十六夜荘ノート (中公文庫)

著者 : 古内一絵
  • 中央公論新社 (2017年9月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122064522

十六夜荘ノート (中公文庫)の感想・レビュー・書評

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  • お月様のように
    満ちていく時もあれば欠けていく時もある

    欠けている時は

    『色々なものを失ったり、手放したりしなきゃならないし、人から軽んじられたり、バカにされたり、自分が世間から"無用だ"って全否定されてるような気がするよな』
    -p288

    ただそんな欠けてる時も満ちていくための必要な時間と割り切って、この割り切ってができないからみんな苦しむんだよなー。

    雄哉の言うことや考えている事は間違っていない
    合理的だし、筋は通っている。
    だからこそ周りの人は正しすぎて厄介者扱いをしている。

    それを戦後苦しい時代を生き抜いた大伯母から
    伝えられるならわかるが
    大伯母玉青からメッセージを受け継いだ
    シェアハウスの住人たちから伝えられると言うのは
    予定調和過ぎて。
    【十六夜荘】を残すと言う事自体がメッセージというのはわかるが
    もう少し、写真や一編の手紙なり
    直接のメッセージは見たかったかも。

    それこそうまくでき過ぎか。

  • あらすじ(背表紙より)
    英国でこの世を去った大伯母・玉青から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、大伯母は面識のない自分に、なぜこの屋敷を託したのか?遺産を受け取るため、親族の中で異端視されていた大伯母について調べるうちに、「十六夜荘」にこめられた大伯母の想いと、そして「遺産」の真の姿を知ることになり―。

  • いやー、久々に良い小説、良い作家に出会えました。
    素晴らしい本です。十六夜(いざよい)荘、十五夜から欠けていく月が集まるところ…、人生も月の満ち欠けと同じ。満つる時もあれば欠けるときもある、でも欠けるときも悲しむことはなく、また満つるときに向けての大切な時間。会社でがむしゃらに働いてきた主人公の雄哉。倫敦で客死した大伯母の玉青から、十六夜荘を遺言で託される。会社を辞めてわかる自分の小ささ、世の中や社会の不条理。人生で大切なものは何か?それを徐々に取り戻していく主人公。戦時中に生きた人々の不条理、平和な時代に生きることのできる我々の幸せ。現代と戦時中が織り成す物語。中国語翻訳者である古内一絵さんでなければ書けないストーリー。ほぼ同年代の彼女がこういった厚みのある小説を書けるのも凄いと思います。特に若い人に読んでもらいたい小説です!
    「満ち欠けがあるのが自然。人も国も仕事も、恋愛も」

  • 自分しか見えていない主人公の雄哉くん。記憶のない大伯母の玉青さんの遺言で手にした「十六夜荘」。少しずつ少しずつほぐれていく感じと、戦時中の異常さ、その中で「自由」を大切にした玉青さんをはじめとする人たちのかっこよさと苦しさに敬意を表したい。一鶴さんのような懐の大きな人になりたい。

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