痛みかたみ妬み 小泉喜美子傑作短篇集 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2017年3月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784122063730

みんなの感想まとめ

人間の本能や感情を掘り下げる作品群が魅力的で、特に女性の視点から描かれる深い共感が印象的です。著者は、女を理解し、愛し、厳しくもある姿勢を通じて、読者に自らの内面を見つめ直す機会を提供しています。生物...

感想・レビュー・書評

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  • 小泉喜美子は女である。女を理解し、女に共感し、女に厳しく、なお女を愛している。
    自分ですら気づかない、生物学的レベルでの本能が掘り起こされていくようです。誰に教わったでも何かに影響されたでもない、生まれ持った感情、感覚。決して自分だけではありません。同じ種属の秘密を共有できたような喜びもありますが、それを抱えたままで生きるのに耐えきれるかと挑戦されているような気にもなります。
    …というのが表題作3作で、もっとライトなジュニア向けの作品も多数。日下氏の解説は小泉喜美子作品収集の手がかりにもなり、在りし日の活動を知れるのも嬉しいです。しかし本の帯がいただけない。ただイヤな話のイヤミスがごろごろあるのに、この抜群にハンサムな女性作家の作品を同じ単語でくくらないでいただきたいものです。

  • 浮世離れしているのが良いのだ。フィクションでエンターテイメントなのだ。そういう作者の姿勢が作中人物の言葉を借りて表される。『…そんな血なまぐさい殺人事件は、新聞の三面記事をひろげればいくつもころがっているでしょう』と言い、『…こういうすてきな、きれいな殺人事件とその謎ときのお話が大好きなのです』

  • 「どんでん返しのある本」というコーナーで見つけました。どんでん返しというよりは帯にもある通りイヤミス……という感じでしたが、いかんせん古い!
    どれも読みやすかったのですが、「古いなあ……。遅すぎたな、読むのが」とずっと思っていました。

  • ミステリ短編集。わりとシンプルであまり凝ってはいない印象だけれど。だからこそ、ラストの展開であっと言わされる面があります。時代の古さもあまり気にならない感じでした。
    お気に入りは「またたかない星」。そうか、こういう結末もありかあ。もやもやして気持ち悪いのだけれど。それもまた印象的でした。
    「切り裂きジャックがやって来る」も好き。考えようによってはとても単純だったのだけれど。案外と気づかなくってラストで驚かされました。

  • 事前の情報なしで読んだ本。
    文体や設定が古いなーと思っていたら、本当に昔の作家の復刊だった。
    再評価されている作家のようだが、好きな文体ではない。かなり読みづらかった。もっと有名な作品から読めば違う印象かもしれないが…。

  • 再評価が進む小泉喜美子の短編集が中公文庫より復刊。
    これは面白かった! ヘタに内容に触れるとネタバレになりそうなので漠然としたことしか書けないのが悔しいが、何故、今まで埋もれていたのか不思議なぐらい。
    表題作になっている『痛み』『かたみ』『妬み』も良いが、一番好みだったのは『影とのあいびき』。

  • 「痛み」4…不良少女の三角関係
    「かたみ」4…昔の男が忘れられない社長夫人
    「妬み」3…舞踊家と文学者
    「セラフィーヌの場合は」3…記者と大使館員夫婦
    「切り裂きジャックがやって来る」3…入院患者と医者
    「影とのあいびき」3…女形に惚れた石油王
    「またたかない星(スター)」4…アイドル軟禁、リドル
    「兄は復讐する」3…歌手を目指し上京した妹
    「オレンジ色のアリバイ」3…デザイナー虹丘梨路の名推理
    「ヘア・スタイル殺人事件」2…美容院が舞台。解決が唐突なのは懸賞小説だったため

  • 小泉喜美子の復刊が続いていて、嬉しい。さすがに古さを感じるものもあるけれど、道具立てや展開はあくまで小粋で、切れがいい。
    「ダイナマイト円舞曲」も読みたい!復刊していただきたい。

  • 息詰まる駆け引き、鮮やかなどんでん返し。人生の裏も表も知る大人のためのミステリーがここに。入手困難・幻の短篇集の増補新編集版。〈解説〉日下三蔵

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著者プロフィール

1934 - 1985。推理作家、翻訳家。1963年に『弁護側の証人』でデビュー後、多くの作品や翻訳を手がけたほか、ミステリーに関するエッセイなども。歌舞伎好きとしても知られ、論考を残している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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