クランⅠ - 警視庁捜査一課・晴山旭の密命 (中公文庫 さ 65-5)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061514

作品紹介・あらすじ

渋谷の片隅で警察関係者の遺体が見つかった。明らかな他殺体を自殺と断定した鑑識課の検視官・綾織美音。疑念を抱いた捜査一課上層部は、晴山旭警部補に内偵を命じる。彼女の目的とは一体?真実を明らかにした晴山の前に現れたのは、警察内に潜む巨大な闇の存在だった-。

感想・レビュー・書評

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  • 新シリーズの警察小説の幕開け。このシリーズは警察組織内部に潜む巨悪に警察の有志『クラン』が立ち向かうというストーリーのようだ。物語はまだ序盤に過ぎず、これからの展開に期待したい。

    渋谷で発見された元警察関係者の遺体…他殺なのか、自殺なのか…検視官の綾織美音が実際とは間逆の検視を行う理由は…綾織の内偵を命ぜられた晴山旭警部補は予想もつかない警察組織の闇に足を踏み入れる。

    『クラン』とは、一家、一族、一門、一味、党、閥といった意味の英単語のようだ。巨悪に立ち向かう様々な経歴と肩書きを持つ警察官たち…

  • 捜査二課の恋人を自殺で失った検視官・綾織の内定を秘密裏に命令された捜査一課の警部補・青山。警視庁の周辺では、綾織の恋人の北森を始め、元警察官の自殺など、警官の死が続いていた。青山は綾織を説得するのに、捜査支援分析センターの上郷の手を借りていたが、実は彼女は首席監察官の千徳の部下であり、警察の闇を暴くために密約を結んだ「クラン」の一員であった。北森の死に疑問を抱いていた青山、綾織は共に密命に加担することに…そんな中、渋谷南署の生安に異動になったベテランの岩沢は、渋谷で起きている何かを感じ取っていた。その岩沢の直感で、北森が他殺である証拠を得た途端に、今度は警視庁内部で、捜査一課の署員が自殺を図る…と言うのが、1巻まで。
    4月は警察小説強化月間にしようと、大切に取っておいた「クラン」を1冊目に選んだが、これは4冊まとめて、読まなければ、先が気になって、しようがない。
    警察小説だけど、警察内部の悪と「クラン」との闘い。今までにないタイプで、結末にかなり引き込まれる。

  • 著者初読み。
    警察関係者の変死から、次々と浮かび上がる疑惑。事件の進展が、捜査一課の刑事と所轄署のベテラン刑事との視点で交互に語られる。
    そして、浮かび上がる警察内部の巨大な闇。
    クラン(一味、党、集団)を組み、真実を明らかにするべく、警察機構に敢然と戦いを挑む仲間たち。
    真相は?闇はどこまで広がるのか?
    目が離せない展開に、続けてクランⅡを読まねば。

  • 渋谷の片隅で警察関係者の遺体が見つかった。明らかな他殺体を自殺と断定した鑑識課の検視官・綾織美音。疑念を抱いた捜査一課上層部は、晴山旭警部補に内偵を命じる。彼女の目的とは一体?真実を明らかにした晴山の前に現れたのは、警察内に潜む巨大な闇の存在だったー。

  • 読中、読後感共に悪い。警察の側に立つわけではないが不祥事じありきで腐敗しきっているという設定自体は比較的よく見る構図だが何というか他の作家に比べると嫌悪感がつきまとっていた。そして絶対に秘密裏に進めろと命令されていたにもかかわらずあっさり同僚に盗聴されて自殺されてしまうなど隙がありすぎ、ご都合主義感も否めない。シリーズモノは今まで最後まで読んできたがこの作品は微妙。何だかんだ読むんだろうけど、、、

  • 渋谷の片隅で、警察官の遺体が発見された。
    どう見ても他殺なのに、検死官は、自殺と断定、そんな馬鹿な...

    しかし、それは単なる始まりに過ぎなかった。
    捜査一課、晴山警部補を巡る状況は、刻一刻と大きなうねりを見せて行く。

    警察の裏に巣食う巨大な闇に、どう対応するのか。
    果たして、この闇はどこまで広がっていくのか。

    晴山警部補の困難な闘いは続く。

  • 警察関係者たちの変死。それに絡む警察内の巨大な闇。どんな組織も一番の敵は自分たちの身内か。今作はまだ話の序章。ドラマ「小さな巨人」ではないけれど、小さなものがどんなにたくさん集まって抗ってもお金と権力の前では太刀打ちできないというのが実際のところかな。ましてや警察や自衛隊のような縦社会では。これからどう闇に切り込んでいくのか。1冊ごとにとりあえず完結ではないので、続きがすごく気になります。

  • 初めての作家。主人公の心のつぶやきがダラダラ多く不快だけどストーリーは面白い。終盤になっても捜査が進展せず事件が解決するのか心配になったけど、(2につづく)で終わっちまった。2も買ってあるので最後のページめくったら(3につづく)になってる。とても長い物語のようだ。腰を据えてじっくり楽しませてもらおうかな…

  • シリーズ物第一弾。同じ様なシリーズ物が有りましたが結構面白く読み続けたくなりました。物語の大きな流れはそう変わらないでしょうが、楽しみに期待したいと思います。現在は第二弾に突入中です。

  • 06月-30。3.5点。
    クランシリーズ第一弾。捜査一課の刑事、警察庁の首席監察官に呼び出しが。一方、鑑識課の女性鑑識官が、不可解な検死を連発し。。

    警察の闇を描くシリーズ。第一弾はドキドキ、途中から一気読みした。クセのある登場人物も多く、次作も期待。

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著者プロフィール

沢村鐵
一九七〇年、岩手県釜石市生まれ。二〇〇〇年 『雨の鎮魂歌(レクイエム)』でデビュー。著書に「警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結」シリーズ、「クラン」シリーズ(以上、中公文庫)と、その番外編『ゲームマスター 国立署刑事課 晴山旭・悪夢の夏』、「極夜」シリーズ(以上、祥伝社文庫)のほか、『あの世とこの世を季節は巡る』、『はざまにある部屋』(以上、潮文庫)、『謎掛鬼 警視庁捜査一課・小野瀬遥の黄昏事件簿』 (双葉文庫) などがある。
ウェブサイト〈沢村鐵のフィラメント〉http://www.t-sawamura.net/

「2023年 『世界警察4 悠久のフロスティグレイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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