任侠書房 (中公文庫 こ 40-23)

著者 :
  • 中央公論新社
3.96
  • (168)
  • (349)
  • (163)
  • (13)
  • (3)
本棚登録 : 2156
感想 : 253
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061743

作品紹介・あらすじ

日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが。マル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブル。頭を抱える日村と梅之木書房の運命は?「任侠」シリーズ第一弾(『とせい』を改題)。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今野敏さんの警察小説は有名ですが、警察とは真逆のヤクザが主人公の本を書かれているなんて不思議ですね。
    ヤクザと暴力団の違いをはじめて聞きました。
    とても面白かったです。

  • 最近、世知辛くなってる義理と人情の世界。そのど真ん中で生きてる阿岐本組。
    指定暴力団にも指定されてない小さい所帯やけど、結構良い感じ。
    「弱きを助け強きを挫く」
    まさに、任侠の世界に生きる!この小説を読んでると良いかも?っと思う。
    でも、あくまでも、フィクション!本気にしてはダメ!
    その組長さんが、気まぐれで出版社の社長に!しかも潰れかけの!
    まぁ、893なんやけど、やってる事は、コンサルを含めた再建屋。得意の裏ルートも巧みに使いながら、ええ感じで盛り上げていく!
    そんな上手いこといく訳ないやん!っと思いながらも一気読み!
    映画「任侠学園」観たので、任侠シリーズを始めからと思って読んだけど、心がほぐれました!
    でも、あくまでもフィクションやで!

    PS
    当然、次巻キープしてる(^-^)v

  • 皆さんの「任侠シネマ」のレビューを読んで、シリーズ最初の巻から読んでみようと思った次第。

    地域とともに生きる昔気質の真っ当なヤクザ・阿岐本組。その組長の気紛れに右往左往させられる代貸・日村と組の若い衆。
    闇金の取り立てに頭をひねる一方、組長が手を出した出版社の仕事では、癖のある編集者たちとの絡み合いに、地元の組との切羽詰まったやり取り、周りでうろつくマル暴の刑事たちの挑発と、色んなトラブルがテンポよく重ねられて行く。
    まあまあ面白くは読めたが、型通りと言えば型通り。

    仕事柄『反社会的勢力との関係を遮断し…』とか唱えているので、物語の中のちゃんとした組員たちには申し訳ないが、なんとなくこの主人公の世界に共感してはいけないような気持ちがあって、素直に楽しめなかった。続編にはいきません。

  • H29.7.28 読了。

    ・「堅気よりも堅気的なヤクザたちが、実人生でヤクザよりヤクザ的で汚くずるく、法の下で暮らしている堅気たちを懲らしめ、生気を失ったサラリマンたちに義理と人情、そして友情というお互いを信じあう心を目覚めさせる展開は、あくまで小説の中のファンタジーであろう。」

    ・任侠道に生きる阿岐本組の面々が、つぶれかけた出版社を立て直していく過程が面白くて、一気読みしてしまうほどでした。このシリーズの続編もぜひ読みたい。

  • 任侠シリーズ第一弾

    「真面目なヤクザ」
    阿岐本組の代貸、日村の印象だ。

    組長が道楽で社長をやることになった出版社の役員を引き受け、倒産寸前の所から本気で立て直そうと奔走する。

    情に厚く、仁義を重んじる日村は、マイペースな組長の言動に振り回される。
    だがそれが実は的を射ていたりするのが面白いところ。

    今野敏さんの警察小説も面白いが、本作はヤクザが主役。
    警察が悪者になるのもまた面白い。
    本当に作風が幅広い作家さんだと思う。

    ストーリーにはあまり関係しないが、マル暴刑事なのに弱腰な甘糟が所々に登場する。
    スピンオフ作品として甘糟が主役の作品もあるようなので、そちらも読んでみたい。

  • 再読だけど新鮮な面白さ。
    ヤクザで苦労性の日村の目線だから、日村の内面がよく分かって、ヤクザも大変だなぁと妙な親近感が沸く。
    任侠シリーズ、学園、病院まで読んだけど、またもう一回読んでみようかな。

  • 思ったより、読みやすくておもしろかったです。
    出てくるヤクザの皆さん、かっこいい!
    気持ちの良いストーリーでした。次作も楽しみです。

  • 任侠シリーズ第一弾!
    面白かった。
    ヤクザが出版社経営を行う物語。
    エンターテイメントとして楽しめます。ドラマ化して欲しい(笑)

    ストーリとしては、任侠道をわきまえたヤクザ、阿岐本組の組長が、気まぐれ?で兄弟分の組から倒産間近の出版社の経営を引き受けることになります。
    阿岐本組のNo2である日村は、そんな組長の思いに呆れながらも、親の言ったことは絶対と、その経営に絡んでいきます。ひと癖ある編集者達をどうコントロールするのか、そして、マル暴の刑事、他の組が絡んできて、トラブル多発!
    どう乗り切っていくか?というとても楽しい物語です。

    ヤクザの物語なわけですが、主人公の日村の行動、言動はビジネスマンやミドルマネジメントにとって、すごく為になります。
    無理難題を解決していくところがとてもすごい。

    しかしながら、マル暴の刑事とのいざこざでは、どうなる事やらと思いましたが、最後には、勧善懲悪になって、とてもスッキリ!
    ご都合主義ですっぽり嵌っていきますが、それはエンターテイメントとして楽しめばOK!

    ということで、第二弾、第三弾も楽しみです。

    お勧め

  • 今野さんの本は『ST 警視庁科学捜査班』に次いで2冊目。
    こんな本も書かれるのですね~?!

    素人さんには一切迷惑をかけない阿岐本組が倒産寸前の出版社に手を出した~!
    ”手を出した”と言っても、"しのぎ"ではなく”経営”に。
    ヤクザが出版社を経営するなんて…

    いやぁ~、面白かった。
    「任侠シリーズ」は”学園”、”病院”と続くのですね。
    これは読まなくちゃ!

  • あ〜、面白かった。

    ほっこり、にんまり、じーん、きゅんっ。
    読み進めていくなかで沢山の感情が出てきて、どんどん先を読みたくなる。

    はじめにタイトルをみて、
    どういう話なのか想像がつかなかったけれど、読んでいる途中から確実にこの世界観のファンになりました!

    日村さんの人柄。
    組長のお茶目さと頭の回転の良さとのギャップ。
    どんどん変わっていく編集者の方々。
    若い衆の素直さ。

    いやぁ、この感じ、好きだなぁ。

全253件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

今野敏の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×