任侠病院 (中公文庫 こ)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 904
レビュー : 113
  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061668

作品紹介・あらすじ

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、所帯は小さいが、世の中からはみ出た若い者を抱えて、天下に恥じない任侠道を貫いてきた。ところが最近、一部の地元民から暴力団追放の動きが起こり、めっきり肩身が狭くなった。そんな中、今回、組長が持ち込んだのは病院の再建話。日村は、個性豊かな子分たちと、潰れかけた病院の建て直しに奔走するが…。笑いあり涙ありのおなじみ「任侠」シリーズ第三弾!

感想・レビュー・書評

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  • ・H30.2.19 読了。

    ・建物の外見をきれいにすること、照明を交換することなど、阿岐本親分の考えで潰れそうな病院が息を吹き返す様子を見るのは、読んでいてすがすがしい思いがしました。
    とても面白かったです。

  • 暴力団・阿岐本組が病院経営に乗り出す。いつも通り永神のオジキから「病院の経営が大変になことになってているから立て直してくれ!」との指令。早速、阿岐本組長が監事、代貸・日村が理事に収まる。経営圧迫の原因は、ヤクザ(耶麻島組)絡みのフロント企業への業務発注が高額なこと。これをどうにか解約したい。一方、代貸・日村は、外壁掃除、事務職員、看護師とのコミュニケーションを重視し、さらに耶麻島組からの嫌がらせに対して真向勝負する。最後には阿岐本組長が耶麻島組長への恫喝で勝負あり。シビレル場面だった。次は浴場?楽しみ。

  • 「任侠書房」・「任侠学園」に続く、任侠シリーズ第三弾。

    正統派ヤクザ(?)の阿岐本組。
    所帯は小さいけれど、地元の皆さんのため日夜、努めている。
    ここに描かれる”ヤクザ”は憎めない存在。
    組長の阿岐本、代貸の日村、組員たち。
    みんなキャラクターが良い!

    潰れそうな病院の正しい立て直し方。
    それを見たようで、面白かった。

  • 今野敏さんの任侠シリーズ第三弾は
    永神のオジキから持ちかけられた病院の立て直し。

    今度は病院ですか..。
    代貸日村誠司はまたもや奔走されることになります。

    それにしても阿岐本組長は、気まぐれに何にでもすぐに飛びつく
    懲りないオヤッサンだけど、引き際ときたらなんとも鮮やか。
    ようやく軌道に乗りかけたか...というところでスッと退く潔さが男前。

    適当に~、、とか言っておきながら、実は堂に入った
    起業のエキスパートだったりするのかもしれません。

    あまりにも鮮やかな引き際に
    こちらは未練たらたら.....(笑)

    ぜひまた何かやってください♪
    楽しみにしています。

  • 任侠シリーズ最後?痛感で面白く一気読みしてしまった。
    人の気持ちを変える示唆は、何処でも通じるもので、シンプルだけどなかなか出来ない。。このシリーズ読んで少しでも日々の心かけ変えようと思った。

  • シリーズ第三弾!

    今度は病院の立て直しを行う物語。
    本作では組長の阿岐本の活躍(指示)が光ります!
    さらに、前2作と同じ終わり方になってしまうのかと思ってましたが、今回は違ってました。

    ストーリとしては、今まで同様、阿岐本組の組長が病院の理事長を引き受けることになります。
    そして、日村がまた奔走するパターン。
    病院スタッフ自体は大きな問題なく、経営そのものが問題の病院。
    これをどう立て直すのか?
    高費用の請負業者の裏に見えてきた関西系の耶麻島組。
    そして、立て直しに対する嫌がらせ。
    さらに、一部地元住民から発生した暴力団追放運動。これにどう対峙していくのか?
    そんな中、見えてきたのは、この活動の裏にも耶麻島組。
    ということで、前回同様の展開になってきます。
    そして、最後は阿岐本組長の顔の広さで解決かと思いきや、今回は違った形で決着します。

    今回の改革は、働きやすい環境をつくること。
    掃除や蛍光灯の交換、そして、笑顔。筋を通した改革がスタッフ達の心を動かしていきます。

    さらに今回、医師のセリフに心動かされました。
    「患部を治療し、症状をなくしたり、軽くしたりすることに全力を尽くす。それが医者だ。そして、それを監査技師や看護師がフォローし、ケアする。さらに医療事務がそれをサポートする。(略)人を助けるのは、医者じゃない。(略)人を助けるのは、病院なんだ。病院のみんなで人を助けるんだよ」

    今までどおり、出来すぎた展開ですが、とても楽しめます。
    とっても、お勧め!

  • 任侠シリーズ第三弾、出版社、学校につづき今度は病院の立て直し。前作につづき阿岐本が命じたのはまず環境整備。外壁の清掃や待合室の照明の交換など、働く人や病院に訪れる患者の気持ちに働きかける効果を期待してのことと思われ、第二弾で登場した学校の立て直しの際の割れ窓理論に通じるものがあります。

    また、労働環境がよいとはいえない中にあっても、病院で働く人たちの気概や志が素晴らしく、阿岐本がそういった点も見逃さず、適切な手を打っていく過程もお見事!

    この組長の判断とその根底にある大局観は素晴らしいものがあると毎度のことながら感心してしまいます。小手先のテクニックなどではない、人物そのものの器の大きさゆえ、なのですかね。シリーズを重ねるごとに”人を動かす”リーダーとして阿岐本の資質がだんだん明らかになっていくようです。

    本作では病院の立て直しのほかに組に対する追放運動も並行して発生、裏をたどると背後にはある”組”の存在が浮かび上がり、病院の問題ともつながっていることがわかり、直接交渉の展開へ。

    そして最後は、もはやこれもシリーズのお約束ともいえる展開。さすがに今回は阿岐本の顔の広さによる解決ではありませんでしたが、病院の問題を解決しつつ自らも潔く病院から去る決心をします。病院に関わったのは、後日病院をこっそり再訪するシーンで書かれている通り2週間程度なのですね、短い間で立て直しを成功させ、本当に爽やかな風が吹き抜けていったような読後感をもたらしてくれます。

    このシリーズは本当にはずれがなく安心して読み進めることができます。あと一冊、任侠浴場にも期待。

  • シリーズの3作目です。
    本屋に学校と畑違いの経営立て直しを成功させてきた阿岐本組が、次に手がけたのは病院でした。
    経営を圧迫している病院の出入り業者が実はフロント企業だったり、地元の再開発絡みで追放運動がおこったりと、今作でも代貸・日村の気が休まるところがありません。

    物語の展開の大筋としてはこれまでの作品と大きく変わるところはありませんが、しいて言えば日村の見せ場が少し少なかったかな、とも感じます。個人的には好きなキャラクターなので、『任侠学園』くらい、大活躍してもらいたかったところでしたが、今作では阿岐本の親分の器量の大きさが際立つ場面が多くあって、それはそれで楽しむことができました。
    貫目のある大親分、というのはやはり魅力的だと感じます。

    「人とのつながり」や「絆」というものが実感しにくい世相になっていますから、こういった人情を感じさせる作品を読むと、ほっとさせられます。

  • サクサク読めました。
    阿岐本組長、いい人ですね。
    そして面白い人です。
    その下で動く代貸日村は気の休まることがなく
    大変ですが。
    任侠学園も読んでみようと思っています。

  • 日村さんがとても愛おしい。
    シリーズを増すごとに好きになる。

    阿岐本さんに出会えて本当によかったね。
    美味しいお肉をたらふく食べてほしい。

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著者プロフィール

今野敏

一九五五年、北海道三笠市生まれ。七八年「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞を受賞しデビュー。以後旺盛な創作活動を続け、執筆範囲は警察・サスペンス・アクション・伝奇・SF小説など幅広い。二〇〇六年『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞、〇八年に『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞及び日本推理作家協会賞、一七年には「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞。空手の源流を追求する、「空手道今野塾」を主宰。

「2021年 『任侠浴場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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