Red (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.62
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本棚登録 : 428
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064508

感想・レビュー・書評

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  • ぐいぐい惹き込まれて読んだけど、主人公の息苦しさみたいなものが伝染して、なんだか生々しくて、読むのにパワーが要る。
    女性の生き方について考えてしまうけど、それ以上に、人は皆さみしいものなのかな、と思う。

  • 不倫は辛そうだ。子供がいたら尚更。
    終わる時が特に辛そうだ。

    私は結婚して7年経ちますが、夫以外に、本当に好きな人が出来てしまったらどうしよう。と何回も考えた事があります。
    好きになって関係を持つまでは躊躇なく進みそうですが、その後が本当に面倒くさそう。

    そして最近強く思うこと。
    うちの夫はめちゃくちゃいいヤツだ。
    本書を読みながら、主人公の旦那みたいな人だったら、私はもって5日くらいだろうなぁと、夫の有り難みを噛み締めました。

    でもやはり、本当に好きだと思える人と出会ってしまったら、私はアッサリとその人の所へ行ってしまう気がする。

  • 3.5。
    途中、官能小説を私は読んでいるのか?と錯覚するくらいだった。
    不倫のお話。主人公もやたら恋に落ちやすいけども、旦那が、まあ兎に角イライラした。
    エピローグ読んでちょっと旦那許せたけど。

  • 島本理生さんの作品の、一つの完成形だと思った。
    精緻で、それでいて説明がましくない描写、感情の機微の正確さ、「不倫は悪」と言い切ってしまわない甘さ、すべてが心地よくて心から共感するシーンが多かった。

    エピローグから、負の連鎖、というか、家庭環境に問題を抱えて育てられた子のそのまた子の家庭環境、の整備の難しさみたいなものが感じられて、賛否両論はあるかもしれないけれど、実は表面化しきっていないだけで、あちらこちらの家庭に起こっているある種の問題なんじゃないかとも思う。
    特に女同士の関係は。

  • こうすべき、こうあるべき。
    それが正解。
    生き方に、それはあるのだろうか。

    常識的に考えて、
    そうすべきでない、とは
    思っても、こうしたほうがよい、
    と、わかっていても、
    そうできない。

    その苦しみ、葛藤が、とてもていねいに
    美しい文章で書かれていた。
    読後、どうしようもない寂しさが
    感じられたのは、登場人物一人一人への
    共感なのかもしれない。

    共感させられるような作品だった。

  • 読了。飛ばし読みであるが、最後まで読んだ。官能箇所はしっかり読んだ。妻が不倫する話である。2,3ヶ月前に、見つけたが、購入する気まで起きなかった。今回、また平積みされていた。今回は購入できた。不倫した女性の主人公の視点のまま、読み進めていけた。その女性の気持ちになれて良かった。

  • 表面化した問題から目を背くことは出来ないものだなと思った。
    塔子の選択が気になって、イッキ読みしてしまった。
    不倫という社会的に許されない行為であるのに、どこか許してしまいそうになるくらい、塔子の満たされなさが伝わってきた。
    読み始めた時には想像出来ないラストだったけど、前を向いた力強い女性が描かれていて、清々しい気持ちになれた。

  • Red。島本理生さんの作品。イノセントというこれまた異質な作品から入ったが、Redはこれもまた異質であった。
    島本理生さんは、女性の心理的本質を物語の主軸において書かれるのが非常に上手く、今回も浮気をテーマに、女性の心理をドラスティックに描写されていた。今回は特に官能的な部分を描写されており、なかなかディープな内容となっている。
    塔子の周囲には、夫である真のほかに、友達の結婚式で一緒になった元彼の鞍田がおり、塔子はどろどろの関係に巻き込まれていく。その他にも緒方という男が登場し、塔子は振り回される。塔子自身、父親が離婚して出ていくなど家庭環境も特殊であり、性格的にも色恋沙汰に心を動かされやすい。そのような中で決定的な浮気をしてから、自分の弱さを痛感し、とはいってもやはり男女の特別な引力には本能的には勝てず、自分を省みる。しかしそもそも塔子は冷静であり、それもわかっているのである。そして話はどんどんと深くなり、それに応じて心理描写もより詳細なものとなっていく。
    私はこの小説を読んでから不思議に思うのは、女性語りの小説で、官能系で、これほどまでに違和感なく読み進められたのは初めてなように思う。それくらい島本理生さんの言葉遣いや病者のビビッドさが高いということなのだと感嘆しています。

  • 読みやすく面白くて一気読みした。読んでいる最中、後は少し暗い気分に。

  • 夫と2歳になる一人娘がおり、夫の実家にて義母と同居する30歳の女性・塔子が主人公の物語です。
    「元気な娘がいて、友達のように気さくな姑と同居していて、夫にはそれなりの収入があって」という周囲からは幸せに見える塔子でした。が、その実はマザコン気味の夫に、同居する義母への気遣い、子育てに…と日々の様々なことへのストレスを感じやり場のない生活で、そんな環境なら不倫に走ってしまうのもわかるなーと思いました。

    感情の機微が正確で、塔子の心情なども読みやすく、それでいて不倫は悪だと全面的には言えなくなるような…そんな考えさせられる本でした。

    マザコンで、与えられるばかりで塔子には何も与えることのない、でもそれでいて悪気のない夫の言動にイライラしながらこうはなってはいけないなと思いながら読んでいました。が、その一方、娘の翠が可愛くて癒されました。

    濃密な性描写も多かったですが、精微で綺麗な文章で最後までスラスラと読めました。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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