをしていたのは自分だった、というオチが良かった。
    探偵役の二人が明るいので必要以上にギトギトせず読後感も良い。

    ・疵
    相棒の「ピルイーター」に似た話というか…。
    語り手の女性が犯人だというのはすぐにわかりましたが、殺した理由が同性愛というところまでは気づきませんでした。

    ・人影花
    表題作。人影花とは椿のこと。その場にいる人の分だけ
    花を咲かせるところから。
    この話のモチーフになっている、鬼と夫婦と椿の昔話が印象に残りました。ちょっと調べたけど元ネタが出てこず。もう少し探してみます。

    ・返してください
    この話が一番怖いかなー。話が全く通じなさそうで。

  • ホラーチックなミステリ。ミステリチックなホラー?
    「疵」「人影花」が面白かった。

  • 滅多に読まない短編集。ミステリーだったり、ちょっと怖かったり、昔の「世にも奇妙な物語」のような感じです。
    短編にも関わらず、構成、展開、よく出来てると思います。でも怖がりの私は、普段なら読まないかもです。

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