幸せの条件 (中公文庫 ほ 17-9)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061538

感想・レビュー・書評

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  • 会社に自分の居場所を見いだせない梢恵。
    ある日、社長から期限のない出張を命じられる。
    行先は長野。
    何の知識ももたないまま、バイオエタノール用の苗の作付を了承してくれる農家と契約を結ばなければならない。
    何をやってもうまくいかない梢恵が、農業に携わることで自分の道を見つけていくのだが…

    誉田さんの本は「姫川玲子シリーズ」のような本の方が好みです。

  • 何とも珍しい農業小説。誉田哲也と言えば、警察小説やホラー小説、ミステリー小説しか読んだことが無かったのだが、こういう社会派の小説も書くのかと驚いた。

    片山製作所に勤めるお荷物OLの梢恵が、社長の命令でバイオエタノール用の米の作付農家を探しに長野へと赴くが、その道は険しかった。果たして、梢恵は任務を遂行出来るのか。

    ストーリーに東日本大震災も描かれ、日本の農業のみならず、食料自給率、環境問題などの社会問題が描かれる。しかし、梢恵を取り巻く人びとの人情や農業に賭ける熱意も描かれ、硬い社会派小説には止まらない面白い小説に仕上がっている。

  • すっごいよかった!
    良すぎて冷静になってから感想を書こうと思ってたんだけど、その後もヒットが続いたので、そのままに……。

    安易な恋愛もないし、安易な成功物語でもない。
    でもハッピー!希望をもらえた。

    そのうち再読する。

  • 誉田さんのミステリーは元々大好きだったけど、それ以外も面白い〜と思った。
    何となく神去なあなあ日常っぽいなと思ったけど、農業全然興味なくても読みやすいし、むしろ興味が湧いてくる。

  • 最初はぐちぐちしてて好きになれんかった主人公も、農業始めてからは逆にその邪気のない性格が田舎暮らしに合っていて、頑張る姿に好感が持てた。
    まわりの人達のおおらかさも素敵です。

  • 面白かった。
    警察、ホラー以外の誉田作品
    でも姫川シリーズにも通じるようなチームの人間関係。
    主人公、役立たずOLの梢恵がひょんなことから農家の見習いになり成長する物語り。
    梢恵を囲む人達のキャラクターが良い。
    片山製作所の社長の最後の言葉も良い。
    あたたかい気持ちになる。

  • 2021/1/31 読了

    農業に興味があり、気になっていた作品。
    農業の過酷さ、大変さがよく伝わってくる。
    それぞれのキャラクターも良かった。
    茂樹は照英さんのイメージでした。


  • 都内のとある製作所に勤める事務系OLの主人公。
    ある日、社命により単身長野へ赴任することに。
    新燃料のバイオエタノール用の米を作れる農家を探せ。いきなり東京者が行って作ってもらえるわけもなく、とある農家で住み込みで農作業修行をすることに。
    農業知識、経験ゼロの主人公を通し、様々な経験を追体験させてくれる。東日本大地震以降、普段我々が口にする米や野菜、一次産業の重要さと有り難みを感じたものは多いはず。
    しかしながら、実際どのようにして、どれだけの期間と手間暇がかけられ、我々の口に届くのかを詳細に知る者は多くはないだろう。
    本書は震災直後に書かれたものだが、現在のコロナ禍によるリモートワークや衣食住の在り方も変容を遂げている今読んでも、得るものは多い。
    警察もののイメージが強い誉田氏だが、新たな一面を垣間見た一冊でした。

  • 誉田哲也さんが農業の小説?と思う気持ちがあって、なかなか最初の1ページをめくれなかったけれど、主人公が農家での暮らしを始めるあたりから、グイッと引き込まれて、毎日この本を開くのが楽しみでした。登場人物がみんな魅力的なんですよね。深く考えさせられるやりとりあり、ジーンとくるシーンありで、本当に面白かった!

  • 誉田さんの書く本ってすごいな、と思う。
    ストロベリーナイトで誉田さんを知ったんだが、ストロベリーナイトはあんなにグロい描写もあって、事件もシリアスなのに、この「幸せの条件」や「世界でいちばん長い写真」は前向きな青春っぽい小説になっている。

    今回の「幸せの条件」は、片山製作所で働く梢恵が役立たずOLで、恋愛もうまくいってない。そのうえ、長野へ農業の修行に行かされるという話。梢恵はぐちぐち悩むのに、自分では竹を割ったような性格だと思い込んでるし、会社から必要とされていないと気づいているのに、どうしても言い訳しかでてこない。でもどこか自分の言動を映し出しているように思えてきて、読んでいてちょっと恥ずかしくなる。ただ、東日本大震災と農業、そして農業の「あぐもぐ」の人々とのかかわりあいで、少しずつ変わっていく梢恵はどんどん眩しく感じる。
    自分が必要とされているかどうか、ではなく、自分が必要としているかどうか。楽しく仕事できるって視点を変えられるかどうか、なのかも。
    読んでよかったな、と思った本。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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