- Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122064508
作品紹介・あらすじ
2020年2月、夏帆&妻夫木聡の共演で映画化決定!
夫の両親と同居する塔子は、イケメンの夫と可愛い娘がいて姑とも仲がよく、恵まれた環境にいるはずだった。だが、かつての恋人との偶然の再会が塔子を目覚めさせてしまう。胸を突くような彼の問いかけに、仕舞い込んでいた不満や疑問がひとつ、またひとつと姿を現し、快楽の世界へも引き寄せられていく。上手くいかないのは、セックスだけだったのに――。『ナラタージュ』の著者が官能に挑んだ! 著者最高傑作。
感想・レビュー・書評
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主人公の塔子と愛人の鞍田は、自分の性欲には全く理性が効かない変態にしか思えなかった。
塔子は結婚などしなくて、好きにセックス三昧に溺れたら良かったのに。
一番に思ったのは、親の勝手で心に傷を負った娘の翠がすごく可哀想であることだった。愛人に、わざわざ子供を逢わせるなんて、どういう感覚なのって腹が立った。
と、言いつつも話には引き込まれる作品だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なかなかのページ数だったのに、引き込まれるように読んだ。この本を好きだという男性がいたら君悪がられる程には女性特有の心の揺さぶりを巧妙に文章化していて凄い。
真っ直ぐな恋愛をできなかった人ほど共感してこの作品にも溺れてしまうのでは無いかと思う。
既婚後の女性(特にあまり旦那との関係が良く無い)には絶対にお勧めしたく無い一冊です笑 -
主人公の女性の流されやすい危うさと周りの男の軽薄さを感じながら読みました。
作者の伝えたいことが男の私にはよくわかりませんでした。
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賛否両論あると思う、というか大半の人には理解されないと思う。そもそも共感を得られて大絶賛されるような物語は、主人公と境遇が似てるとか、どこかしら考え方が似てるとか、感動秘話とか、不純ではない恋愛とか、そういうものだと思うから。
それでも私はこの人の紡ぐ文章に心揺さぶられ、胸が締め付けられ、はっとさせられる。どうしてここまで繊細に、女性の感情を描けるのだろう。まるで私なんじゃないかと思うような文章もあった。
タイミングやきっかけ次第で間違った道を歩む事はあるかもしれないし、始まりは意外にもあっさり簡単だと思う。
でもきっと終わらせるのはとても苦しいんだろうなぁ。そんな心配は杞憂だけど。
官能的なシーンも多かったけど、いやらしくなくて読みやすかった。普段の小説ならあまり気にならない様なドライブのシーンが印象的だった。スパルタカスの愛のテーマ。塔子はきっとこの曲を一生忘れないし、一生聴けないだろうな。
鎌倉の家で暮らす2人の幸せな未来も見てみたかったけど、やっぱりそんなに上手くいかないよね。
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結婚して可愛い娘がいて優しい旦那と友達のような姑と暮らす塔子は、側から見れば幸せいっぱいの女性。でも、塔子の抱えるものが、鞍田との再会により露わになっていく。
もちろん、塔子の言動を好ましく思わない人はいるはず。でも私は塔子の心の葛藤や抗えずに快楽を求めてしまった末の言動は理解できる部分もある。きっと小説として塔子の機微な揺れを著者から与えられるからだろうが。現実世界で自分が巻き込まれるとそうは言えない気がする(苦笑)それだけ人間の感情は一筋縄では理解できないものだし、いつ自分がそちら側に行くかも分からない。でも、塔子の姿を見ていて、自分を抑制する日々はいつか破綻するんだと思わされました。 -
主人公ですが
あまりにも流されすぎかと…
義理の親との同居、子育て云々
ストレスが溜まるのは分かりますが
元彼とだけじゃなく
職場の男性とも…
その彼とは最後まで行かずとも
読んでて、軽すぎる女性と
思わないでいられませんでした。
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最初の方は主人公の行動に怪訝に思っていたけど、読み進めていくうちにどんどん不倫相手も好きになってしまった。
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島本理生さんの作品を読むのは「ナタラージュ」以来。
ドキドキしましたね。あと恐怖も感じました。 -
”そんなにしょっちゅう女の人の機嫌とったりなんて俺にはできないよ。そういう男は他の女にもやってるよ”
”感情のコントロールが難しい分、仕事で救われるのはむしろ女の方かもな”
”人生でほんの一瞬でも本気になれたら充分じゃないの?”