- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122060838
作品紹介・あらすじ
先史時代から現代まで、人類の戦争における武器と戦術の変遷を、石・肉・鉄・火という文明の主要な構成要件別に著述、制約・要塞・軍団・兵站などについても科学的に分析する。戦闘集団が所属する文化との相関関係を解読する画期的な戦争と文明論。下巻は鉄器の利用、密集方陣から始まる戦闘や軍隊の形の変化、火薬と要塞、火力兵器の発展について。
感想・レビュー・書評
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石と肉に続き、鉄と火を主題に戦争を語る。
前巻と同様に、歴史的ストーリーをお題目にからめて紹介するのだが、やはり学問として整理されているとは言い難く。
ジャレド・ダイアモンドやウィリアム・H・マクニールを参照し、細かいデータとエピソードが豊富で歴史好きなら楽しんで読めるには違いないが、回りくどい筆者の述懐に追いつくのに必死で知識として吸収しにくい。
だが逆に言えば、図解して整理する余地があるので、自分でノートにまとめるという楽しさもあるかもしれない。
「ギリシャ時代の密集方陣は左手に盾を構えるので、隊列はどんどん右側に流れていった」という逸話は紹介されるが、それに指揮官がどう対処したのかは記されない。
これを知識の書ではなく、物語の書として楽しめる人にはオススメできる一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
基本的に、西欧に焦点をあてているのは、まあ仕方のないところなんだけど、そういう意味では欧米の精神的基盤がいったいどのあたりにあるのかということも、あわせて理解できると言えよう。
歴史や軍事に興味ある人、歴史ものでアクション書きたい人にとっては、とくに、ギリシア式の密集陣がどういうものか、よくわかります。素晴らしい。
但しそういう用途で読む場合、それ以降の部分ではあまりこれといって具体的な例が出てこないので注意。
但し「兵站」の章はそれなりに参考になる人は多いかも知れない。