背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫)

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 50
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122065345

作品紹介・あらすじ

不倫、子殺し、乱倫――はからずも足を踏み入れてしまう人生の隘路。浮気を巡り夫婦二組の日常が交錯する永井荷風の「二人妻」、母への葛藤と哀しい出生の秘密が絡みあう河野多恵子の「雪」、性的不満を抱えた妻とその夫を愛する男性との三角関係を描いた小島信夫の「黒い炎」……一度迷い込んだら抜け出せない好評シリーズ第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 安野モヨコさんって、近現代小説もよく読まれる方なんだなぁ!
    あっけらかんとした『裸体』が一番好きだった。

  • 現代の感覚からすると背徳とは到底思えない話もあるが、やはり背徳と言えば不倫ですね。中途半端で優柔不断な男によって振り回される原罪、同僚に恋した故に気持ちを紛らわせる為にその妻と通じる黒い炎、出生の秘密と母からの虐待の記憶に苦しむ雪、夫の不倫疑惑揺れる妻達、、。
    現代人となんら変わりない悩みで共感する所が多かった。
    あと紫と白の布団によって不倫がバレた下りは男の脇の甘さと女な勘の良さに笑ってしまった

  • 2022年の一冊目。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
    というか帰省先に持っていって読む本として、積読の山からあえてのこちらを選び取る自分が痛い。
    「背徳についての七篇」。全員淫らで、人でなし。
    安野モヨコさん選出のこのシリーズは、これまで全然読んでこなかった作家に触れる機会を得られるので、すごく文学世界が広がる気がする。
    いずれの短編でもそうだけど、大正〜戦後ぐらいにかけてまでの妾の存在感のなんと色濃いことよ。妾腹(しょうふく)という言葉を初めて知った。読んでいたのがちょうど雪の降る日だったので、特に最後の「雪」はすごく胸に迫ってくるものがあって、河野多惠子さんの作品はもっと知りたいなと思った。
    大晦日の朝から読み始めて、戻りの新幹線のなかでキリよく読み終えた。
    ここ最近で考えてることなんだけど、東京から地元へ行くのと、地元から東京に行くの、どっちが私にとっての「帰る」なんだろうなぁ。そのいずれにも帰りを待っててくれる人がいるというのは、たいそう恵まれてることなのだろうね。 

  • 全体的に不倫の話。時代と価値観の違いなのか…。
    「裸体」永井荷風→戦後の風俗の奔放さたるや…これをサラッと書いちゃうのが荷風だよなぁ。女の武器は身体!!!表現方法がなるほど永井荷風。 
    「原罪」円地文子→今いる子のことを考えてやって…。一時の激情ってすごいなぁ。
    「姦」久生十蘭→会話小説。女のマウント合戦!!
    「二人妻」永井荷風→人の不幸は蜜の味。浮気の跡を残さない努力がすごい。
    「黒い炎」小島信夫→おっさんずラブなのか…女じゃなくて男を求めていたのか…
    「紫と白」幸田文→なんかふわっとしてた。
    「雪」河野多惠子→一番ウワァ…となった作品。3歳の差は大きい。自分の娘を殺して妾の子を自分の子として育てるってもう横溝の世界…

  • 「ストイックに生きる」ことは、自分に厳しいだけの生き方なのか?キュニコス派ディオゲネスから、ゼノンら初期、パナイティオスら中期、セネカらローマ時代の後期の思想を比較・紹介

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著者プロフィール

円地文子

一九〇五(明治三十八)年東京生まれ。小説家、劇作家。国語学者・上田万年の次女。日本女子大附属高等女学校中退。豊かな古典の教養をもとに女性の執念や業を描いた。主な作品に『女坂』(野間文芸賞)、自伝的三部作『朱を奪うもの』『傷ある翼』『虹と修羅』(谷崎潤一郎賞)、『なまみこ物語』(女流文学賞)、『遊魂』(日本文学大賞)など。また『源氏物語』の現代語訳でも知られる。八五(昭和六十)年文化勲章受章。八六年没。

「2022年 『食卓のない家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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