夢も定かに (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2016年10月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784122062986

みんなの感想まとめ

舞台は奈良時代の平城京、後宮で働く女官たちの青春物語が描かれています。主人公となる三人の采女は、それぞれ異なる背景を持ちながらも、権力争いや嫉妬が渦巻く宮中で日々奮闘し、成長していく姿が活き活きと描か...

感想・レビュー・書評

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  • 奈良の平城京を舞台に、宮仕えの女官たちの悲喜交々を描いた宮廷もの。連作八話の構成となっております。

    時は聖武天皇の御世。阿波国から上京してきた采女(うねめ)の若子は、同室になった男勝りの頭脳派・笠女と美貌&魔性の魅力で男性にモテモテの春世と共に、各々の役目に勤しむ日々。
    ところが権力争いと嫉妬渦巻く宮中は騒動が絶えなくて・・。

    時代小説の女性キャリアものというと、平安京が舞台の宮中ものや江戸時代の大奥といったところが主だっていると思いますが、本書は奈良時代というあまり馴染みがない時代設定ということもあり、興味深く読ませて頂きました。

    ストーリーは若子・笠女・春世の三人の采女(うねめ:地方出身の下級女官)を中心に展開するのですが、彼女達の働きぶりや中央氏族出身の女官・氏女(うじめ)たちとの確執、さらには藤原氏と皇族との権力争いに巻き込まれたり等々・・日々の宮廷ライフを通して三人の成長や友情が活き活きと描かれております。

    登場人物達の台詞がライトな口調なので読みやすいですし、澤田さんならではのしっかりとした時代考察が活かされた、歴史上の人物との絡みも楽しめます。
    因みに、解説によるとメインキャラの三人の采女も実在モデルがいたようでその辺も注目ポイントですね。

    ということで、平城京の宮廷の雰囲気を味わいながら、若子たちの青春物語を楽しませて頂きました。

    ところで余談ですが、飛鳥~奈良時代といえば、かなり前に『天上の虹』という持統天皇を主役にした漫画を職場の同僚に借りて読んでいたのを思い出した私。
    件の同僚とは職場が別になったので、漫画も途中の巻までしか読んでいないのですが、本書を読んで改めて『天上の虹』を読みたくなった次第です~。
    (ちゃんと完結まで読みたいな・・てか、完結してますよね?)

    • しかのなっちゃんさん
      あやごぜさん、こんにちは。私は今、澤田瞳子さんの奈良時代の本が好きで、何冊か読んでいます。こちらの本も興味を持ちました。里中満智子さんの天上...
      あやごぜさん、こんにちは。私は今、澤田瞳子さんの奈良時代の本が好きで、何冊か読んでいます。こちらの本も興味を持ちました。里中満智子さんの天上の虹、私も大好きです。この漫画で飛鳥、奈良時代に興味を持ちました。私も途中までしか読んでいないけれど、完結しているのかしら?また読みたいです。
      2025/10/24
    • あやごぜさん
      しかのなっちゃんさん こんにちは♪

      本書は澤田さんの時代モノの中でも、ライトな語り口の作品なので読みやすいかと思います~。
      よかった...
      しかのなっちゃんさん こんにちは♪

      本書は澤田さんの時代モノの中でも、ライトな語り口の作品なので読みやすいかと思います~。
      よかったら是非読んでみて下さいませ(^^♪
      『天上の虹』良いですよね~!
      ネットで調べたところどうも完結しているようなので、再読がてら最終話まで読みたいです(^^)
      2025/10/25
  • 奈良時代の女官たちの働きぶり。
    キャラ設定がわかりやすい歴史小説です。

    1300年前の平城京、聖武天皇の御世。
    宮廷を支える後宮には、多くの女性たちが働いていた。
    表紙のイラストのようなキャラ設定で、読みやすい。
    おっとりした若子が上京し、しっかり者の笠女、色っぽく可愛い春世と同室に。
    3人とも10代後半で、地方の出身。
    若子は出仕するはずだった妹の代わりに急遽仕事に就いたため、覚悟も準備も出来ていなかったが…

    後宮には12の司(部署)があり、13歳から30歳までの女性が登用される。
    地方の豪族出身だと采女(うねめ)になり、畿内の貴族出身の氏女(うじめ)とは身分の差があった。
    総合職と一般職みたいな感じ?
    氏女からのいじめみたいなこともあったり(笑)

    若子は膳司という職場に配属され、食事の世話をする、といっても料理ではなく主に貴人に食事を運ぶのが仕事。
    仕事があまり向いていないと感じ、将来も思い浮かばない。
    春世に相談したところ、結婚相手を見つけてもいいと勧められるが…?

    笠女は、書司に勤めていて優秀、忙しい時期に男性のする仕事を頼まれて立派にこなすが…
    縫司に勤める春世はもてまくり、浮名を流す目立つ存在で、貴族の愛人となって子供も生んだが、子供は本妻に育てられている。
    春世の本心は…?

    藤原家の有力者である四兄弟と長屋王の権力争いが続いている時代。
    どの妃が先に男子を生むかどうかが、勢力図を大きく変える。
    3人の娘たちは妃に仕えているわけではないので、直接は関わらないが、やはり影響は出てくるようです。
    後に疫病がはやった時代を「火定」で骨太に力強く描き切った作者。
    これはまだ、そういう事態になる前、ある意味では平和な時期の物語ということもあり、雰囲気は全く違います。振れ幅大きいですね。
    時代考証が詳しい分、最初はわかりにくい部分も、しっかりした背景の裏付けで、読みごたえにつながっています。

    藤原四兄弟はのちに疫病で死んでしまうのだが…
    娘たちは藤原家とも関わりながらも、働き続け、生き延びる。
    それぞれに生き方を探してあがく娘たち。
    実はちゃんとモデルがいるというのが面白く、笠女のモデルなどは高位にまで出世し、長生きしたこともわかっていたり。
    全く違うようで、現代にも通じるような、女性のつらさ、いやむしろ、たくましさ。
    あっぱれです☆

  • 1300年前の奈良時代に後宮があって当たり前、なのに今更ながらの認識で恥ずかしい。政治の頂点が聖武天皇にあり、その生活を円滑に進めるための官僚集団みたいな部署が後宮には12司あった。そこで働くワーキングガール3人の女官の物語だ。女官は地方豪族出身の采女(うねめ)と中央貴族の子女である氏女(うじめ)で構成されていて役職も付いた。主人公となる3人は采女で地方出身者。畿内を中心にして形成された古代国家は各地域を征服していく中で、地方の豪族たちからその子女を差し出させている。女性は采女、男性は兵衛として天皇に仕えた。武芸に巧みな兵衛に対し、采女の推薦条件は13歳以上30歳未満で形容端正の容貌が重視された。若子たち3人の采女には実在のモデルがいると解説にあり、身近に感じられる。
    3人の内、若子は帝の食事を司る膳司、笠女は書司、春世は縫司。後宮では、首天皇(聖武天皇)を中心に、長屋王を中心とした皇族派と4兄弟を中心とした藤原氏の権力争いが絶えない。この2派に属するそれぞれ帝の妃のどちらが先に皇太子を産むかで権力構造が変化する。
    後宮を舞台にした物語だが、帝の寵を競う貴妃たちの小説ではない。その後宮の中で官吏として生きる采女たちのお話である。華やかな後宮のただ中で、夢も定かに見られぬ身だからこそなお、自分たちは各々の生き方を全うするため、あがき続けずにおられぬ。いつか夢を掴むその時まで。

  • "しかしこの華やかな後宮のただ中で、夢も定かに見られぬ身だからこそなお、自分たちは各々の生き方を全うするため、足掻き続けずにはおられぬ。いつか、夢を掴むその時まで。"

    奈良時代。聖武天皇の頃。平城宮に仕える采女たちの物語。
    メインの登場人物は3人。それぞれモデルとなった実在の采女がいる。
    采女、という音の響きでは想像がなかなかつかないが、彼女たちはバリバリの官僚である。
    明日はどうなるかわからない。それは奈良時代の後宮でも変わらない。
    信念を変えず、しかし時に変化させながら生き抜いてやる。自分を守れるのは自分だけなのだからという、女性官僚たちの物語。

    そして、ラストは長屋王の変の2年前で終わる。彼女たちがどう生き抜いたのかも知りたくなった。
    また澤田さんの本を読みたい。

  • 舞台は平城京、後宮で働く女官達を描いた宮廷青春小説。
    古代といっても、女の持つ悩みに時代は関係ないのだなと改めて考えさせられる。過酷な仕事で逃げたくなっても、実家にも居場所はない。行き場のない思いを抱えながらも、腹を括るしかないわけで…腹を括ってからの女子達の成長っぷりが眩しい。時代を超えた女子の普遍的な悩みが今っぽい会話でライトに楽しめるから、古代に馴染みのない方にも取っつきやすいかと思う。メイン登場人物の女子トリオは采女(地方豪族の娘で下級女官)。対して、氏女は畿内豪族の娘。相容れぬ関係の采女と氏女を、解説ではノン・キャリアとキャリア…とわかりやすく例えており、そう捉えると更に古代が身近に感じられる。
    藤原四兄弟と皇族の対立など、史実もしっかり取り入れてきているので、勿論古代史ファンにも楽しめる。この時代のお菓子等、フード描写にも興味津々。
    当時の女性は、現代とは比べ物にならないくらい枷の多い、ままならない生き方を強いられていただろう。それでも、己の才覚で世を渡っていくこともできなくはないのだ。そんな可能性を示され、現代の世に生きる私達も勇気をもらうことができた。

  • 奈良時代、三人の采女たちの青春群像劇であり、難しく弱い立場で生きねばならない彼女たちの、意思と強さの物語。

    宮人である彼女たちの、現代の会社勤めに通じるような人間関係や様々な縛り、男女の差、その中でもがきながら友情を育む様がよく、終盤での大きな権力にしたたかに舌を出して守るべきものを守る姿に感動した。というか、素直におもしろいし泣ける!

    そして古代史専攻の作者のこと、時代考証もしっかりしていて勉強になる。特に彼女たちのモデルがいて、その記録に触れ、作品がまた広がる感じがよい。
    (その後の大事件や疫病を思うと……な部分もあるけどそれも含めて)

  • 読みやすいライトノベル風。
    若い人に平安時代のドロドロの入り口に
    なればいいね。楽しいよ。
    藤原4兄弟の粛清の嵐スタンバイ時代。
    あのオチは優し過ぎないか?

  • いつの時代も女はすべてと闘っている。
    友のために、家族のために、愛する人のために、なにより自分のために。

    ラストまで読んでタイトルの意味がすっと落ちてくるところもまた良い◎

    1300年前の彼女達もがんばっていた。
    残念なのは1300年経っても同じ理由で泣かなければならない女がいることかしら。

    嘆いてばかりはいられないから、せめて1300年後の後輩達のために、私達はまだ闘わなくては。

  • 平城京の後宮で働く女の子3人のお話。
    名前に馴染みがないので馴れるまではちょっと大変だったけど、話はとにかく読みやすかった。
    3人にそれぞれモデルがあるから、読了後、思わずwiki読み漁ってしまったわwww

  • 少女たちのお仕事青春小説かと思っていたが、内容はもうちょっと大人だった。
    地方豪族の娘は郷里においては名家のご令嬢でも、中央に出てくれば田舎娘。
    畿内豪族の娘との格差もあり、女性が職を持つといってもひとりで生きていくことは難しい。

    若子は妹の代わりに急遽出仕が決まり、何の覚悟もろくな準備もないまま出てきたために仕事にも慣れずどこかふわふわしている。
    それが現実を知ることにより自分の生きる道を見つける。

    能力も高く男性に交じって仕事をしたいと思う笠女も、いざ男性官僚の能力を超えられると知られれば女だからとはじかれる。

    恋愛に奔放な春世はそうしなければ生きていけなかった。
    誘いを断っても受けても何か言われ、女からはやっかまれる。
    子供だけが支えだが、ともに暮らせなくても仕事を続けるのは彼女なりの矜持だ。
    最後に本当の愛を見つけられたようだがそれも長く続かず、一番世間に翻弄されたように見えた。

    夢も未来も定まらなった少女たちが、己の道を見つけて成長していく物語に、当時の宮廷の様子や権力争いなどの政治的な話も加わってとても面白かった。
    解説には主人公たちのモデルらしい人物の話もあり、そちらも読みごたえがあって良かった。

  •  奈良時代の宮仕えの采女、若子・笠女・春江を軸とした青春小説。十代の女の子が主人公とは言え、話は政治に情欲と生々しく実に古代らしく良い。三人それぞれキャラは立っているものの、あまり感情移入できず、小説の評価としてはまずまず。心情描写はしっかりしているが、事件に重点を置いているからか、事の重大さに比して軽い。これが当時のリアルなのかもしれないが。
     各短編の中で群を抜いて好きなのが「藤影の猫」。最近よく落語をきくが、まさに落語の人情噺のような温まる落ち。不遇をかこつ采女のささやかな抵抗といたずら。籠の鳥と自身の境遇を重ねる表現に心を掴まれる。皇女目線では敵にあたる藤原房前にも人の心と流儀があり、完全な悪人ではないのも良い味となっている。

  • 因幡八上采女は、鳥取の万葉記念館でも、UFOみたいな形のしたお墓が展示されている。(記憶はあやふやである)
    この三人の才女に注目して、それを見事に書ききった作者の力量に脱帽だし、この三人でもっと長いストーリーを読みたかった。
    タイムスリップしたような……とは安易な言葉だけれども、それ以外に見つからないくらい、実に楽しんで読めた。

  • 平城京の後宮に務める采女達の物語。
    主人公達が10代だからラノベな雰囲気が満載だけど、人生50年時代の10代は今時の10代と違うし、地方から単身上京の寄る辺無さは現代に通じるか。
    実在の人物をベースに造形されてて、周辺人物達(聖武天皇とその妻子、藤原4兄弟や長屋王ら)とその情勢は史実にかなり忠実。奈良時代の後宮を舞台にした話ってのが、まず貴重よね。
    地方豪族の娘は「采女」、機内氏族の娘は「氏女」。キャリアとノンキャリ並みの待遇格差があったとは知らなかった。

  • 表紙は苅田ほんとは違いますが、作品のイメージをうまく表しています
    田舎豪族の娘が宮中で生きていくさまですが、気分はクララ白書(氷室冴子)みたいに、若い女子の本音あふれる展開が面白いのですが・・・ラストが唐突すぎるなあ
    あと二話くらいあった方が・・・続編あるかな?

  • 歴史の表舞台に立つ人たちの話ではないけど、ちゃんと実在のモデルがいるところが、単なる物語(作り話)に思えなくてワクワクした。奈良時代って、平安時代よりも帝や妃との距離が近いのかな?

  • 平安時代の小説はよくあるけど、奈良時代のお話ってあんま見ないな?とおもいまして、発売してからずっと気になってた本。やっと読めた。
    専門用語が意外と多いし、人名も覚えにくいかもですが、内容はわかりやすいのでサクサク読めました。
    いつの時代も女は強い!
    男に頼らずに生きれる強さ、うちも身に付けたい。

  • 聖武天皇の御代、つまり奈良時代を舞台にした本作。
    珍しいところに題材を取ったものだ。
    それもそのはず、著者は日本古代史を専攻していたというではないか!
    始めに慣れない読み方の登場人物や女官の位、皇族の名前などが一覧になっている。
    これは親切に、ありがとう、たすかります。
    これがないと読めないのだ。
    馴染みのない、采女やナントカの司(職場名)など、慣れてしまえば物語の面白さに気にならなくなるが、慣れるまではこの箇所に何度も戻る。

    18歳でもはや行き遅れ、10代で子を成すのは当たり前、愛人にだってなる。
    しかし処女信仰はまだなく、皆が性に奔放。
    かと思えば、男性も女性もキャリアを積めるのに、女性にはガラス(このころは玻璃かな?)の天井があり、生まれによってさらに二重三重に重なって行く手を阻んでいる。
    それがわかるのが、笠女が主人公になる章。
    現代女性も、残念ながら、頷けてしまうかもしれない。

    春世の物語は、政争に巻き込まれ、自らの子を本妻に取られ、息子自身も実の母より今の高貴な暮らしを望むというある意味悲惨なものだ。
    しかし、志斐弖と海上女王の姿に救いを見出せた。

    女性は男性になろうとしなくていい。
    それをしなければ自己実現できない事だってあるだろう。
    だが、なぜ二つの性があるのか。
    それは、互いが互いを認め合い、補い合うためだ。
    古と今。
    この共通点から学べることは何か。
    本書は古に言葉と姿を借りた、現代に生きる人々へのエールなのだ。

  • 巻末には宮廷青春小説とありますが、少女が大人になっていく日々を描いた物語。
    女職場ならではの対立やら陰口や、将来への漠然とした不安など、どこかにありそうな話もたくさん。

    ただし、主人公たちは、後宮で働く采女たち。
    聖武天皇の御世、藤原四兄弟と長屋王をはじめとする旧勢力の対立など、昔、日本史で聞いたような話が背景になっています。

    女同士の軋轢やらなんやらを超えたところで、自分の力でどうこうすることのできない世の仕組みに直面した時、身一つになってでも、凛として生きようとする姿は、やっぱり私にとってのエールです。不条理に出会い非力さを思い知るのは、女性が故とは限らないとも思うのですが、女性ならではの不条理を知っている分だけ、女性の方が強いのかも知れないです。

    お気に入りは、ぽやぽやとお菓子を食べて日々を送っているかのようなあの人のすごみのある決断で物語の幕が下りるところ。私にもずどんと渇が入りました。

  • 聖武帝の時代。長屋王事件前夜の平城京を舞台に、3人の采女たちを中心に紡ぎ出される日常を描いている。
    解説によれば、それぞれモデルがいるらしい。粟国造若子をモデルとした若子、飯高君笠目をイメージした笠女、そして藤原麻呂の子を産み、安貴王に愛され万葉集にも歌が残る因幡八上采女。

    この小説の舞台の後、安宿媛の産んだ基王子が亡くなり、長屋王が国家転覆を諮ったとして邸宅を囲まれ、妻の吉備内親王とともに自殺。またこの事件を主導した藤原四兄弟は天然痘で次々と世を去る。
    それらの前哨戦としての藤原家と長屋王の諍いや、井上内親王の伊勢下向などが描かれており、緊張感を持って終始読み進めることができた。
    長屋王が好きなので、そこまで描かれなかったことに胸を撫で下ろした。

  • ☆4のつもりだったが、最後まで読んで☆3にした。

    元々古代の女性官僚について卒論執筆にあたって細かく調べたこともあり、するする読めるし理解も早かった。笠女(笠目)だけその人生の全貌を知っていたため、誰かの妻となったり女を使って出世したりしない部分をもって肩入れして読んでいたが、結局笠女のターンは少なく、その後の出世っぷりも描かれなかったのは残念。

    とはいえ若子や春世までしっかり実在していたとは。彼女たちの子供についても調べると面白かった。また『万葉集』の授業をとっていたため、小鹿の登場もなんだか嬉しかった。

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著者プロフィール

澤田 瞳子(さわだ・とうこ):一九七七年京都府生まれ。二〇一〇年に『孤鷹の天』でデビュー、同作で中山義秀文学賞、一三年『満つる月の如し 仏師・定朝』で新田次郎文学賞、一六年『若冲』で親鸞賞、二〇年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、二一年『星落ちて、なお』で直木三十五賞を受賞。『火定』『名残の花』『輝山』『月ぞ流るる』など著書多数。


「2025年 『東海道綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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