死香探偵 - 尊き死たちは気高く香る (中公文庫 き 40-8)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 687
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122065086

作品紹介・あらすじ

大人気「キュリー」シリーズ著者の最新作!

「さて、現場の謎を嗅ぎ解こうじゃないか!」特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン・風間由人准教授。分析フェチの彼に体質を見抜かれストーカー……助手にスカウトされた僕は、未解決の殺人現場に連れ出され!?分析フェチのイケメン助教授×死の香りをかぎ分ける青年の、新たな化学ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 化学に強い喜多喜久さんらしい新しいタイプの探偵を考えたものだ。桜庭潤平は死臭に敏感に反応し、死人によって違う食べ物の香りに感じる。その代わりにその香りの食べ物が悪臭漂うようになり食べられなくなってしまう難儀な能力なのである。風間由人という化学の准教授とともに警察の殺人事件の捜査に協力している。この風間が大企業の御曹司でイケメンで、自分の研究第一で、殺人現場に行くと生き生きとするというなんともナイスな人物造形なのだ。勿論、潤平は風間にとってまたとない研究対象だ。この二人や警察の人間、潤平の仕事仲間の樹(死人の出た家や部屋を清掃するという仕事!)たちとの掛け合いが面白い。推理の方は潤平の能力ありきで、まあまあかな。

  • イケメンセレブの分析フェチ准教授・風間と、死者の香り(死香)を食べ物の臭いに変換してしまう特殊清掃員のバイト・潤平が死香を頼りに嗅ぎ解くミステリー。死香として嗅いだ臭いの食べ物が食べれなくなるとか、心底この能力は持ちたくないと思ったわ。壁ドンに姫抱っこ、ラストのずっと側にいてほしい宣言と、そこはかとなく漂うBL臭に敏感な私は楽しませて頂きましたw シリーズ化したら読んじゃうなぁ。

  • 「死香」を嗅ぎ分け事件を解決?していく化学ミステリー。「死香」が食べ物の匂いになるんだから食べ物も食べられなくなるよね。教授がいいキャラです。

  • 死者の放つ香り...『死香』。
    その死香を嗅ぎ分ける特異体質を持つ青年・桜庭 潤平。

    そして、香りの分析を犯罪捜査に応用し、分析研究を行うイケメン准教授・風間 由人。

    おかしなやり取りの2人が活躍する、少しBLっぽい化学ミステリーです。

    短編4編が収録されていますが、最初に犯人が出てくる構成から、倒叙ミステリーの一つとも言えます。

    果たして、2人の前に出て来る謎は、どんな香りか?

  • 正直、主人公が不憫すぎる。例えばこれがBL小説だったら主人公に見返りがある分、もっと楽しめるのかも?などと思ってみたり。今後風間には食べられるものが少なくなった桜庭のために食べられる手料理を振る舞ったりしてほしい(腐)。

  • 一気読みしてしまった

    特殊清掃員とはいえこんなに急遽休みを入れて大丈夫なのかと心配してる

    死臭が食べ物の匂いに変わる特殊体質にはちゃんと副作用があったのか
    食べられるものがどんどん減っていくの絶対ツライ・・

    風間先生にはそんなつもりはなさそうだけど距離感の近さからほんのりBL風味のバディもの・・・?
    好きです

    風間先生からの香りの正体が気になる。
    なぜそんなに甘い香りが・・?

  • 特殊清掃のバイトにより現場の死臭が食べ物の香りに感じられるようになった特殊能力が面白い。清掃の仕事をするには楽でも、副作用としてその食べ物から悪臭を感じてしまい、食べられるものが減っていくのは気の毒。科学者とともに警察の協力もするが、やっていることは警察犬と同じなので、捜査協力の部分よりは科学的な見解の部分が面白い。他人には悪臭に思えても彼にとってはいい匂いとなる成分の研究とか。

  • 死の香りから犯行を紐解いていくお話ですが、主人公が感じている香りを化学的に分析しようとしているところが作者らしい。これもしもシリーズ化したら、主人公は何も食べられないどころか、おちおち外も歩けなくなりますよね。

  • 死者の放つ香り(死香)を食べ物の匂いで感じてしまう特殊体質な可愛い系男子と分析フェチのイケメン准教授とのバディもの。
    連作短編で読みやすく、キャラが魅力的な作品です。

    死香で事件を解決していくことも准教授のキャラも面白かったです。
    主人公はこれからどうなっていくのかな…
    気になるので少しずつ読んでいこうと思います

  • 死香を食べ物の匂いとして感じる美少女のような主人公桜庭、いつも冷静で事態を見透すことの出来る大学准教授の科学者かつ警察の事件に協力する風間、二人が殺人事件の匂いの解明に挑む。
    誰でも死臭、特に腐敗が進んだものは遺体が片付けられた後でも匂いが残り近づきたくない。でも桜庭は食べ物の匂いがして苦痛じゃない。でも、それって普通じゃない。警察犬はいらないなんて。そんな話についつられて読んでしまった。

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著者プロフィール

喜多喜久

一九七九年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第九回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、二〇一一年受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー。主な著書に『青矢先輩と私の探偵部活動』(集英社)、『桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎』、「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ、「死香探偵」シリーズ(中央公論新社)がある。

「2022年 『死香探偵 真心は捧げられた死と香る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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