晩菊 女体についての八篇 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2016年4月20日発売)
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感想 : 18
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122062436

感想・レビュー・書評

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  • 安野モヨコさんの挿絵で彩られる、私のお気に入りのアンソロジー。
    「女体についての八編」ということで、本作がシリーズ第一弾なんですね。
    女体といっても、思い描くのは人それぞれ千差万別。脚だったり乳房だったり顔面だったり若さだったり、でもそこに共通するのはやはり〝美しさ〟なのだ。
    直近で放送されたザ・ノンフィクションがストリップ回で、それを視聴したばかりということもあるけれど、女体はほんとうに美しいと思う。「なんで女が女の裸を見たいの?」なんていう質問はあまりにも無粋。いやらしさや下心なくそう思うし、性別の垣根を越えて
    そう思わせる求心力のようなものがあると思う。日々見慣れているせいかつい蔑ろにしてしまうけど、自分の身体も女体ではあるわけで、自分のためにもできるだけ磨いて慈しんでいこう。

  • 裸を見るなら男の人のより、女の人の方が魅力的だと思うんです。なんでだろー?凹凸が男の人よりあるからかな?ふっくらしてるから?不思議だよねぇ。その魅力をたっぷり伝えてくれる。挿絵も素敵ーっ!(*☻-☻*)

  • 「晩菊」
    1年ぶりに昔の男が自宅にやって来るも、目的が金だとわかるとさっさと見切りをつけて男を帰らせようとする。ここでの会話に、きんの経験の豊富さと肝の太さが現れている。借金の申込みをのらりくらりとかわしながらもどんなに頼み込まれても絶対に首を縦に振らないであろう強い意思が伝わってくる。
    結局は酩酊した男を泊めてしまうのだが。ダメ男に少しは情が残っているのか。ちょっとせつない。しかし決して気を許した訳でなく、きんは眠らないように覚醒剤を飲む(用意していたアルコールにはほとんど口をつけていない)。
    酔った勢いで…てなことにならぬように、そのへんは抜かりがない。さすが百戦錬磨の恋愛戦士きん。女ひとりでも生き抜かんとする気概と潔さよ。

  • 選者あとがきにクスッと笑った。
    やはり「晩菊」が年齢に抗おうとする女の業が見てとれて刺さった。美容ホルモン注射もあの頃からあったのかい、と。ためらいなくブスッと刺す様がTHE女と言う感じ。
    中の挿し絵には注射器も描いてあるが、表紙は針先の線が残っている。

  • 女体を巡る文豪の作品に、安野モヨコさんが挿絵を描かれているアンソロジー。
    既読の作品も未読の作品も、色とりどりでした。
    有吉佐和子「まっしろけのけ」と林芙美子「晩菊」が好きでした。
    晩菊のきんさんとても素敵…きんさんみたいに強く生きたいです。凛としている。
    ほぼ、作品の挿絵なのですが、森茉莉さんの作品だけ森茉莉さんを描いた挿絵で、それも良かったです。

  • はたかれる頬、蚤が戯れる乳房、老人を踏む足、不老の童女……文豪たちが「女体」を讃える珠玉の短篇に、安野モヨコが挿画で命を吹きこんだ贅沢な一冊。

  • こういう切り口の本は面白い。

    どれも興味深い話なのだけど、女体にまつわる話を集めてるからか太宰治の「美少女」と谷崎潤一郎の「富美子の足」だけは気持ち悪かった。

    谷崎潤一郎は、まあ谷崎潤一郎なのでアレだし、太宰治はただのスケベオヤジで、文章にも彼の心の弱いところが如実に出てて、やっぱり太宰治だなという感想を持つに至った。

    一方、女性作家のものは安心して読むことができました。特に林芙美子の表題作「晩菊」が秀逸。

  • f.2024/11/23 (2024-96)
    p.2016/5/1

  • 太宰の作品は健全風、芥川はそこはかとなくエロい、谷崎は「あ、ハイ、いつものですね!!」。女性陣は初読のものが多かったけど、森作品は肌に合わなかったな…。林芙美子は面白かった。岡本かの子は男が拗らせすぎている…

  • 有名漫画家が短編小説を選び、挿絵をつけたアンソロジー的な作品。アンソロジーは選者の思考や心情がよくあらわれるらしいが……。

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