- Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122061545
作品紹介・あらすじ
活動写真の弁士を皮切りに、子役時代の高峰秀子らと映画で共演するなど昭和を代表する芸能人であり、文筆家としても知られた著者が、真珠湾攻撃から東京大空襲にいたる約三年半の日々を克明に綴った記録。終戦までの四ヵ月を収録した既刊『夢声戦争日記抄 敗戦の記』の姉妹篇。
感想・レビュー・書評
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芸人だけあって、知った名前(高峰三枝子、佐分利信、原節子、丸山貞夫など)も。
また、南方への慰問旅行や特攻隊員への慰問、新聞記事など戦中の様子がよくわかり、たいへん興味深い。
本書に『風と共に去りぬ』(戦中に制作された)を観て、「こんな国と戦うのか、勝てるわけない」的な記述があるが、これはこの年齢の人の話を読むとよく目にする。たしかにそうだよなぁ……。
で、百閒先生よりいい暮らしをしているのは、やはり文筆家より芸人のほうが人気があったからなのだろうか。この人はとにかくウイスキーをよく飲む。
察するところ、一般庶民はすごい貧乏暮らしをしていたはずで、そしてそんな一般人の日記は面白くないだろうが記録的価値はあるだろうから、無名人戦中日記があればちょいと読んでみたい。
しかしホント、度重なる空襲の記述を読むに、たしかに犠牲者は膨大だが、よく生き延びたものだ。祖父、祖母に感謝せねば。自分は生き延びる自信、ないなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろい。いつの時代もかわらない。
カップ酒いい -
真珠湾攻撃を知った日本人のほとんどが大いに留飲を下げたといわれるが、本著でも日米開戦の報に触れた著者の喝采ぶりが滑稽なほど直截だ。当時の世相が伺われる貴重な資料であると同時に綺羅星のごとく登場する芸能人や文人の顔ぶれも興味深い。慰問先のシンガポールで観た「ファンタジア」と「風と共に去りぬ」に敵国の底力を感じる箇所が雄弁だ。
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花形弁士から映画俳優に転じ、子役時代の高峰秀子らと共演した名優が、真珠湾攻撃から東京大空襲に到る三年半の日々を克明に綴った記録。〈解説〉?田研吾