老後の資金がありません (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 1130
レビュー : 138
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122065574

作品紹介・あらすじ

しっかり貯金して老後の備えは万全だったわが家に、突然金難がふりかかる!後藤篤子は悩んでいた。娘が派手婚を予定しており、なんと600万円もかかるという。折も折、夫の父が亡くなり、葬式代と姑の生活費の負担が発生、さらには夫婦ともに職を失い、1200万円の老後資金はみるみる減ってゆく。家族の諸事情に振り回されつつもやりくりする篤子の奮闘は報われるのか?普通の主婦ががんばる傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 老残の身には、何とも身につまされる題名(笑)で、読まずにいられなかった。
    夫婦ともにリストラに遭った50代の主婦が主人公。
    しかもなけなしの貯金は、娘の結婚式それに舅の葬式代に出費し、残り僅か。
    結婚した娘は、DV被害が疑われ、さらに行き掛かり上、姑を自宅に引き取る羽目に。
    親類や近所付き合い、友達付き合い等々、読者の日常生活や倹約生活のヒントにもなる、主婦のドタバタ奮戦記。
    度重なる逆境にもへこたれない主人公(時たま歯がゆくなる時もあるが)の姿に、似たような境遇の諸姉は、勇気をもらえるかも。

  • 老後資金が底をつき、頼りない夫と義姉に挟まれてストレスがたまり続ける主人公。
    さらに、嫁入りした娘の心配や習い事仲間の話などを絡め、前半はどんよりした空気が漂うも、姑を引きとってからの話が俄然面白くて、明るく笑える小説になっています。
    また、老後を楽しく過ごすためのノウハウの一端がわかります、それは信頼できる仲間を持つ、見栄を捨てる(腹を割って話す)、小銭を稼ぐ意欲を忘れない、日々を悲観的で深刻になりすぎないように過ごす等・・各人がこの小説の読み方次第で得るものがあるでしょう。
    これから年金生活に入るあなた、将来を悲観する前に、とりあえず一服の清涼剤として読んでおいても損はありません。

  • 「江戸っ子は宵越しの金を持たない」なんてのは、馬鹿らしい見栄っ張りなんです。その見栄っ張り故に、せっかく貯めた老後資金を失うことになって、おたおたする話です。

    垣谷美雨さんの描写にはいつも頷いてしまいます。特に夫婦関係ですかね。ノー天気な夫が出てくるのも相変わらずですが、妻側も自分の欠点を見つめる賢さ、困難にめげずに立ち向かう姿が好もしいのです。これってわたくしのことかしら?と思わせる術は大したものです。ま、状況は全く違いますけど。それに夫側にも言い分はあるでしょうし、面白くもないでしょうが。

    後半、金策のために良からぬことにはまりそうになるところがこの空想物語の醍醐味でしょう。そして収まるところに収まる。そうでなくっちゃ、やってられませんよね。

    それにしてもネット情報には老後の資金問題の記事の多いこと、もう完全老後のわたくしでさえおもわずクリックしてしまいますよ(笑)

  • 物語を通じてお金の勉強しましょう的な本かと思って油断してたら、後半いきなりの大展開&きっちり伏線回収で面白かった。天海祐希さん主演で映画化も決定しているそうです。著者・垣谷美雨さんの本は初めて読んだけど、他にも面白そうなのいっぱいあるので、これからしばらく楽しめそうです。

  • 今や誰でも興味があり、心配の種となっている老後問題。
    それを面白く描いている。
    だけど、結構リアルでもある。
    子供の結婚費用や親の葬儀費用。
    せっかく自分達の老後に向けて集めた資金がどんどん無くなっていく恐怖に不安が止まらない主婦の篤子。
    そこに追い討ちをかけるようなリストラ…
    みんな老後を考えていないわけじゃない、ただお金ってなかなか貯まらないものなんですよね。
    どこにどれだけ使えばいいのか、使うべきなのか、色々考えさせられる作品。

    2019.12.13

  • 「老後は安泰」のはずだったのに!後藤篤子は悩んでいた。娘の派手婚、舅の葬式、姑の生活費…しっかり蓄えた老後資金はみるみる激減し、夫婦そろって失職。家族の金難に振り回されつつ、やりくりする篤子の奮闘は報われるのか?ふりかかる金難もなんのその、生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。

  • あっという間に読んでしまった。
    垣谷さんの本は、時々読むと、息抜きになる。

    難しくなくて、ゆるーく読めるんだけど、自分も気をつけないと!と思わせてくれる。

  • 夫が定年間際の夫婦。
    老後の事を考えようとしていたアラフィフの主婦が次々と
    予定外の事が表れ奮闘するというストーリー。

    前半は娘の派手婚、舅の葬儀、姑の生活費をはじめとしての仕送り、
    などとどこの家庭にてもありそうな出来事が盛沢山にあり、
    そのことに対してて悶々とした思いがかなり
    描かれていたので読んでいても沸々とした思いになってしまいました。
    この先も愚痴のように永遠とラストまで続いていくのかと
    思ってしまいましたが、ひょんなことから節約生活には拍車がかかり、
    姑と一緒に同居することから一転していくところから
    この作品の面白さが出てきて、思わず一気にに読んでしまいました。

    一見上品で昔気質の姑さんだと思っていた姑が、
    身近で接していくうちに実は一枚も二枚も上手な人で
    時には可愛らしい部分も見せたりして、
    姑ともやりとりの光景はとてもとても痛快でした。

    人は見かけだけでは分からず、
    華やかで優雅な生活を送っていても
    心の中では寂しかったり、大変だったりと人それぞれ。
    けれどそれにも負けず、寄り添える人達が集まれば
    難しいことも解決できるのだと思えました。

    先々の事を心配するよりも
    案ずるよりも産むが易しとは
    このような例えだなとも思えました。

    最近のニュースでも老後の資金には
    最低でも2000万の貯蓄はないと
    生活が出来ないと言われていたので、
    老後の事をかなり切実に考えていましたが、
    この作品でユニークな方法で節約の仕方も学ぶことが
    できたり、発想の転換なども出来て良かったです。

    まだ老後が存在である若い世代でも、
    いつかは訪れる老後についてリアルに考える事が出来るので、
    同世代の方はもちろん若い世代の方にも読んでもらえると良いと思います。

    主人公のように小心者で神経質な性格ですが、
    小心者は小心者なりに地道にしっかりと地に足をつけて
    生きていけばきっと未来は開けるとも思える作品でもありました。

    まだ垣谷さんの作品を読みはじめたばかりなので、
    他の作品も益々読みたくなりました。

  • なんやかんやで生きているとお金がかかる!そして人のことはよく見える。「あの人はいいなあ、私と違って幸せそう」と思ってても、その人が本当にそうなのかはわからない。隠された苦労があるかも。幸せか不幸せかは自分の心の問題!さやかの家庭の事情はすぐ分かった。結婚してから言葉遣いが全然違うのに気がつかない篤子さん鈍いよ。

  • 天海祐希さん主演映画化!
    「老後は安泰」のはずだったのにー。生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。

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著者プロフィール

垣谷 美雨(かきや みう)
1959年生まれの小説家。兵庫県豊岡市出身、明治大学文学部文学科(フランス文学専攻)卒業。ソフトウェア会社勤務を経て、2005年『竜巻ガール』で小説推理新人賞を受賞し、デビュー。代表作としてテレビドラマ化された『リセット』『夫のカノジョ』の他に、文庫化されてベストセラーとなった『老後の資金がありません』、『ニュータウンは黄昏れて』『子育てはもう卒業します』『避難所』『農ガール、農ライフ』『あなたのゼイ肉、落とします』『嫁をやめる日』『後悔病棟』『女たちの避難所』など著作多数。『結婚相手は抽選で』が2018年10月に野村周平主演でドラマ化された。

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