ビートルズの真実 (中公文庫 さ 68-1)

著者 :
制作 : 遠山修司 
  • 中央公論新社
3.71
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本棚登録 : 77
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122060562

作品紹介・あらすじ

ポピュラー音楽史上最高のグループ、ビートルズ。解散から四〇年以上たったいまも世界中でファンを生み続けている。伝説的な存在であるため、あまりにも多くのことが語られ、虚実ない交ぜの状況にある。新世代のビートルズ研究家と熱烈な信奉者が彼らの真の姿を追い求め、その魅力を解剖。人類にビートルズが与えられた奇跡!全曲目リスト付き。

感想・レビュー・書評

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  • 下世話な話もてんこ盛り。より立体的にメンバーの人物像に迫れてる。逆にスゲーなオノ・ヨーコとか思ったり。

  • 知らない話が一杯で十分楽しめました。「Norwegian Wood」が「Knowing She Would」だったなんて。爆笑しました。こんな話がてんこ盛りで、また聴きたくなってしまいました。

  • 2人のビートルズマニアによる対談です。文庫本で570ページ以上ある力作です。

    本書の共著者の一人、遠山修司さんは1970年生まれ。つまり、ビートルズが解散した年に生まれています。ビートルズが現役だった時代を経験していないにもかかわらず、熱烈なビートルズファンとなり、それが高じてイギリスに移り住んでしまったそうです。

    そして、リバプールやロンドンに居を構え、大勢のビートルズ関係者と直接コンタクトをとり、ビートルズの「真実」を探るための活動を続けてきたようです。自ら現地で取材やリサーチをしているだけあって、本書での発言には説得力があります。ビートルズに関するエピソードは世間で山ほど紹介されていますが、そのうち何が俗説で、何が信頼できる事実なのか、しっかりと切り分けて語っています。

    もう一人の共著者、里中哲彦さんは1959年生まれ。翻訳家、塾講師、文筆家など多彩な活動をしている人です。ビートルズに造詣が深いだけでなく、音楽文化全般に精通しているようで、その知力を生かして、遠山さんの膨大な取材・調査経験を上手に引き出し、対談を極めて面白いものにしています。

    前半部分では、ジョン・レノンやポール・マッカートニーらメンバーの生い立ち、メジャーデビュー前のライブ活動や人間関係、マネージャーとなるブライアン・エプスタインとの出会いなど、ビートルズが有名になるまでの話が克明に解説されています。

    出身地のリバプールや、デビュー前の活動拠点だったドイツのハンブルクなどの当時の状況なども描写されており、情景が思い浮かべやすいです。後半部分で語られている歴史的な成功から解散に至るまでの経緯も、実にスリリングで興味深く読めます。

    とりわけ好感が持てたことの一つは、一般に広まっている誤解や俗説を打破すべく、より丁寧な解説を試みている点です。例えば、「バンド末期、そして解散後にジョンとポールは不仲だった」といったようなイメージがありますが、2人の関係を様々な記録や証言をもとに振り返ることで、そういった単純化されたイメージが払しょくされます。

    また、メンバー4人それぞれのキャラクターについて、一面だけにとらわれない多面的な分析をしています。

    本書の冒頭では、多数のビートルズ関連書籍のうちで、信頼できる本を何冊か紹介しています。(その多くは、もっとマニアックな本です)。本書を読んだ後にそれらの一部を読んだら、さらにビートルズについての理解を深めることができました。

    なお、著者2名は、同じく共著で姉妹本『ビートルズを聴こう- 公式録音全213曲完全ガイド』という本も出しています。ビートルズの曲については、そちらの本のほうが詳しいです。

  • 英国に20年住んでいる遠山氏と翻訳家の里中氏のビートルズ対談。遠山氏が彼の膨大なビートルズ知識を披露する。550頁の半分過ぎまで、ビートルズ結成までの話であるが、これが興味深い。英国の厳格な階級社会の中、リンゴは貧しい労働者階級、ジョンは結構な中産階級で広い家に住む。2枚目のシングル「please please me」が1963年2月22日に全英チャートの2位になり、そこから怒涛の快進撃を全世界で記録することになる。4人の女遊びの話が結構語られていて、ポール曰くピルが発売されてから、全く気にしなくて済むようになった。まるでトロール網漁だった、とか、夜周りに群がる女の子を「キミとキミとキミと、それからキミ」と部屋に連れ込むなど、流石トップスターである。ジョージの女好きも執拗に語られる。兎に角やる人数が凄い。
    里中氏はジョージのインド傾斜を貶しているが、自分的には結構気に入っている。あとヨーコがジョンを操って、おかしな方向に持って行ったと、散々な言い様である。
    解散後のアルバム評価でもジョンとジョージはひどい言われよう。音楽的にはポール賛美となっている。
    遠山氏はダブルファンタジー推しで良かった。ポールはラム推しだが、個人的にはバンド・オンザ・ランの方が良い。
    でもやはりレノン・マッカートニーの曲が上だな。
    解散後ジョンとポールがアルバムの曲で喧嘩していたのは有名だが、これも本当に仲が悪かったらそんなことはやらないとのこと。お互いをからかっているだけだそうです。ジョン曰く「ポールの悪口を言って良いのは俺だけ。ほかの人間が言うのは許せない。」なるほどね。

  • ロックに求めるものの多くが「今」である僕は、古典中の古典「サージェント・ペパーズ」を、大学に入ってから初めて真面目に通しで聴いた時の衝撃は忘れられない。A Day in the Lifeに至っては、マジありえない頭おかしい、と思った。
    もう一つ憶えてるのは、新入社員の頃の会社の飲み会で「古典ってそもそも前衛だと思うんすよね」と突然言い放ち、隣の部署の課長に「お前は何を言うてるか分からん」と一刀両断されたこと。
    本書は「ビートルズがすごいのは、「それまでのポップス」と「アバンギャルド」をうまくミックスさせてしまったこと」(P47)と実に端的にその魅力を語りつつ、ジョンとポールが初めて出会った会場には、ポールは自転車で来ていたなど、どうでもいいところまで丹念に追いかけた歴史書。ビートルズを全く知らない人には全然面白くないと思いますが、以下の豆知識を読んで少しでも興味を抱かれた方は、「リボルヴァー」、「アビーロード」のB面(Here Comes the Sun以降)、もしくはいっそ青盤の1枚目を聴いてください。よろしくお願い申しあげます。

    ・ローリング・ストーンズの最初のヒット曲は、レノン=マッカートニーがミックとキースと他のみんながおしゃべりしている間に部屋の隅で仕上げたもの
    ・アメリカ初上陸時に出演した「エド・サリヴァン・ショー」の視聴率は72%
    ・日本のあとフィリピンでも公演したが、手違いでイメルダ夫人を怒らせてしまい、国民といざこざ。ジョンは「飛行機でフィリピンの上空を飛ぶのもごめんだ」といい、コンサートを一切止める原因の一つとなった。
    ・オノ・ヨーコ嫌われすぎ。

  • 20150815読了

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著者プロフィール

河合文化教育研究所研究員(「現代史研究会」主宰)。著書に『日本人のための英語学習法』『はじめてのアメリカ音楽史』(以上、ちくま新書)、『教養として学んでおきたいビートルズ』(マイナビ新書)、『ずばり池波正太郎 』(文春文庫)など多数。

「2023年 『そのまま仕事で使える英語表現189』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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