巡査長 真行寺弘道 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122065536

作品紹介・あらすじ

五十三歳の真行寺弘道は、「巡査長」という肩書きが警視庁捜査一課で異例なだけでなく、きっちり公休を取り自宅のオーディオでロックを聴くのが楽しみという、刑事としてはかなりの変わり種。
捜査の「お約束」である所轄刑事との相勤を避けて単独行動するなど、型破りな行動・言動で知られている。これまた異例ながら、キャリアで捜査一課長の水野玲子警視に命じられた真行寺は、八王子の高級老人介護施設で起きた入居者死亡事件を捜査する。AI搭載の人形型介護支援ロボットが関わっているらしいその事件を調べるうちに、真行寺は、自らの職業を「ハッカー」と称するオーディオマニアの青年・黒木良平と親しくなった。同事件の捜査が一段落したところに、水野課長から連絡が入る。元警察官僚で衆院議員の尾関一郎が新宿のホテルで変死したという。捜査を進めるうちに、この事件の背後に政界・芸能界・反社会的勢力などが連なる大きな組織の存在をかぎ取った真行寺は、黒木の力を借りて真相に迫るが――。

AIやゲノム編集など、リアルな知見に裏打ちされた痛快なエンターテインメント!〈解説〉北上次郎

感想・レビュー・書評

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  • なんほど、レビュー評価も高いだけあって面白くて一気に読んだ。夢中になりすぎて電車乗り過ごして隣の駅まで行ってしまった。
    自由とは何か?がテーマなんだけど、内容はともかく、これからの日本人が突き付けられる事柄ではあると感じた。
    フォローさせていただいている方のレビューを参考に選んだ。普段は注目していない著者なので思わぬ巡り合いに感謝。

  • いやー、面白かった!!
    警察組織の枠組に収まらない変わり種系刑事の真行寺と爽やか好青年だけど凄腕なハッカー黒木のやりとりを活字で読むのが、まー捗る捗る。帯にも書いてあったけどキャラの造形が良いんだよなー。黒木の驚きの「正体」が明らかになる後半から怒涛の伏線回収を経て辿り着くラストまで、時間を忘れて読み入っていた。

  • 1月-2。3.5点。
    53歳、巡査長が主人公。趣味のオーディオを通じ、ハッカーと知り合った巡査長。
    ある議員がホテルで死亡し、殺人事件に。

    結構面白い。作者が映画監督だけあって、スケールの広げ方、回収の仕方が上手い。
    次作も期待。

  • キャラクターがみんな個性的なところはよかった。黒木のことがすごく気になるけど、続きはいいかな。

  • 謎の気が合うハッカー黒木
    ドラマでも万能なハッカー
    ハッカーを落ちに使った話
    ラストが意外性がある
    連載打ち切りになった長編
    マンガみたいだ

  • 警視庁捜査一課の刑事としては型破りな行動・言動をし、かなりの変わり種である「巡査長」が主人公というだけで期待して読みました。オーディオマニュア、ロック好き、ハッカーといった登場人物設定の上に、AI搭載の人形型介護支援ロボット、ゲノム編集などなど、といった展開に引き込まれて、一気に読み切りました。かなり、型破りな刑事ドラマといった感じでしたが、楽しめました。

  • 久しぶりの日本警察小説
    53歳で巡査部長(ほぼ平社員らしい)という階級で、バツイチ、オーディオ狂、署でも浮いてる自由人な主人公の警察小説

    一章でスーパーハッカーの黒木と出会ったあたりで「また、ハッカー出てきた」とやや構えてしまった。
    「ミレニアム」や「パードレはそこにいる」「フェイスレス(から続く警察物のシリーズ)」に見られる「スーパーハッカー万能大解決」な展開になったら嫌だなぁと…不安になったが、結果的に主人公の魅力に目を向けて読むことができた。
    ハッカーの得た情報はヒントでしかなく、手段としては違法なので正式な証拠としては使えない分、裏を取ることに苦心したり根回しをしたり言い訳を考えたりと頭を巡らせて捜査を進める姿は良かった。別の意味で何でもできるスーパーハッカー黒木も良さげ

    二人が音楽好きの要素もまた、アナログ派の真行寺とデジタル派の黒木の対比で面白い。味わう様に音楽を聴く、楽しむ感じが日々消耗品の様に聴く私にとっては羨ましい。
    ちなみにジョージ・オーウェルの「1984年」のネタバレがありますのでお気をつけください。

  • ここ何ヶ月か刑事ものにハマっている。今回は献本で頂いたこの作品だが、結果めっちゃ面白かった〜!
    真行寺の自由すぎて協調性のない姿も、警察らしい真っ黒な内部も、黒木の賢すぎて飛び抜けている考察も最高にクールだった。文庫本450ページを超える大作なので読み切れるか正直不安だったけど、飽きることなくあっという間に読めた。ここ最近の出来事もちょこちょこ出てくるので、現実からかけ離れた感じもせず、そういう意味でも読みやすかった。私は途中まで完全に騙されていたので、ぜひ同じ体験をしてほしい。

  • 面白かったーー!!
    そんなに期待してなかったのだけど、夢中で読んでしまった。
    真行寺がヒーローではなく、普通のおじさん刑事のところが良かったなぁ。
    実際、こんな刑事はいないのだろうけど、物語の中の人物としてはとても良かった。
    ひねりが効いていて良かった。

  • 榎本憲男『巡査長 真行寺弘道』中公文庫。

    オーディオマニアでロックフリークの53歳の刑事・真行寺弘道を主人公にした奇妙な警察小説。

    ひねりが効いたストーリーと主人公の人物像が秀逸。全く油断も隙も無い展開と様々なジャンルの音楽に関する蘊蓄に最後まで楽しめた。特に黒木のハッカーとしての活躍が面白い。果たして、続編はあるのか…

    介護支援ロボットの暴走による殺人事件と元警察官僚で衆議院議員の尾関一郎の変死事件を捜査する真行寺弘道は天才ハッカーの黒木良平とタッグを組む…次第に見え始める巨大な陰謀と黒木の正体…

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著者プロフィール

一九五九年和歌山県生まれ。大学卒業後、西武セゾングループの文化事業部に勤務。その後東京テアトルにて映画事業に携わる。劇場支配人、番組編成担当、プロデューサー等を務め、退社。二〇一一年、監督デビュー作「見えないほどの遠くの空を」の公開と同時に、同作の小説を発表。一六年『エアー2・0』が大藪春彦賞候補となる。他の著書に「巡査長真行寺弘道」「DASPA吉良大介」シリーズなどがある。

「2022年 『アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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