フォグ・ハイダ - The Fog Hider (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122062375

感想・レビュー・書評

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  • 強さに焦がれ、剣の道の向こうに見えているものを追い求めてきたはずなのに、虚しさばかりが胸を打つ。
    だけどまた守る為に斬らなければならない侍の宿命。
    それは未来があるが故。
    仕方なく奪うのと、奪ってもいいとの間にある隔たり。
    ゼンのイノセントな目線を通して見るそれが何度も涙腺を刺激した。

    これが正義だ、自分が正義だと開き直ることは簡単で、だけどそうすることで相手の事情が見えなくなるので気をつけたい。
    人のことをもっとよく見ろと言うのは自分を肯定してほしいだけということもあるので気をつけたい。

  • 次の宿場町を目指すゼンは、峠の途中で盗賊に会う。恐ろしい程の腕前を持つキクラという名前の剣士と相対するも、敗北を悟るゼン。しかし、キクラは仲間を切られたにも関わらず、剣を鞘に納めた。

  • 書店でたまたま文庫を買って、久々に森博嗣読んだ。ヴォイド・シェイパのシリーズの途中だったみたい。

  • 剣豪シリーズ4作目
    今回のテーマは出世か?
    というか、最後の方で坊さんと話してるのを読んで、どうもゼンさんは山に戻るんじゃないかと思えてきた
    剣の腕を買われて出世するゼンさんの姿がどうしても想像できない
    最初は山に戻って静かに暮らしたいとか思ってたのに、強くなるために人と手合わせしたいと望むようになったけど
    最終的には一人で自分と向き合って強くなる道を選ぶのではないかと推測

    次巻で一区切りのようだし、どうなるのかね?

  • ゼンが人間として目覚めだした第4巻。
    感情が他人を認知し、揺り動かされる。成長が顕著な一冊。次巻は「いざ都へ」になるのか?楽しみです。

  • 「ヴォイド・シェイパ」シリーズ第4弾。

    前作より意外な展開は少なかったが、より物語が深くなった印象。前は事件に巻き込まれて剣を振るっていたが、本作でのゼンは他人のため、自分の意志で戦いに入っていく。

    刀を交えることでしか、得られないものがあると実感しつつ、相手の命を奪うことへの疑問が更に大きくなっていく。それは山を下り、旅を続けることへの疑義となっていく。

    「刹那」に得るものは、剣を通じるしかないのだろうか。

    世間を知らず、純粋無垢なゼンも本作では、より人との繋がりが強くなっている。師カシュ―から愛されていたという想いは、相手を思い図ることを知った記憶となる。
    そしてゼンの純粋さは時に呆られながら、悪人に生き方を変える転機を与え、陰惨な物語にホッと一息をつかせる。

    大人数の敵との戦いは、小学生の時に読んだ吉川英治「宮本武蔵」の一条寺下り松の吉岡一門との死闘を思い出させた。武蔵ならこの後沢庵和尚に城の一室の閉じ込められて自省の時間を持つが、ゼンの持つ疑問は尽きない。やっぱり剣豪小説ではないんだろうな。

    「ああ‥‥、侍ってのは、はぁ‥‥、しょうがないねぇ、本当に」というノギの科白が幕を引く。
    最終巻は、一体どうなるんだろう。

  • シリーズ、第四作。ゼンより強い侍現る。その名をキクラと云う。己より強い侍に対峙し、死を感じゼンはまた成長する——。次巻、完結巻だがゼンの成長物語がどう集結するのか全く分からん…。

  • 【あらすじ】
    山の中で盗賊に襲われたゼンは、用心棒らしき侍と剣を交える。強い。おそらく、勝てない―歴然たる力の差を感じながらも辛うじてその場を凌いだゼン。彼を戦慄させた凄腕の剣士には、やむにやまれぬ事情があった。「守るべきもの」は足枷か、それとも…。

    【感想】

  • 子供の真っ直ぐさに近い感覚を持つゼン。考えすぎるきらいはあるが、見たもの、体験したものがどういうものかをじっくり考えて、これは自分にいるもの、いらないもの。そうやって成長しているようにも思える。「自分の命をいつも第一に考え、危険を避け、無理をするな。意地を張ったり、名誉のため、義理のためといった目先のものに惑わされるな」いい師匠を持ったとうらやましくさえある。芯がぶれないから、どんな人にあってもどんな体験をしようとも。ゼンはゼンでいられるのかと。

  • ヴォイドシェイパの頃は物語の風景に色が無く世界が謎に満ちていた。
    今作でシリーズは四作目!ゼンの成長と供にゼンの見る世界に色んな色が付いてきた。ただまだその色にくすみは無く清々しさを放っている。

    山から里へ、里から街へ、街から都へと行くうちに、都会の絵の具に染まらないで欲しいと只々思うばかりです。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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