天盆 (中公文庫 お 91-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064294

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  • 将棋のような盤戯、天盆。平民であれどこの盤戯ひとつで国を動かす地位につける可能性がある。
    頂点を目指す彼らは、ただの私欲のものもある。地位そのものが欲しいのではなく、地位に着くことで得られるこの腐敗した国を変える力が欲しいものもある。思惑はそれぞれ。

    凡天はただこの盤戯を楽しみ夢中になり追究するのだが、いつしか家族の希望となり平民たちの希望となってゆく。

    実際将棋で、終局が見えて尚くつがえせるものなのかはわからないけれど
    、諦めない気持ちの熱さを感じた。


    全員血の繋がりがない、それがなんだと母は言う。これを心底すごいと思った。

    このところ家族ってなにかね?と考えさせられる本によく出会う。
    「流浪の月」「52ヘルツのくじらたち」
    家族のかたちはそれぞれ、血縁に拘らず、モヤモヤせず家族だと言える繋がりが誰にもありますように。

  • 面白いしさくさく読める。温かくて優しい物語だけど、意外な驚きや胸に突き刺さるようなところは、、なかったかもしれない。

  • 生き様をかけて、打つ。
    とあるが、何をかけているのか今一つ。

  • 「青の数学」が面白かったので手にとってみた。

    天盆とは日本でいう将棋みたいなもの。
    物語の終盤まで天盆にのめり込み、子供ながら無類の強さへ成長していく末子の凡天の向かうところと、家族の絆(とくにあのだらしなく見える父がね)に感動。

    凡天が天盆を制覇した後のドラマチックな展開を期待し過ぎたのかもしれない。

    ただ、純粋で美しい物語だった。

  • 架空の盤戯と、架空の国と、色々1冊に入れ込んでいるからお腹いっぱい。試合展開は集中してもなかなか想像が追いつかず…
    でも、少勇はダメおやじなんだけど芯はかっこいいなぁと思った。凡天に対しては天盆ラブしか特徴がなく、なんの感情移入もできなかった。

著者プロフィール

一九七八年八月、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。二〇一四年、第十回C★NOVELS大賞特別賞を受賞した『天盆』(「天の眷族」を改題)で鮮烈なデビューを飾る。著書に、奇病に冒され、世界中を跳躍し続ける少女の青春を描いた『マレ・サカチのたったひとつの贈物』(中央公論新社)、本の雑誌社『おすすめ文庫王国2017』でオリジナル文庫大賞に輝いた『青の数学』(新潮文庫nex)がある。

「2018年 『マレ・サカチのたったひとつの贈物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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