巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)

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  • 中央公論新社 (2018年3月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (472ページ) / ISBN・EAN: 9784122065536

作品紹介・あらすじ

五十三歳の真行寺弘道は、「巡査長」という肩書きが警視庁捜査一課で異例なだけでなく、きっちり公休を取り自宅のオーディオでロックを聴くのが楽しみという、刑事としてはかなりの変わり種。
捜査の「お約束」である所轄刑事との相勤を避けて単独行動するなど、型破りな行動・言動で知られている。これまた異例ながら、キャリアで捜査一課長の水野玲子警視に命じられた真行寺は、八王子の高級老人介護施設で起きた入居者死亡事件を捜査する。AI搭載の人形型介護支援ロボットが関わっているらしいその事件を調べるうちに、真行寺は、自らの職業を「ハッカー」と称するオーディオマニアの青年・黒木良平と親しくなった。同事件の捜査が一段落したところに、水野課長から連絡が入る。元警察官僚で衆院議員の尾関一郎が新宿のホテルで変死したという。捜査を進めるうちに、この事件の背後に政界・芸能界・反社会的勢力などが連なる大きな組織の存在をかぎ取った真行寺は、黒木の力を借りて真相に迫るが――。

AIやゲノム編集など、リアルな知見に裏打ちされた痛快なエンターテインメント!〈解説〉北上次郎

感想・レビュー・書評

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  • エアー3.0の表紙に惹かれ手に取り、その前作の2.0から読み、世界観と物語の上手さ、イデオロギーの強さに楽しみ、
    同じ作家で評価の高さから手にとってみる。
    タイトルが凡庸オブ凡庸で、正直期待してなかったのだが、
    警察小説としての、ミステリーの強さや、警察組織のうんぬんなんてレベルではない、
    ・出世を捨てることは自由なのか
    ・情報社会で、情報を捧げ管理されることは楽だが、不自由なんて言うが、それだって楽に生きられれば良いのではないか
    ・安全と健康と自由と管理と不自由と欺瞞と正義

    ミステリーとしての公平さで言えば0点。
    主人公の出世は捨てたが操作能力は高いという設定も、店員と客を間違えて傲慢な態度でものを聞いているという導入から既に瓦解。
    捜査のキモはほとんど他人任せのハッキング。

    だがまったく本を放り投げる気にならず、むしろどんどん惹かれていく。
    エンタメとしての強さと、考えさせられるイデオロギーへの一石に、最後まで一気にいける。

    ラストがまた凡庸なのだが、これも極めてエンタメ映画的。ラストで読者のド肝を抜きたいわけではなく、むしろ、そのイデオロギーについての議論を待っているのかと。

    現在4作シリーズ出て、パタリと止まっているが、これは4作読んでみないと。
    サクサク読める決して軽くない良エンタメ。

  • なんほど、レビュー評価も高いだけあって面白くて一気に読んだ。夢中になりすぎて電車乗り過ごして隣の駅まで行ってしまった。
    自由とは何か?がテーマなんだけど、内容はともかく、これからの日本人が突き付けられる事柄ではあると感じた。
    フォローさせていただいている方のレビューを参考に選んだ。普段は注目していない著者なので思わぬ巡り合いに感謝。

  • いやー、面白かった!!
    警察組織の枠組に収まらない変わり種系刑事の真行寺と爽やか好青年だけど凄腕なハッカー黒木のやりとりを活字で読むのが、まー捗る捗る。帯にも書いてあったけどキャラの造形が良いんだよなー。黒木の驚きの「正体」が明らかになる後半から怒涛の伏線回収を経て辿り着くラストまで、時間を忘れて読み入っていた。

  • 1月-2。3.5点。
    53歳、巡査長が主人公。趣味のオーディオを通じ、ハッカーと知り合った巡査長。
    ある議員がホテルで死亡し、殺人事件に。

    結構面白い。作者が映画監督だけあって、スケールの広げ方、回収の仕方が上手い。
    次作も期待。

  • キャラクターがみんな個性的なところはよかった。黒木のことがすごく気になるけど、続きはいいかな。

  • 謎の気が合うハッカー黒木
    ドラマでも万能なハッカー
    ハッカーを落ちに使った話
    ラストが意外性がある
    連載打ち切りになった長編
    マンガみたいだ

  • 警視庁捜査一課の刑事としては型破りな行動・言動をし、かなりの変わり種である「巡査長」が主人公というだけで期待して読みました。オーディオマニュア、ロック好き、ハッカーといった登場人物設定の上に、AI搭載の人形型介護支援ロボット、ゲノム編集などなど、といった展開に引き込まれて、一気に読み切りました。かなり、型破りな刑事ドラマといった感じでしたが、楽しめました。

  • 久しぶりの日本警察小説
    53歳で巡査部長(ほぼ平社員らしい)という階級で、バツイチ、オーディオ狂、署でも浮いてる自由人な主人公の警察小説

    一章でスーパーハッカーの黒木と出会ったあたりで「また、ハッカー出てきた」とやや構えてしまった。
    「ミレニアム」や「パードレはそこにいる」「フェイスレス(から続く警察物のシリーズ)」に見られる「スーパーハッカー万能大解決」な展開になったら嫌だなぁと…不安になったが、結果的に主人公の魅力に目を向けて読むことができた。
    ハッカーの得た情報はヒントでしかなく、手段としては違法なので正式な証拠としては使えない分、裏を取ることに苦心したり根回しをしたり言い訳を考えたりと頭を巡らせて捜査を進める姿は良かった。別の意味で何でもできるスーパーハッカー黒木も良さげ

    二人が音楽好きの要素もまた、アナログ派の真行寺とデジタル派の黒木の対比で面白い。味わう様に音楽を聴く、楽しむ感じが日々消耗品の様に聴く私にとっては羨ましい。
    ちなみにジョージ・オーウェルの「1984年」のネタバレがありますのでお気をつけください。

  • ここ何ヶ月か刑事ものにハマっている。今回は献本で頂いたこの作品だが、結果めっちゃ面白かった〜!
    真行寺の自由すぎて協調性のない姿も、警察らしい真っ黒な内部も、黒木の賢すぎて飛び抜けている考察も最高にクールだった。文庫本450ページを超える大作なので読み切れるか正直不安だったけど、飽きることなくあっという間に読めた。ここ最近の出来事もちょこちょこ出てくるので、現実からかけ離れた感じもせず、そういう意味でも読みやすかった。私は途中まで完全に騙されていたので、ぜひ同じ体験をしてほしい。

  • 面白かったーー!!
    そんなに期待してなかったのだけど、夢中で読んでしまった。
    真行寺がヒーローではなく、普通のおじさん刑事のところが良かったなぁ。
    実際、こんな刑事はいないのだろうけど、物語の中の人物としてはとても良かった。
    ひねりが効いていて良かった。

  • 榎本憲男『巡査長 真行寺弘道』中公文庫。

    オーディオマニアでロックフリークの53歳の刑事・真行寺弘道を主人公にした奇妙な警察小説。

    ひねりが効いたストーリーと主人公の人物像が秀逸。全く油断も隙も無い展開と様々なジャンルの音楽に関する蘊蓄に最後まで楽しめた。特に黒木のハッカーとしての活躍が面白い。果たして、続編はあるのか…

    介護支援ロボットの暴走による殺人事件と元警察官僚で衆議院議員の尾関一郎の変死事件を捜査する真行寺弘道は天才ハッカーの黒木良平とタッグを組む…次第に見え始める巨大な陰謀と黒木の正体…

  • 最新刊の新聞広告で本シリーズの存在を知り一巻に遡って読んでみましたが、ちょっとした掘り出しものを探り当てたような気分です。
    主人公の真行寺がなんともイイ感じに脱力して自然体で飄々と捜査を進める姿がかっこいいですね。53歳にして巡査長(警察内部の階級制度の詳しいところはわかりませんが)、出世をあきらめた一見アウトローに見えなくもないが、実は実力は折り紙付きで、それゆえ捜査一課に在籍しているという”強者”。
    本作では真行寺が必要と考える”自由”と、政府レベルで個人を管理(=自由を奪う)しようとする企てのせめぎあい、ひょんなことから知り合った黒木の自由に対する価値観も真行寺のそれとは対立している、さらに別れた妻の(血はつながっている)子供の病に関する問題も絡んできて、という複線型でストーリーが進みます。黒木の助けもあり事件の中枢に切り込んでいくわけですが、あと一歩のところで…、という展開、。老練というか経験に裏打ちされた真行寺の洞察力がいかんなく発揮され、実力はエース級、でも巡査長という人物像とのギャップになって本作の魅力になっていると思います。展開されていくそれぞれのストーリーも密接に絡み合っていて”深み”を出していますね。4作目まで刊行されているようなので2作目以降も読み進めレビューします。

  • てっきり読んだことのある作者さんと勝手に思い込んで。なんか違うなあ.... 謎のあいつ。どこかで正体判るのかしら!

  • 五十三歳の真行寺弘道は、「巡査長」という肩書きが警視庁捜査一課で異例なだけでなく、きっちり公休を取り自宅のオーディオでロックを聴くのが楽しみという、刑事としてはかなりの変わり種。
    捜査の「お約束」である所轄刑事との相勤を避けて単独行動するなど、型破りな行動・言動で知られている。これまた異例ながら、キャリアで捜査一課長の水野玲子警視に命じられた真行寺は、八王子の高級老人介護施設で起きた入居者死亡事件を捜査する。AI搭載の人形型介護支援ロボットが関わっているらしいその事件を調べるうちに、真行寺は、自らの職業を「ハッカー」と称するオーディオマニアの青年・黒木良平と親しくなった。同事件の捜査が一段落したところに、水野課長から連絡が入る。元警察官僚で衆院議員の尾関一郎が新宿のホテルで変死したという。捜査を進めるうちに、この事件の背後に政界・芸能界・反社会的勢力などが連なる大きな組織の存在をかぎ取った真行寺は、黒木の力を借りて真相に迫るが――。

  • 2018年初版。元政権を彷彿とさせる政府発の不正行為。警察内部の管轄と対立。ハッキングによる情報漏洩。真実は陽の目を見るのか、捕まらずに正義を通せるか、冷や冷やドキドキのスリル感がたまらない。一気に読み通してしまった。

  • 【253冊目】山本さんに勧められて読んだ本。インフォメーションテクノロジーとバイオテクノロジーがこの物語の主軸になってるという意味では、ユヴァル・ハラリの本やアニメ「PSYCHO-PASS」をチェックしてる人にとっては目新しさはないかも。

  • ベテランの捜査一課ヒラ刑事・真行寺は、介護施設で起きた死亡事件の捜査中、自称・ハッカーの黒木と親しくなる。続く元警察官僚の議員変死事件で、背後に蠢く巨大組織の臭いをかぎ取った真行寺は、黒木の力を借り真相に迫るが―。ゲノム編集など幅広くリアルな知見に裏打ちされた、圧倒的なスケールの痛快娯楽大作登場!文庫書き下ろし警察小説。

    オーディオ関係の記述が面白い。

  • 50歳超のヒラ刑事と天才ハッカーが相棒となって政治家殺害事件の解決を目指す。個性的な人物設定の割には主人公の刑事の描き方は物足りない。探偵役のハッカーが協力する理由も十分とはいえない。事件の背景には考えさせられるテーマが設定されており、安易な結論付けもされていない。続編に期待。

  • 気づかないうちに私たちは国家に管理されてしまうのではないか?
    それを健康のため、DNA情報からとるから機密性は高いですと言われても信用できるのか?

    ここまで安倍政権、一極集中の世の中になると
    それを監視する注意する役割は誰になるのか?
    誰も怖くてものを言えない時代になってやしないか?

    壊せないなら愚民のままでいい。

  • やっとこ読めた。
    はじめはまあまあのスピードで読めてたのに、
    途中から別の誘惑が‥。
    しかし、それに負ける程度かと言われると、
    いやいや、彼じゃない、私が悪かったんですと
    謝罪したくなる本でした。

    面白いんだけど、頭が付いてかない。
    でも理解したい。

    まあ、音楽が好きなひとはいけるかも。
    そこか?

    この本題、結構 ほんとかもと思ってます。
    だってみんな、優秀でいて楽したいもの。
    作られた毎日万歳。
    自分の子ですら、自分の子じゃない。
    哀しい世の中だけど、死にたくないしね‥。

    なにが幸せなんだろう、あー 午睡したいわ。

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著者プロフィール

一九五九年和歌山県生まれ。大学卒業後、西武セゾングループの文化事業部に勤務。その後東京テアトルにて映画事業に携わる。劇場支配人、番組編成担当、プロデューサー等を務め、退社。二〇一一年、監督デビュー作「見えないほどの遠くの空を」の公開と同時に、同作の小説を発表。一六年『エアー2・0』が大藪春彦賞候補となる。他の著書に「巡査長真行寺弘道」「DASPA吉良大介」シリーズなどがある。

「2022年 『アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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