ルネサンスの歴史(下) - 反宗教改革のイタリア (中公文庫 モ 5-6)
- 中央公論新社 (2016年11月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122062832
作品紹介・あらすじ
自治都市時代の三百年間、政治・経済・文化各方面にわたって咲き誇ったイタリア。だが、宗教改革と反宗教改革を分水嶺にしてヨーロッパ史の主役から転落する。下巻では、ボルジア家の栄華や、ダ・ヴィンチ、ラファエッロを始めとする芸術家の活躍など、ルネサンスの最盛期から翳りまでを詳述する。
感想・レビュー・書評
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上巻の頭で中断。またときがきたら読もう。
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下巻はさらにおもしろかった。宗教改革の経緯と反宗教改革の対応の話。舞台が欧州各国に広がり、なぜ改革が起きたのか/起きなかったのかの考察がわかりやすかった。上巻下巻を通じて説明のうまさはほんとすごい。
人の描写がはっきりしているのも良いところ。教皇が変わるとローマの政策も大きく変わるが、教皇の出自が描かれているので納得できる。新教でも明るいルターと暗いカルヴァンの違いが良くわかった。芸術家ではミケランジェロの讃え方がいい。 -
人物中心で記述されてるので、あまり知らない宮廷人(カスティリオーネぐらいは聞いたことあるけど)の人物評が続くような中だるみはあったが、下巻も面白かった。
ルネサンスの歴史といっても、16世紀末まで(ジョルダーノ・ブルーノの火刑まで)を扱っていて、長いのである。
政治、宗教、文化、各方面からの視点に気が配られており、分かった気になれる。また、イタリアの歴史が対象であるが、宗教改革やフランス、スペインによる統治の時代ということもあり、欧州各地の記述も豊富で、ページの半分ぐらいは他国の情勢に割かれている。
特に宗教改革と反宗教改革は詳細で、ウィクリフやフス、イエズス会のロヨラにもそれぞれ章が割かれている。
自分はカトリック、メディチ家に同情的なので、教会世界が分裂し、イタリア半島がスペインの支配下に置かれるようになる下巻は、若干切ない気分で読んだ。 -
古典の復活はルネサンスの一側面にすぎない。天才たちが活躍する社会的要因に注目し、史上最も華やかな時代を彩った人間群像を活写。〈解説〉澤井繁男