任侠書房 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2015年9月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784122061743

みんなの感想まとめ

ヤクザの世界を舞台に、経営難の書店を立て直す弱小ヤクザの奮闘を描いた作品は、正統派任侠道の魅力を存分に引き出しています。主人公の阿岐本組長が軽いノリで決定を下し、ナンバー2の日村代貸がその波に翻弄され...

感想・レビュー・書評

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  • 警察ものの今野さんの全く逆側のシリーズ。正統派(?)の弱小ヤクザである阿岐本組が、経営の傾いた梅之木書房に入って立て直すという展開。これも能天気な阿岐本組長の一存で決まってしまい、ナンバー2の日村代貸が振り回されて行く。若い衆達は、別な世界に大喜び。若い衆達の提案もあり、売り上げが伸びて行く。
    ヤクザの世界のシノギがあったり、警察との抗争が大きくなるが、ここで生きてくるのが正統派任侠道。いい加減な組長はヤクザの世界での顔役の面もあり、なんとなく上手く進む。中間管理職の日村代貸が、右往左往しながら纏めて行くのが面白い。シリーズ化されているので、次も楽しみになる。

  • 隠蔽捜査シリーズとは全く違うジャンルで今野敏さんの多彩な才能に感服した。
    ヤクザものならではの漢気溢れる話から、クスッと笑えるとこもあったりと、奥の深いエンタメ作品だと思う。
    久しぶりにスカッと爽快な気分を味わえた。

  • 今野敏さんの警察小説は有名ですが、警察とは真逆のヤクザが主人公の本を書かれているなんて不思議ですね。
    ヤクザと暴力団の違いをはじめて聞きました。
    とても面白かったです。

  • 最近、世知辛くなってる義理と人情の世界。そのど真ん中で生きてる阿岐本組。
    指定暴力団にも指定されてない小さい所帯やけど、結構良い感じ。
    「弱きを助け強きを挫く」
    まさに、任侠の世界に生きる!この小説を読んでると良いかも?っと思う。
    でも、あくまでも、フィクション!本気にしてはダメ!
    その組長さんが、気まぐれで出版社の社長に!しかも潰れかけの!
    まぁ、893なんやけど、やってる事は、コンサルを含めた再建屋。得意の裏ルートも巧みに使いながら、ええ感じで盛り上げていく!
    そんな上手いこといく訳ないやん!っと思いながらも一気読み!
    映画「任侠学園」観たので、任侠シリーズを始めからと思って読んだけど、心がほぐれました!
    でも、あくまでもフィクションやで!

    PS
    当然、次巻キープしてる(^-^)v

  •  ブグログで、このシリーズのことを知って読みましたが、大正解!! 面白くて、数時間足らずで、一気に読み切りました。こういった本に出会えるのも、ブグログのよさですね。

     本書はヤクザ者を描いた話ではありますが、極道や暴力団といった「悪者の中の悪者」といった感じでは全くありません。「ヤクザは地域の人々に信用されてこそ、稼業が成り立つのだ」という組長の言葉に象徴されるように、任侠道(仁義を重んじ、弱者を助け強者をくじくために自己を犠牲にする精神をもつ)に生きる人達の、随所にユーモアがちりばめられた楽しい話です。
     堅気より堅気的なヤクザたちが、やる気を失った社員達を目覚めさせる展開も痛快でした。

    【ヤクザに関するうんちく】
    ・ヤクザにはパンチパーマやスキンヘッドなど短髪が多いが、それは喧嘩の際に髪の毛を掴まれないための用心。
    ・顔付きに凄みを付けるため、彼らは日々、鏡を見て練習する。ヤクザは役者と同じイメージ商売。
    ・ある柔道で有名な大学の柔道部の卒業生は、頭のいいやつはヤクザになり、そうでもないやつは警察官になる。(笑)

  • 皆さんの「任侠シネマ」のレビューを読んで、シリーズ最初の巻から読んでみようと思った次第。

    地域とともに生きる昔気質の真っ当なヤクザ・阿岐本組。その組長の気紛れに右往左往させられる代貸・日村と組の若い衆。
    闇金の取り立てに頭をひねる一方、組長が手を出した出版社の仕事では、癖のある編集者たちとの絡み合いに、地元の組との切羽詰まったやり取り、周りでうろつくマル暴の刑事たちの挑発と、色んなトラブルがテンポよく重ねられて行く。
    まあまあ面白くは読めたが、型通りと言えば型通り。

    仕事柄『反社会的勢力との関係を遮断し…』とか唱えているので、物語の中のちゃんとした組員たちには申し訳ないが、なんとなくこの主人公の世界に共感してはいけないような気持ちがあって、素直に楽しめなかった。続編にはいきません。

  • H29.7.28 読了。

    ・「堅気よりも堅気的なヤクザたちが、実人生でヤクザよりヤクザ的で汚くずるく、法の下で暮らしている堅気たちを懲らしめ、生気を失ったサラリマンたちに義理と人情、そして友情というお互いを信じあう心を目覚めさせる展開は、あくまで小説の中のファンタジーであろう。」

    ・任侠道に生きる阿岐本組の面々が、つぶれかけた出版社を立て直していく過程が面白くて、一気読みしてしまうほどでした。このシリーズの続編もぜひ読みたい。

  •  このシリーズ、表紙が可愛くて前から気になっていた。ヤクザと出版社、全然別世界どうし、どんな化学変化が起きるのかと思いきや、見事にストーリーになっていた。阿岐本組が礼儀正しいヤクザで、好感がもてるし、ちゃんと出版社を立て直すし、面白かった。また、疲れた時に、病院のシリーズを読んでみたい。

  • 初めての作家さん
    ブグログを見て面白そうで読んでみた

    『若い衆4人のヤクザの阿岐本組』
    が債権の取り立てで潰れかけた出版社が立て直しで奮闘する話し

    出版社の内輪の話はなるほど。
    と思った。
    ドタバタコメディで面白かった。
    シリーズで他もあるので又読みます。

  • 再読だけど新鮮な面白さ。
    ヤクザで苦労性の日村の目線だから、日村の内面がよく分かって、ヤクザも大変だなぁと妙な親近感が沸く。
    任侠シリーズ、学園、病院まで読んだけど、またもう一回読んでみようかな。

  • あ〜、面白かった。

    ほっこり、にんまり、じーん、きゅんっ。
    読み進めていくなかで沢山の感情が出てきて、どんどん先を読みたくなる。

    はじめにタイトルをみて、
    どういう話なのか想像がつかなかったけれど、読んでいる途中から確実にこの世界観のファンになりました!

    日村さんの人柄。
    組長のお茶目さと頭の回転の良さとのギャップ。
    どんどん変わっていく編集者の方々。
    若い衆の素直さ。

    いやぁ、この感じ、好きだなぁ。

  • 思ったより、読みやすくておもしろかったです。
    出てくるヤクザの皆さん、かっこいい!
    気持ちの良いストーリーでした。次作も楽しみです。

  • 任侠シリーズ第一弾!
    面白かった。
    ヤクザが出版社経営を行う物語。
    エンターテイメントとして楽しめます。ドラマ化して欲しい(笑)

    ストーリとしては、任侠道をわきまえたヤクザ、阿岐本組の組長が、気まぐれ?で兄弟分の組から倒産間近の出版社の経営を引き受けることになります。
    阿岐本組のNo2である日村は、そんな組長の思いに呆れながらも、親の言ったことは絶対と、その経営に絡んでいきます。ひと癖ある編集者達をどうコントロールするのか、そして、マル暴の刑事、他の組が絡んできて、トラブル多発!
    どう乗り切っていくか?というとても楽しい物語です。

    ヤクザの物語なわけですが、主人公の日村の行動、言動はビジネスマンやミドルマネジメントにとって、すごく為になります。
    無理難題を解決していくところがとてもすごい。

    しかしながら、マル暴の刑事とのいざこざでは、どうなる事やらと思いましたが、最後には、勧善懲悪になって、とてもスッキリ!
    ご都合主義ですっぽり嵌っていきますが、それはエンターテイメントとして楽しめばOK!

    ということで、第二弾、第三弾も楽しみです。

    お勧め

  • 今野敏さんの初ヤクザモノ。読友さんの感想から、これは!となる。阿岐本組が不良債権化した出版社を引き取り、再生化させる。平行して小さい工場の再生、別のヤクザへの仁義、組員の組織対策課刑事への暴行、その刑事との駆け引き等、組の代貸・日村が奔走する。日村の健気さが可愛いらしい。またヤクザさんの粋な計らいがクール。ヤクザの金にまつわる実態が理解できた。弁護士、刑事も泥臭い一面をもち、社会の安定を保っている。今野敏さんの本は刑事モノ(隠蔽捜査)だけではなく多岐に渡る。このシリーズもコンプリートを目指そう。

  • 任侠道をわきまえた阿岐本組のヤクザが、汚くズル賢い堅気たちを懲らしめ、正気を失ったサラリーマン達に活を入れるユーモア溢れるファンタジー。無茶引き込まれた。爽やかな読了感に☆5つ!

  • 今野さんの本は『ST 警視庁科学捜査班』に次いで2冊目。
    こんな本も書かれるのですね~?!

    素人さんには一切迷惑をかけない阿岐本組が倒産寸前の出版社に手を出した~!
    ”手を出した”と言っても、"しのぎ"ではなく”経営”に。
    ヤクザが出版社を経営するなんて…

    いやぁ~、面白かった。
    「任侠シリーズ」は”学園”、”病院”と続くのですね。
    これは読まなくちゃ!

  • 『学園』を前に読んでいたが、任侠シリーズとしては、こちらが第一弾らしい。カバーがど派手になり、つい手に取ってしまった。
    この主人公たちは、暴力でことを済ませる暴力団ではなく、弱きを助け強きをくじく昔からの任侠を貫く”心優しき”やくざたち。彼らは金が万能の社会に異を唱え、面子―あるいは誇りと言い換えてもいいか―を何よりも重んじることを信条とする。現代の日本人が忘れかけているものを、持っているといえるかも。
    だから読んでいてもカタルシスを感じ、その世界に郷愁すら覚えてしまう。

  • 順番が前後して、学園→書房の順に読んだが、内容の理解には何の問題もなく、楽しく読めた。ヤクザの生き方がかっこよく、あくまでも裏稼業の人間で、そこに足を踏み入れたいとは微塵も思わないながらも、この人たちみたいに生きたいと思わせられる。出版社の独特な雰囲気もよく伝わってきて、そこでヤクザたちが発揮するアイデア力がたまらない。

  • これ好きですね~。義理人情の正統派ヤクザ、個性的な面々ながらみんないい人、中で代貸ナンバーツーの日村は苦労人で。話の展開は軽妙、量もほどよくサクサク読めて、かつ面白い。第二弾は映画化されたみたいなので、早く読んで、映画見たいな。

  • シリーズの順番を間違えて、1作目の本書を3番目に読むことになった。

    自分が読む本って本当にジャンルがバラバラで、改めてそんな自分自身を面白おかしく感じてしまった。
    それは本書を読み出して止まらなくなり、「このシリーズ、好きだなぁ」とつくづく思った瞬間でのこと。

    本書はエンターテイメント性が凄い上に、ビジネス書かと思えるほどに、為になるフレーズが沢山散りばめられている。
    素人や堅気は「必死で考えない。すぐに行動しない。体面を気にする」のに対して、ヤクザは「一番大切なのはとにかく行動することだ。まずやるべきことを先にやる。他人の思惑より今やるべきことを優先する」といった具合に。
    『「例の件、どうなっている?」上の者にこう尋ねられて、即答できるようでなければ、ヤクザはつとまらない。』とか、秀逸。

    そして病院と学園でもそうだったように今回は出版社の面々という堅気の方にも、味のある人物が沢山出て来るのも嬉しい。
    みんないいこと、いっぱい言っている。

    万年筆の一件もとても良かったし、片山編集長が「あの若い方、なんて呼び方はやめろ。(中略)名前くらい覚えておけ」と言ったところでは泣きそうになった。

    (小説という文化について)殿村が語る、「いいものはいい。そして、いいものというのは、個々人によって違うんだ」の一文も好き。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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