考えるマナー (中公文庫 ち 8-3)

  • 中央公論新社
3.16
  • (11)
  • (26)
  • (72)
  • (23)
  • (2)
本棚登録 : 786
感想 : 58
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122063532

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 様々なシチュエーションの「マナー」について、見開き1ページの短さで作家たちのエッセイが読める。

    たまにはエッセイを読もうかな、誰のエッセイを読もうかな、と悩んでいる時は、こういう短いエッセイ集が嬉しい。一つ一つが短くてすぐ読めるし、なんと言っても作家さんたちの言葉選びや視点なんかも楽しめるし。

    マナーってなんなんでしょうね。ほんと、結局のところ互いに共有していないとマナーになりきれない気がしますね。難しい……。

  • 男女問わず、作家、タレント、エッセイストなどなどのエッセイ集。
    女性は、ムカッとしたりモヤッとしたりした日々の何でもないことを、割とあっけらかんと素直に書いている印象だけど、男性ってほんとはムカッ腹たってるだろうに全然気にしてないよ、そもそもそんなこと書いたら品がないじゃない?ってカッコつけてる感じがしてかわいい。要するに、詮ないことは、書かない言わない方がいいみたい。そっちの方がかわいい。そして、存じ上げないのだが、穂村弘氏が好きになった。

  • 劇団ひとりや三浦しをんの話は良かったが、ほとんどは興味が惹かれず、最後の方は読み飛ばしてしまった。

  • やっぱり三浦しをんの思考は面白い

  • マナーの本、と言うよりも、マナーに関するエッセイが集められた本である。一つのマナーに対して見開き2ページの長さ。簡潔で、時にユーモア満載、時にはっとした気づきをもたらすエッセイの数々、満足して楽しく読んだ。いろんな作家の作品が手軽に読めるのも魅力。

  • 時折笑ってしまう箇所がいくつかあった。

    マナーについて考える機会はあまりなかったので、新鮮だった。

  • マナーを考える。
    そんなものわかるか、ばか。と言いたいような浅薄な人間ですが、ただ誰のためでもなく、趣味のように「考える」ひととき。
    そんなのって、自分で作らなきゃ一生出会わないよね。ちょっとだけ楽しさを思い出せる。たくさんの、宝物のような、言葉。

  • *五本指ソックスのはき方からオヤジギャグを放つ方法まで、大人を悩ますマナーの難題に作家や芸人十二人がくりだす名(迷)回答集。座を温めたい、のどかに生きたい、美を匂わせたい…この一冊が、日々の小さなピンチを救う。笑いながら粋な暮らしのヒントが見つかる、新しいマナー考*

    それぞれの著者が、一つのマナーについて見開きの2頁で見解を述べているエッセイ集。

    ぱらぱらと気楽に読めるのに、ほほうと感心したり思わず噴き出したり、なんだかお得な気分になります。
    そしてみなさんさすがプロ、たった2頁で起承転結&オチまできっちり。良質な小話が満載です。

    その上、書いているのが大好きな作家さんばかり。
    穂村弘さん、町田康さん、三浦しおんさん、津村記久子さん、井上荒野さん、平松洋子さんのエッセイが一堂に会しているだなんて、本当に夢のよう…
    私にとっては贅沢過ぎる1冊でした。

  •  人前で物事を発言する際のマナーというものがある。しかし、個人的な日記など、自分が自分に対してだけ発言することにまつわるマナーは特にない。マナーを守って共感を得るか、好き放題に立った一人で考えるか、どちらがいいとは言えないけれども、「誰にも言わない」ことの内実は、大半が降らないが、たまに豊かで、常に自由である。必ずコメントを付けてくれる先生は、もういないのだし。(p.39)

     相手に無用の緊張を与えないためにも、どんな語彙も平板に発音するよう心がけ、例えば、テポドン、といったような語彙も、普通に最初の音節を高く発音すると深刻で、嫌な気持ちになるので、これも平板に、牛丼というのと同じ調子で平板に発音するべきで、そうすることによって嫌な気持ちが薄らぎ、その結果、誰も責任を取らなくてよい、明るくリラックスした楽しい社会が実現したような気分になれるのである。(町田康p.47)

     当たり前ではあるが、ラジオは音のみで表現しなくてはならないので、「実家から、こんなに大きいジャガイモを送ってきた」と身振りで喋ったとしても伝わらないので「実家から木魚ほどの大きなジャガイモを送ってきた」など比喩を使ってリスナーにその大きさを想像してもらわなければならない。
     しかしながらゲストで来るミュージシャンなどはそんなことまで考えてくれるはずもないので「この前、このぐらいのカナブンがいて!」と興奮気味に話している、その横で即座に「ほう。500円玉くらいの」と比喩して、さらに「それが、ここに飛んできて!」と盛り上がるゲストの話を止めないようにして「ほう。鼻の下に!」と解説する必要がある。(劇団ひとりpp.214-215)

     面白い話などなくても、人は息をしているだけで笑える。馴れ合うのではなく、いつも初対面のつもりで息をのむ。二話目っこもそうだが、何もしない顔というのが一番面白い顔で、ただ見ているだけでも「ぷっ」とふき出せる。(高橋秀実p.239)

     もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。—この魯迅の名言の中の「道」は、理屈など関係なく、幾分マナーに通じるのではないかと、そんな気がしてきた。(楊逸p.296)

  • 作家や芸人、哲学者等12人の著名人がマナーをテーマに書き綴るエッセイ集。

    マナーといってもシチュエーションは千差万別。
    買い物やお辞儀、SNSなど「マナー」がありそうなものを
    テーマとして取り上げることもあれば、
    「居留守のマナー」「最弱のマナー」など、それは最早マナーなのか、と思われるものがテーマとして取り上げられることも(というかそちらの方が多い)。

    はては「ルールのマナー」や「マナーのマナー」なんかもでてきてマナーがゲシュタルト崩壊。

    たまに佐藤優や楊逸(敬称略)あたりが深イイマナーの話をしてくるが、基本的にはクスッと笑える話がほとんど。
    肩肘張らずに読める系。

全58件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい)
1937年横浜生まれ。画家。作家。路上観察学会会員。武蔵野美術学校中退。前衛芸術家、千円札事件被告、イラストレーターなどを経て、1981年『父が消えた』(尾辻(★正字)克彦の筆名で発表)で第84回芥川賞を受賞。著書に『自分の謎(★正字)』『四角形の歴史』『新解さんの謎(★謎)』『超芸術トマソン』『ゼロ発信』『老人力』『赤瀬川原平の日本美術観察隊』『名画読本〈日本画編〉どう味わうか』。また、山下裕二氏との共著に『日本美術応援団』『日本美術観光団』『京都、オトナの修学旅行』などがある。2014年逝去。

「2022年 『ふしぎなお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

赤瀬川原平の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
エラ・フランシス...
西 加奈子
瀧本 哲史
夏目漱石
恩田 陸
伊坂 幸太郎
スティーヴン・ガ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×