あなたの本 (中公文庫)

著者 : 誉田哲也
  • 中央公論新社 (2014年12月20日発売)
3.09
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  • 本棚登録 :727
  • レビュー :87
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122060609

作品紹介

あなたの本は誉田哲也さんが書かれたミステリー短編集です。父の書斎で見つけた奇妙な本は自分の誕生から現在までが書かれている。さらにその先の未来まで書かれている本を手に入れて悩み抜く男が描かれています。他にもサスペンスやユーモア、ファンタジーやSFなど人気作家の誉田哲也さんの多彩な作風を堪能することができる短編集です。

あなたの本 (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 誉田哲也さんの本は、気が付けば14冊目でした。
    結構読んでるもんです。

    一番好きなのは姫川玲子シリーズ『ストロベリーナイト』です。
    が…
    一部グロテスクな表現があり、そこはちょっと腰が引けていたりします。
    他の作品でもそのリアルすぎる表現が好みでないものもあります。

    この本は全くテイストの違う7編の短編集。
    表題作である「あなたの本」と「見守ることしかできなくて」は好きな作品です。
    残念ながらそれ以外の作品は…
    特に「贖罪の地」は…

    というわけで、☆3つにしました。

  • 星新一を思わせる、シニカルでユーモア溢れる七つの短編。
    実際に著者は星新一が好きだったようで(解説参照)、その影響がにじみ出ている。
    特に『交番勤務の宇宙人』は日本中の誰もが知っている宇宙人(残念ながらジョーンズではない。それも面白いけれど!)の物語。
    苦悩、と呼ぶにはもう少し庶民的な悩みを抱えるとある宇宙人。
    そんな彼が贋金事件の真相に迫っていく。
    小さな幸せが一番の幸せだ。

    『見守ることしかできなくて』
    嫌々ながらスケート教室に通い始めた少年。
    彼がそこで出会った天才少女。
    その美しい滑りに魅了された少年は彼女をずっと応援している。
    それしかできない自分に情けなさを感じながらも応援し続ける。
    そんな感動的な物語、なのだが。
    この物語の着地点は後ろ向き?それとも前向き?
    四回転トウループは後ろ向きで踏み切って後ろ向きで着氷だけれども......。

    『あなたの本』
    表題作。
    未来が見られるのなら、私は覗いてみるだろうか?
    もしかしたらそれを知っていれば避けられるかもしれないが、見たところできっと悪いことは別の形でやってくるし、いいことも別の形でやってくる。
    禍福は糾える縄の如し。

    でも、あーよかった、ほっとした、これであなたは満足できるだろうか?
    めでたしめでたし、そんな面白みのないもので満足できるだろうか?
    黒い感情が湧き上がってきていることを見ないふりなんて、普段はそんなことしていないでしょう?
    気持ちのままに読み進めてみれば、ほら、あなたの未来がそこに書いてある。

  • 短編集。

    黒なのか白なのか…どっちの誉田さんとも言い難いけど、すべて結末に驚かされました。
    展開を読もうなんておこがましい。
    ミスリードされる感覚たまりません。

  • 七つの短編集
    表題「あなたの本」の話は引き込まれて面白いんですが意味深な最後でもやもやの状態で終わったのがちょっと残念。
    一番面白かったのは「交番勤務の宇宙人」
    某円○プロのヒーローが常に頭の中に出てきますがテレビの中のヒーローとは真逆のかなーり現実味を持った笑える話になっています。
    誉田さんの小説はかなりエグい内容のイメージがありましたがこういう内容もありなんじゃないかなと納得。
    面白かったです(^^)

  • 誉田哲也という作家の入り口としてぴったりな1冊だと思います。ハードなものからソフトなものまでいろんな一面を楽しめる短編集でした。

  • ちょっとイヤミスというかアンハッピーなとこが私のツボでした。
    「あなたの本」と「見守ることしかできなくて」が良かった。

  • 中公文庫で誉田哲也の短編集『あなたの本』読了。いずれもシニカルでブラックなユーモアを含んだ7編。引き込まれて一挙に読んでしまった。表題作はひときわ強烈なオチが光る不条理な話。自分の一生が書かれた本があったら読むか読まないか。主人公の判断は正しかったのか?考えさせられる。

    「帰省」は終始都会で堕ちた若い女の独白で綴られる。気丈な姉が故郷に妹を連れ帰るのだが、世間知らずで意志薄弱な妹から見たその顛末は、どうやら事実とは違った妄想でしかないようで・・・。ラスト迄読むとなぜ太く丈夫な女が「美人」なのか、見事に腑に落ちてしまう。

    「贖罪の地」は原始人の目から見た不思議な「白い人」の挙動が描かれる。彼が原始人達に行うことは、一体何を意味するのか?これだけ読んだだけでもオチは容易にわかるのだが、ラストにはちゃんと予期せぬ出来事が待っている。星新一のショートショートを彷彿とさせる短編。

    「天使のレシート」は天使という名のコンビニの店員と、店員に憧れる中学生との短時間の交流が描かれる。甘酸っぱい展開かと思いきや、どんどんと予想外の方向に進んでいくのには驚愕。ラスト間際でオチには気づいたが、後味悪い結果ながらもナイスアイデアと感心した。天使も死神も神の使いならば同じではないのか?

    「あなたの本」も星新一っぽい。主人公が自ら招いた残酷な話だが、主人公の判断を蔑んだりは出来ない。誰が自分の運命について書かれた本を平常心で読み進めることが出来るだろうか。見事にずらしたオチには感心した。

    「見守ることしかできなくて」はフィギュアスケートの女子選手に思いを寄せる男子の話。女子選手は怪我を圧して出場した大会で四回転トウループを成功させられるのか?ラストの真実にはまたもや驚愕。爽やかな青春ものと言うわけには行かないものの、後味はけして悪くない。

    「最後の街」は成功して全てをやり尽くしたミュージシャンが「この世の果て」に向かう途中で立ち寄った街で雑貨店の店主と交わす会話。留める店主を振り切って出発するミュージシャンが行き着いた先は?ラストは『2001年宇宙の旅』を思い起こさせる。

    「交番勤務の宇宙人」は唯一のユーモア編。宇宙の彼方「光の星」から派遣された宇宙人が「諸星団吉」として新宿の交番勤務に着く。ある日起こったコンビニの贋金事件。団吉は事件の裏にザリガニ星人の影を見る。この短編集の最後に相応しい大喜利的に後味の悪くない一編。

  • サスペンス、ユーモア、ファンタジー、SFと多彩な作風が味わえる短編集。
    表題作『あなたの本』の主人公をはじめ、登場人物の行動がもどかしい。なぜそこでその判断なのって、突っ込みまくり。意外と誉田さんは、小市民モノが得意かもしれない。

  • 父親の書斎で見つけた『あなたの本』。読むと自分が赤ん坊だった頃の事が書かれている。父親の日記か?と思うのだが、そこにはこれから起こる事も書いてある。人生で迷った時や悲しい事が起きた時、この本を読んでいれば‥いや、それでは人生のカンニングになる。迷う主人公、そしてその最後のページには‥ちょっと不思議な、そして考えさせる短編集。

  • 短編集。読んだら読んだで、やっぱり長編が好き、という結論に達してしまうので、読まなきゃいいのに…と思いつつ、読んでしまう。ふむ。
    読後感の良くないものもポロポロあったので、あまり印象に残った作品はなかったかな。
    2016/12/15読了 2016年の72冊目

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