うつけの采配(上) (中公文庫 な 65-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 139
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122060197

作品紹介・あらすじ

名門・毛利両川の血統に反発し、幼少期より「うつけ」と呼ばれた吉川広家。だが、叔父・小早川隆景はその将才を見込み、毛利百二十万石の采配を譲ろうとする。一方、「我こそ毛利の軍師」と自負する安国寺恵瓊は、秀吉亡き後の党派対立において、徳川家康を倒すべく石田三成に接近する。これを毛利の危機と見た広家は、ひとり立ち上がるが-。

感想・レビュー・書評

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  • 仕事の都合で広島にて暮らすことになったので、ご当地所縁の作品として手に取る。
    命が懸かっているので事の重さは違うものの、半沢直樹シリーズのような感覚。後半の展開に期待。

  • 小説としては安国寺恵瓊や石田三成が下衆に
    書かれていて満足である(´・ω・`)

    通俗的な展開で進むストーリーだと思いきや
    浅学な私にも最新研究に基づいた内容が盛り
    困れていると感じた
    主人公の立ち位置・性格設定が関ケ原の合戦
    における謎の行動とマッチしていて十分納得
    できました

  • 中路啓太は日本の戦後を舞台にしたゴー・ホーム・クイックリーをドロップしたことがあったのだが、別のを読んでみようと手に取った。表紙から戦国ものだろうと予測したが、主人公は毛利広家で、関ヶ原の戦いで動かなかった毛利の武将かと思い出したのだが、よく知らない人物なので面白かった。ちょうど関ケ原の前で上巻が終了。たぶん下巻も読む。

  • 2018.9.6完了
    毛利一族中心の話を読んだのは初めてかもしれない。
    タイトルと読み始めで小早川秀秋かと思っていたが、吉川広家とは、、、なかなか焦点が良かった。
    充分知った関ケ原だが、大垣城から野戦に持ち込んだのは徳川側という違ったストーリもありですね。

  • うつけ、うつけ、と罵られてきた吉川広家の采配。その先には領地を肥やす新田、道、町がある。家康の前でとる態度といい、なかなかの男前だな。さて関ヶ原の下巻へ。

  • H28.6.16-17

    (あらすじ)
    名門・毛利両川の血統に反発し、幼少期より「うつけ」と呼ばれた吉川広家。だが、叔父・小早川隆景はその将才を見込み、毛利百二十万石の采配を譲ろうとする。一方、「我こそ毛利の軍師」と自負する安国寺恵瓊は、秀吉亡き後の党派対立において、徳川家康を倒すべく石田三成に接近する。これを毛利の危機とみた広家は、ひとり立ち上がるがーー。

    (感想)
    関ヶ原で毛利は西軍につきながら、積極的に動かない作戦をとらせ、どちらつかずの蝙蝠の立場におかせた立役者といわれる吉川広家が主人公。
    結果的に毛利家を萩一国に押し込ませてしまう彼が、どのような判断でどのようにその決断をしたのか?興味深い。

    上巻は、上杉景勝の反乱から、三成が立つあたりまで。
    三成(豊臣)側につくべきだという恵瓊と、軽々に三成に乗せられるべきではないという広家の暗闘。

  • “関ヶ原合戦”は、結果的に誘い出された西軍が、東軍を囲むように戦って殲滅を図ろうとしたものの、西軍の将兵の多くが日和見し、挙句に寝返りが在って東軍が勝利したことが伝えられる。その「西軍の将兵の多くが日和見」という結果になった動きの“プロデューサー”が吉川広家だったのだ…
    その吉川広家が主人公の小説。面白い!!

  • 主人公が吉川広家で興味があり手に取った。小早川隆景や吉川元春、毛利元就はよく知られているが。関ヶ原以前と以後の広家が良く分かった。

  • 名門 毛利家の血を引きながら自らを「うつけ」と名乗り、周囲の期待の目をかいくぐり続けた男、吉川広家。叔父の小早川隆景は広家の才覚を見込み、毛利百二十万石を譲ろうと考える。

    我こそは毛利の軍師と自負する恵瓊は広家を疎ましく思っている。

    秀吉の無謀とも言える朝鮮への長期に渡る遠征で疲弊した軍を救った広家を慕う軍師たちと、秀吉の威を借る石田三成たちに流れる緊張感。

    小早川隆景の名前は知ってるけど広家については全く知識が無かった。見通す力を持ちながらも進んで前に立つ事を悉く嫌い、いつも引きの位置に陣している広家とそんな主に不満を持ちながら従う藤谷伊知介とのやり取りが面白い。

    秀吉亡き後、被ったネコをはぎ取り狸オヤジ家康は勢力図を拡大し始める。

    戦では人民は豊かにならないと信じ、領地の開拓や改善に努めたいと願う広家の思いとは間逆な方向に時代が動いていく。

  • 176

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著者プロフィール

中路啓太
1968年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得の上、退学。2006年、「火ノ児の剣」で第1回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞、作家デビュー。2作目『裏切り涼山』で高い評価を受ける。綿密な取材と独自の解釈、そして骨太な作風から、正統派歴史時代小説の新しい担い手として注目を集めている。他の著書に『うつけの采配』『己惚れの記』『恥も外聞もなく売名す』など。

「2022年 『南洋のエレアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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