巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
4.40
  • (8)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 68
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122065536

作品紹介・あらすじ

五十三歳の真行寺弘道は、「巡査長」という肩書きが警視庁捜査一課で異例なだけでなく、きっちり公休を取り自宅のオーディオでロックを聴くのが楽しみという、刑事としてはかなりの変わり種。
捜査の「お約束」である所轄刑事との相勤を避けて単独行動するなど、型破りな行動・言動で知られている。これまた異例ながら、キャリアで捜査一課長の水野玲子警視に命じられた真行寺は、八王子の高級老人介護施設で起きた入居者死亡事件を捜査する。AI搭載の人形型介護支援ロボットが関わっているらしいその事件を調べるうちに、真行寺は、自らの職業を「ハッカー」と称するオーディオマニアの青年・黒木良平と親しくなった。同事件の捜査が一段落したところに、水野課長から連絡が入る。元警察官僚で衆院議員の尾関一郎が新宿のホテルで変死したという。捜査を進めるうちに、この事件の背後に政界・芸能界・反社会的勢力などが連なる大きな組織の存在をかぎ取った真行寺は、黒木の力を借りて真相に迫るが――。

AIやゲノム編集など、リアルな知見に裏打ちされた痛快なエンターテインメント!〈解説〉北上次郎

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • いやー、面白かった!!
    警察組織の枠組に収まらない変わり種系刑事の真行寺と爽やか好青年だけど凄腕なハッカー黒木のやりとりを活字で読むのが、まー捗る捗る。帯にも書いてあったけどキャラの造形が良いんだよなー。黒木の驚きの「正体」が明らかになる後半から怒涛の伏線回収を経て辿り着くラストまで、時間を忘れて読み入っていた。

  • ここ何ヶ月か刑事ものにハマっている。今回は献本で頂いたこの作品だが、結果めっちゃ面白かった〜!
    真行寺の自由すぎて協調性のない姿も、警察らしい真っ黒な内部も、黒木の賢すぎて飛び抜けている考察も最高にクールだった。文庫本450ページを超える大作なので読み切れるか正直不安だったけど、飽きることなくあっという間に読めた。ここ最近の出来事もちょこちょこ出てくるので、現実からかけ離れた感じもせず、そういう意味でも読みやすかった。私は途中まで完全に騙されていたので、ぜひ同じ体験をしてほしい。

  • 面白かったーー!!
    そんなに期待してなかったのだけど、夢中で読んでしまった。
    真行寺がヒーローではなく、普通のおじさん刑事のところが良かったなぁ。
    実際、こんな刑事はいないのだろうけど、物語の中の人物としてはとても良かった。
    ひねりが効いていて良かった。

  • 警察ものは割と好きなんだけど、なぜかあまりはまらず。行間を読むところも多かったのか、著者の書き方とあわなかったのか、で、結局どうなったのだっけ?とわかりにくいところもあった。で、黒木って??とか…。個人的にはボリュームに比して読むのに時間かかった。

  • ブクログさんから頂きました。

    ベテランなのにヒラ刑事の真行寺は、刑事としては変わり者の設定(どんな人が普通の刑事さんなのか知らないけど)
    事件を解決する為にハッカー黒木に相談して違法な手段を使うし、ゲノム編集まで混ぜこまれている。
    ハッカー黒木は怪しすぎて真行寺といいコンビだった。

  • 自由って、何でしょうね。真行寺さん。
    お金を払って、得た自由は本当の「自由」なのか。
    国の考える自由とは、本当の自由なのか。

    とある議員殺害事件から紐解かれる、国家による全国民家畜化計画。
    本当はそんな名前ではないが、そう言わざるを得ない計画だと感じる。もしかしたら現実でもすでに計画は進行しているかもしれない。
    国にDNAを把握され、個人の嗜好、能力、将来の全てにレールを敷き、無駄な労力を費やして実らない努力を削減すると言う。
    病気もDNAをつぎはぎして発症させないようにする、素晴らしい計画だと国は言う。

    それを国は「全国民が安全に豊かに過ごせる素敵な未来」と謳う。
    とても素晴らしい。同性愛者、潜在的な犯罪者、先天的障碍者は全員処分される素敵な選民国家になるだろう。

    こんな未来がないことを祈る。

  • 久しぶりの日本警察小説
    53歳で巡査部長(ほぼ平社員らしい)という階級で、バツイチ、オーディオ狂、署でも浮いてる自由人な主人公の警察小説

    一章でスーパーハッカーの黒木と出会ったあたりで「また、ハッカー出てきた」とやや構えてしまった。
    「ミレニアム」や「パードレはそこにいる」「フェイスレス(から続く警察物のシリーズ)」に見られる「」スーパーハッカー万能大解決」な展開になったら嫌だなぁと…不安になったが、結果的に主人公の魅力に目を向けて読むことができた。
    ハッカーの得た情報はヒントでしかなく、手段としては違法なので正式な証拠としては使えない分、裏を取ることに苦心したり根回しをしたり言い訳を考えたりと頭を巡らせて捜査を進める姿は良かった。別の意味で何でもできるスーパーハッカー黒木も良さげ

    二人が音楽好きの要素もまた、アナログ派の真行寺とデジタル派の黒木の対比で面白い。味わう様に音楽を聴く、楽しむ感じが日々消耗品の様に聴く私にとっては羨ましい。
    ちなみにジョージ・オーウェルの「1984年」のネタバレがありますのでお気をつけください。

  • また一人、変わり者の刑事が登場した。

    「巡査長」真行寺弘道。五十三歳。
    本庁捜査一課の刑事だ。

    警察の階級には「巡査長」はない。
    だが、こう呼ばれるのは。

    単独捜査を好み、休みたければ休む。

    自宅では、オーディオでロック三昧。

    上からの指令に従うより、自分のひらめきや思いつき、
    疑問を徹底的に追いかける。

    それは、一匹の猟犬だ。

    といっても、ギラギラ感はない。

    だからか、いつまでたってもヒラの刑事。

    だが、必ずや事件の真相を掴んでくる。

    といって、よくいる性格に難ありの天才というわけではない。

    ただただ、自然体。

    警察組織にあっては浮きそうな存在なのだが、
    疎んじらられていることもなさそうだ。

    上司も「一応本部の捜査一課にいる。刑事部長賞なんか
    もらってやがる」。そんな男が何で、ヒラなんだと、不思議がる。

    喰いついてしまいそうな魅力やオーラを放っているとは
    いえないが、じわじわと気になり、クセになる。

    そんな人物だ。

    そして、ニコイチをしない真行寺に相棒ができる。
    この黒木という男も面白い。

    ハッカーなのだが、謎を含んでいる。

    物語は、真行寺が影の相棒、黒木と知り合う第一の事件。

    衆議院議員が新宿のホテルで変死する第二の事件。

    この議員は、なぜ、殺されなければならなかったのか。

    捜査の中で、巨大な陰謀が浮かび上がってくる。

    大胆で、面白く、かつ、恐ろしい。

  • 53歳で巡査長ながら、捜査一課に在職中、オーディオオタクのロックマニアというトンデモな刑事が主人公。
    そんな刑事が、ひょんなことから自称ハッカーと相棒を組み、政治家殺害事件の謎を追ってゆくというユニークな警察小説。
    主人公がロックマニアゆえ、事件の局面に合わせてロックの題名が繰り出されるが、読み手にはとんと不可知(笑)。
    この事件は、出世を拒否し、自由を買った主人公にとって、その自由を守る戦いでもある。事件解明の過程で浮かび上がるのは、政府によるその自由を奪いかねない計画、「国民〇〇〇化計画」。
    果たして、事件を解決し、計画を阻止できるのか。
    事件捜査の打合せの中で、上司が主人公と交わす。
    「確かに、今の総理は中央集権的な統治が好みよね。他に政権担当能力のある野党が見当たらないので、かなり強引な国会運営をしている。マスコミにもずうずうしい注文をつけるし」
    何か今の日本の政治状況そのものではないか!と思ったら、この作品、今年の書下ろしだった。

  • オーディオマニアの50代。なんだか共感できる。
    一気に読んでしまった。

全12件中 1 - 10件を表示

巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)のその他の作品

榎本憲男の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする